My Own Private Idaho  (1991)アメリカ 105分

『マイプライベートアイダホ 』



監督 :ガス・ヴァン・サント

キャスト:リバーフェニックス、キアヌリーブス他



キアヌリーブスとリバーフェニックスの生い立ちと関係知ってると尚更くるものがある。


肉欲がない恋愛感情だからこそ一層純真で

真っ直ぐで、切ない。


親や社会への反抗、それぞれ悩みを抱え、共に生活している少年少女達。

社会の器から溢れてしまった彼らの唯一の居場所。

だがそれも大人になるに連れ、それぞれの人生を《道》を歩み始める。


生い立は全く異なるスコットとマイク、

けれど魂の共鳴を感じ合う2人。


同性を愛するということの難しさ、疎外感、孤独感、堕落し荒んだ生活をする自分。

結ばれない恋愛感情が凄いリアルで

幻想的な風景によって更に洗練されていた。

青春時代の心が締め付けられるような切なさや迷いが リバーフェニックスの危うく、今にも壊れそうな儚い怪演とアメリカのアイダホ州の何も無い、虚無的でどこまでも続く尊厳な乾き切った路、それが人生のメタファーに感じられて良かった。


確かこの2年後かにリバーフェニックスは

亡くなっていて

ラストシーンの西部の路で睡眠性発作にかられて車に乗っけられていくシーンはリバーフェニックスが本当にこの世から遠ざかってしまったんだなぁ~と言う気がした。と言う事は本当にあの路は人生そのものだったのだ。


『ここがどこか、道路で分かる。前にもここに来てやはり途方に暮れた。 

  この道は、ここだけ。他のどこにもない道だ。ー 逃げたって無駄だよ、俺と同じで   逃げられない。』


彼は人生の苦味を知っていた。

人生とは大抵、思い通りには上手くいかないものだから。


そして 彼はあの道を、車で駆け抜けて行くみたいに生き急いだ。


『俺は道に詳しい。ずっと道路の道を味わってる。この道は ー どこまでも続く。

   世界をぐるっと  回って ー いるのだ。』