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 三月から四月になりますと季節が変わったと目に見えて実感いたします。

雪の下から見えていた茶色や灰色の山肌から一転し、緑や赤そして黄色といった色彩が私たちの目を楽しませてくれるようになります。また、花の香りや虫と動物の声といった生命の息吹が春の訪れを明確に私たちに告げてくれます。

 

 日本は四季がはっきりとしている国なのでこういった自然の営みから時間の流れと変化を体感しやすい環境にあるといって良いと思います。

 

 さて先日そこら中から借金をしている人が恩人にも返済していない身なのにまだ無駄遣いを続けているようなので「なぜそのようなことをするのか」と質問したところ「なぜだか知らないうちに使っていました」という返事を聞き、次の話を思い出しました。

 

 一人の旅人が広い荒野で突然狂った象に出くわしました。逃げ場のない中、どこかに隠れようとすると幸いにも古い井戸が有り、藤つるが下がっていました。

 

 藤つるを伝って井戸の中に降りていくと井戸の底には大きな龍が口を開けて待ち構えているのが見えます。仕方がないので藤つるを命の綱にして宙にぶら下がってやり過ごすことにしました。井戸の底を良く見ると四匹の大蛇もいて旅人を狙っています。さらに上の方では野火が発生して広がっているようです。

 

 だんだん手が痛くなってきます。そのうち白黒の鼠がやってきて交代で藤つるをかじりだしました。もはや万事休すと生きた心地がしません。

 

 ふと顔を上げると蜂の巣から甘い蜜がぽたりと旅人の口へ滴り落ちてきました。

旅人はもはや目前の危険を忘れてうっとりと蜜をなめ、さらに落ちてこないかと貪りはじめました。

 

 この物語が伝えているのは、私たちの人生がこのようになりがちであるということです。旅人とはわれわれ自身に他ならず、追ってくる狂象とは流れる時間であり、欲にとらわれた結果ともとれます。古井戸とは生死の深淵でその底にうごめく龍は死の影、四匹の大蛇と野火は私たちの身体に起こる老いや病気などでありましょう。そして藤つるとは私たちの生命であり、白黒の鼠とは昼夜のこと、滴り落ちてくる蜂蜜とは、つまらぬ一時の快楽のことです。

 

 このお話はもとは譬喩(ひゆ)経というお経に説かれていてロシアの文豪トルストイが広めたことで世界に知られるようになりました。確かに人間の本性の一部をよく表現していると思います。もちろん誰もこのような人になりたくないでしょうし、人間には違う面もあるのでここから抜け出る知恵を求めるでしょう。つまらぬ欲望の奴隷になって時間を浪費し、人生を台無しにしないよう気をつけたいものです。・・・ 合掌