私が二人の娘を育てていた頃、大阪に有名な中島小児科がありました。
超一流の先生でした。
3ヶ月間は母乳で育て、4ヶ月目になると先生の所へ行くのです。
先生のところでは1合のお米を鉄鍋て2時間かけて炊いて、それを分けて食べさせます。
ある6月の初め、6ヶ月になる娘を連れて、毛糸で編んだ半袖の洋服を着せて行きました。
「何故半袖を着せて来たのか」
「・・・可愛いからです」
「ばか。今の季節は薄い長袖で全身をおおってやるのが常識だ」
大声で叱られ、ポロポロ涙が。

また、初めて散髪して行った日。
「何故散髪をしたのか」
「かわいいからです」
「ばか。もしカミソリで頭に傷でもつけたらどうするか」
毎回叱られる。
帰りの地下鉄を降りるまで涙がこぼれっぱなし。
でも中島先生のおかげで二人の子どもを無事育てる事が出来ました。

私は、「川崎先生は子どもには優しいが親には厳しい」と言われて来ました。
ピアノのレッスンにもその子の一生がかかっているからです。