しのぶーのブログ

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傑作復活編は2勝3敗と振るわない結果に終わってしまったが、今回はどうか。


①箱


あらすじ

研究室で何者かに襲われた朔子、気がつくとまるで棺おけのような狭い箱の中に閉じ込められている。スマホだけを頼りに外界に助けを求めるのだったが…



「箱の中に閉じ込められている」というと、「CUBE」「リミット」などがすぐに思いつくぐらい、多少ありふれたネタ。

既存のものをどのように壊すのかとても楽しみにしながら見ていた。

「ペンライトの光だけにしては箱の中が明るい。何かほかに光源が?」「警官がやけに携帯の電池残量を気にするのは、後半に何か電池を使うイベントがあるのか?」「主人公は汗をかいているが、箱の中は熱いのか。居場所に関係が?」などなど、色んな事を考えたが、完全に騙された。


まさかの実験オチ!

…と思わせてのどんでん返し。


そして最悪の終わり方。

まさしく奇妙な物語の名を冠するにふさわしい作品。


本作においての最重要事項は「俳優の演技力」

箱に閉じ込められる焦燥感、携帯の電池が切れた絶望感、恋人への深い愛情などなど…

演技が下手な俳優が演じたのであれば、全く感情移入できずに終わる一作品で終わった可能性もある。


竹内結子の演技力は凄まじかった。やはりプロは違うね…。



②幸せを運ぶ眼鏡


あらすじ

独身、彼女なしの涼太のもとに、特殊な機能を持つ「ウェアラブルライフサポーター」という眼鏡が届く。その日から彼の人生が大きく動き出す…


作品冒頭から

「誰から届いたか分からないメガネを何故かけるのか?」

「未来のテクノロジーを何故すんなり受け入れているのか?」という疑問が頭から離れず、作品を楽しめなかった。


恋人との関係性がうまくいったり、仕事がうまくいったりする時、「このメガネは何なんだ?」と自問自答してくれないと、主人公がアホすぎる印象を受ける。

「出会い系サイトに登録してくれた方への無料サービス!!」とか適当な回答を示してほしかった。

また、最後の「消費に結びつけるエンド」よりも、「ヒロインもコンタクトをしていて、最後にニヤリと笑うエンド」「街を歩く人のほとんどがメガネにしゃべりかけているエンド」の方が奇妙さが出ていいように思う。



③事故物件


あらすじ

由希子は娘、朱理と二人暮らし。ある晩、娘が深夜0時13分を迎えると同時にうなされるように。背後にはある女の気配を感じ…。


中盤でネタばれしたので、さらにここからもう一回何かしらあるのかと思ったらそんなこともなく。


主人公が電話に出ると、幽霊?が娘の部屋の方に歩きだすと、それ以外の時は主人公の方に近寄ってくる時とがあり、そのことに法則性でもあるのか、と考えていたが、特にそんなこともなく。


夫も実は火事で…ぐらい、徹底的に打ちのめしてくれれば、奇妙な物語だっただろうか。

ただのホラー&いい話。オチもすぐ読める。



④×(バツ)


あらすじ

銀行員の初野はある日、自分の額にバツ印があることを発見する。周りの人間には見えてないようなのだが。バツは何を意味するのか。


面白くないわけではないが…

頭に×がついた人が死ぬ、という法則は分かるのだが、主人公の物分かりの良さが理解できない。

ラーメン屋のおやじがたまたま死んだ可能性がある以上、もう少し「他に×がついた人がいるのか」「×がついた人は確実に死ぬのか」などをしっかりと調べたいところ。その検証なしに自分の死をすんなり受け入れるのは少し違和感がある。

ヤケで受け入れたのだとしたら、死亡時何億円か出る保険に入る等の少し突飛な行動をとって欲しい。


また、主人公の頭に×がついて、その翌日には「×仲間」を見つけている。(×仲間は、2ヶ月仲間が見つからなかったそうだが)

そのことから考えて、「×が見える人」というのは一定数いると思われる。


最後の皆の頭に×が出ているシーンで、

「×が出ている人同士で騒いでいる」

「テレビで最近見るTitter等とのコラボのテロップで『あいつデコに×が書いてるんだけどwww』等の書き込みがある」

「(血縁関係者は×が見える可能性が高いということだったので)主人公の娘には×が見える」

等の場面を入れてくれれば、×の説得力が増した気がする。


誰も騒いでいない以上、主人公&ラーメン屋のおやじだけがおかしくなっていた可能性も捨てきれない。


面白くないわけではないが、疑問点が残る作品だった。



⑤嘘が生まれた日


あらすじ

嘘という概念がない世界で…


冒頭、新郎が主人公に「新婦と寝たのか?」と聞いた際、主人公は「いやいやいやいや」と言っている。

これは嘘なのでは?(誤魔化しはセーフ?)


本作は全体を通して嘘に対する定義が不明。


ハンバーガーのCMでは、「身体に悪いわね」とCMの出演者が言っていたが、高カロリーだから身体に悪いわけではない。これは嘘。

本当に嘘がCMとは、ハンバーガーの成分表を淡々でしかない。


また携帯電話の電波の繋がりにくさをポスターで前面に押し出していたが、物である以上褒めるところは何か一つはあるはず。嘘をつかずにいいところだけを前面に押し出せばいいはず。あれはあの携帯電話業者が携帯電話を売りたくなかっただけだと思う。


冒頭の友人スピーチの際も、「嘘のない世界をあらわす導入部」としては不適切。

数あるエピソードの中から一番揉めそうなエピソードを結婚式の場で披露することは、「嘘がつけない」と言えるのかもしれないが、無難なエピソードを選択することも「嘘をついていない」ことにはなる。(あの場面で分かることは、友人の人間性が最悪だと言うことのみ。)


いっそ「聞かれたことに対して全て本当のことを言ってしまう」ということにしておけば、後の物語の展開がうまくいった。(「聞かれたことに事実しか言えない」と「口に出す言葉は全て真実」は似ているようで違う。)


最後、感動を絡めたのも謎。


「事故物件」を世にも奇妙な物語として放送するあたり、世にも奇妙な物語の断末魔の叫びが聞こえる。

見てよかった度:☆

また見たい度 :☆

「箱」は良かった度:☆☆☆☆