2代目ONODAというPNで鉄拳を遊ばせてもらっている者です。格闘ゲームの鉄拳7について個人的に思ったことを書かせていただきます。
内容が相当長くなるため、閲覧して頂けるのであれば覚悟して読んでいただきたいと思います。

①7が出る前に思っていた鉄拳の読み合いの理屈について

鉄拳は基本的に遠距離〜中距離の読み合いに関しては[置き技・スカ確・2択]という3すくみが存在します。
この3すくみに関しては有名プロゲーマーでもあるノビさんが初心者講習会を開いて何度も説明されています、YouTubeで検索すれば直ぐ出てくると思います。

近距離に関しては.連携(セットプレイ)を駆使しながら相手がどう動くかで対応を変えないといけません。
例えばブライアンというキャラクターがいますが、このキャラにはチョッピングエルボー(4LP)という中段技がありますが、この技はガードで+4Fの有利な状況からブライアン側のターンで展開が始まります。
この技から相手が暴れるようであれば3RP派生やRK(ハイキック)などで牽制して相手を抑制出来ますが、この牽制技は基本的に相手の横移動に対してはガードにすらならずにスカる状況になってコンボ始動を叩きこまれる、つまりは反撃を貰う形になります。

次にその横移動に対して横移動を抑制出来る技がいくつかありますが、中でもホーミング技は相手の横移動に対して絶対的に喰らいつくので横移動には当たります、ですが技の発生の問題で相手の発生の早い暴れ技に負けやすいです。
暴れに対しては逆にこちらが横移動することで相手の暴れた技をスカして隙を晒したところにコンボ始動を入れることも可能。

相手が逆に動かないようで有れば2択(中段と下段)を仕掛けてガードを崩しにいくことが出来ますが、技によっては横移動に弱かったり発生が遅かったり、下段に関してはジャンプステータスの技に合わせられると当たらないので中段で固めたりなどという感じです。


相手がどう行動するのか、暴れて強引に自分のターンに切り替えようとするのか、この技は横移動に強い又は弱いのか、発生が早い又は遅い、2択をかけたいが相手が暴れそうだから様子見をしよう、などと言った感じで鉄拳という格ゲーは無敵技やスーパーアーマーのような技が存在しなかったために、連携を組み立て相手の行動に合わせてどうやって組み立て方を変えていくかを考えて削り合いをするゲームでした。結構殺伐としてる対戦ゲームだったと思います。
これが7になってどうなったかをこれから書きたいと思います。



②7になって加わった新要素

⑴パワークラッシュ
・要するに相手の上段又は中段を受けながらも強引に技の判定が出るまでヒットストップが起こりながらも攻撃判定を出せる技です。
無敵とは言わずともスーパーアーマーのような技です。
しかし下段に関しては意味をなさず、攻撃判定が出る前に下段を貰うとアーマー効果がなくなり強制でカウンターヒットになります。
投げを通されると同様にアーマー効果が無くなります。

⑵レイジアーツ
・体力が一定値まで減少すると体力部分が赤く光って、ダメージ補正が緩くなり与えるダメージが上昇する仕様があります。
このレイジの効果を消して特定のコマンド入力で上段中段下段投げに対してアーマー効果を発揮して一定のダメージを出せる技が追加されました。ストVのCAと同じ雰囲気です。
この二つのアーマー技が投入されてどうなったか↓

⑶読み合いがより複雑になってゲームの難易度が上がった
・展開を作るにおいても上段中段下段というのは非常に大事ですが、パワークラッシュが導入されて上段中段で展開を作るにも無視されてしまうことが多くなったので、触りに行くにもリスクが増したことにより自分のターンにするにも出来ないことがある。
多分これが鉄拳7においてのストレスの原因の一つになると思う。

・レイジアーツの存在で逆転されるケースが多すぎる、レイジでダメージが上がってる上に、コンボの締めにも組み込めるため相手の体力を5割以上奪えるケースは珍しく無い。
これによって一回の事故で格上の相手に勝ててしまうケースが増えている。

という感じで、3D格闘ゲームの楽しい要素にに2D格闘ゲームの仕様に近いものを組み込んだおかげで3Dと2Dどちらの考え方も大事になったおかげで考え方がとても複雑になってしまった。


③FRになってレイジドライブ投入
・発動条件はレイジアーツ同様レイジを消費して特定のコマンドで使える技、一部の技のモーションをより強力にしたような技。ちなみにドライブ自体にアーマーは無い。
これをコンボに組み込むと場合によってはレイジアーツ以上にダメージを出せたり、単発で状況打開出来たり、見えない下段コンボだったりなどなど使い方やキャラなどで性能が変わる技でもあります。
これはまあ面白い仕様だけどやっぱりダメージが高すぎるのが個人的にはいかがなものかと思います…。


④バウンド廃止→スクリュー(きりもみ)やられについて
TAG2までにあった空中時、地面に叩きつけられながらも再度技が空中ヒットする仕様があり基本的にこのバウンドを駆使してコンボが成り立っていた。
この技の問題点は空中コンボでバウンドを消費しないで壁まで運んで壁に張り付いたところにバウンド技を挟んで壁コンボ、という流れでかなりダメージが出ていた。
初心者からしても拾える技が限られて慣れないうちはコンボを落とすことが多く難しかったらしいのでスクリューという仕様に変更して相手を押し込みながらも空中拾いの猶予時間を増やしてコンボを簡単にしている。
しかしこのスクリューという仕様はとんでもない結果を生んでしまった。その理由↓

⑴ステージの広さに対して圧倒的に運び過ぎている。
・鉄拳において壁際という状況は追い詰めた側からすればダメージを狙える技が増えるのでダメージを取るチャンスになる、相手からすればダメージを取れるリスクが高まるので脱出優先で行動しないといけないケースが多くなる。
ところが鉄拳7はステージ自体の広さはそこまで変わらず?もしくは狭くなってるにも関わらずスクリューの仕様が相手を前方に押しやりながらも空中拾いが出来る仕様なの全キャラの運び性能が大幅に上がってしまい壁まで追いやられる状況が非常に多くなってしまった。
これによって格上相手にもプレッシャーを掛けやすい状況を生み出してしまっている。

⑵多彩な技が入ることによりコンボダメージが上昇
・バウンドの時には入らなかった技が入ってしまうようになったため全体的にダメージの高い技が入りやすい上に運べるためぶっちゃけるとバウンドの時と火力の差をそんなに感じない、てかほぼ同じ。



⑤体力が落ちているにも関わらず全体的な技のリターンが大幅強化
・TAG2までの体力は全キャラ180だったが、7からは170に変更されている。
にも関わらず今作のコンボの補正の関係上高い技を刻むたびにダメージが高い仕様です。

なのでポールのようなキャラの46LPや富嶽(フガク)という技が当たると崩拳が確定しますがこの時のダメージ量はえげつないものです。
こういった技がキッカケで負けに繋がることも珍しい話ではありません。本当に減り過ぎなんです。


⑥FR、家庭用発売で豪鬼とギース参戦
・豪鬼とギースという2Dキャラが参戦したことは衝撃を受けました。が、共に炎上を呼び起こしたキャラにもなりました。

⑴何故かEXゲージがある
・2Dに存在してるセービングキャンセルなどが出来てしまうため波動拳からとてつもなく火力を出せたり、キャンセルを駆使して壁強を取るまでに5〜6割減らしてから壁コンという恐ろしいことが出来てしまう仕様を採用しているということです。
客寄せと言えど鉄拳キャラで出来ないことがこの2キャラでは出来てしまう…という圧倒的な差別化を採用しています。
デッドオアアライブでは不知火舞が参戦していますが、こちらのゲームではしっかり自社で作ったシステムに合わせてキャラ作りがされていますが、鉄拳7はこの2キャラだけゲージ持ちという意味不明な仕様になっています。
本当に訳わからない…😰
おまけにTWTでも2Dキャラで優勝したりなど操るプレイヤーが強いのは勿論ですが、鉄拳キャラどーした?…


⑧バランス調整がもはやバランス崩壊調整にしかなっていない
・とにかくキャラの格差が酷い、ウォールバウンドも含めてどんどん火力を上げる調整しかしてない
下段コンボ始動で減るキャラの格差もえげつない。
逆転できる場面を作りたいという開発の意思なのかどうかはわからないけども、ただ火力だけを強化しているイメージ。筆者は今の鉄拳が昔のアホ格ゲーみたいしか思えなくなっています。
①で書いた鉄拳の読み合いの楽しさは何処にいってしまったのでしょう…



⑨今作最悪の問題児、リロイ・スミスが配信
・詠春拳を使う新キャラが登場(ワンジンレイみたいな感じが強いが)、あらゆる上段中段を捌き、下段を自動で捌く構えもある。
問題はキャラパワー、豪鬼やギースが強すぎると叩かれた影響がいよいよ開発陣営がブチギレたのか、本気を出して強キャラを作り出してしまったようだ。
優秀な捌きを持っているにも関わらず、フレーム強い(展開が強い)、2択が強い、スカ確強い、置き技が強い。それに加えてコンボ火力もえげつないというとんでもないキャラを爆誕させてしまった。
これによってEVO JAPANで決勝リーグに進んだ8名の内6名がリロイ・スミスという事態を生んでしまう。もはやリロイ JAPANと呼ばれたのは言うまでも無い。
鉄拳7を遊んだこと無いという人までもが、『鉄拳7やばくね?w ほとんど同じキャラしかいないじゃんw そんなに強いキャラってこと?』と鉄拳7を遊んだことない人ですらそんな書き込みや発言をしてしまうのを筆者はTwitterで発見してしまった。
言い方は悪いけど鉄拳を知らない素人にすら異様な空気を察知されてしまうほどのゲームを作ってしまっている現状になっている。

現在は二回修正が行われて前ほどの強すぎるキャラでは無いがやっぱり強キャラな事に変わりは無い。
このキャラの影響で鉄拳7から離れてしまったユーザーも多いと聞くどころか、他の格ゲーに流れてしまったという話をよく聞く。


そろそろ筆者が思うことをまとめます


まとめ
現状の鉄拳7でもリロイの調整がまだ入ることは目に見えていると思うが、例えリロイが落ち着いたとしても豪鬼やギース含めて強キャラはまだ沢山いる。
鉄拳7のタイトルが出てもう5年以上経つけど未だにアプデを繰り返されており、未だにキャラの格差は落ち着かない。
格ゲーのバランス調整が難しいのは有名だが、調整内容を見ていると明らかにバランスを崩壊させるために調整してるようにしか思えない。
リロイだけでなく問題が多いキャラは沢山いる、鉄拳7だけでなく鉄拳シリーズを続けてもらうためにはこう言ったバランスを開発する側も理解して噛み締めていくべきではないかと感じてしまう、それほど格闘ゲームとしては酷い作品になってきていると筆者は感じます。

新規勢を獲得するために火力を上げて格上に勝てるチャンスを作る格ゲーなんて誰が望んだのでしょうか?
他の格ゲーを遊んでるユーザーでも頭の良い人は鉄拳のシステムと現状とバランス調整を見れば遊ぶ人なんていないと思います。

開発陣はゲームを作るのが本当に大変だとは思いますが、考えかたを根本的に変えないと鉄拳シリーズ継続は今後怪しいでしょう。

今作、また次回作で終わらないことを願います。

僕は鉄拳が大好きです、続いてほしいです。