たった2人の兄弟だ。だから仲良くしたいと思うのに、なんぜこうもうまくいかないのだろうか。
「アンタって頑固だよな」
そういうと、バージルは閻魔刀に手をかける。いつものことだ。
「そういうところ」
バージルは何も言わない。本を夢中になって読んでいるだけだ。
たまには―・・・
「たまには俺に付き合ってくれよ、バージル」
「・・・・・貴様に付き合うと頭が悪くなる」
悪態をついたバージルは、それ以上なにも言わなかった。
「ちぇっ」
ピザを一枚とって、ダンテはそれを口にする。
そのときだった。
「ダンテ」
「っぁ―?」
バージルが久しぶりに自分の名前を呼んだので、思わずピザがのどに詰まる。
あわててトマトジュースを飲んだ。
「な、なんだよ。びっくりするだろ。」
「なぜだ。」
「俺の―・・・名前を呼ぶからさ」
「フン、何を・・・・。兄が弟の名前を呼んでびっくりするとは、貴様も愚かだな。」
その言葉に、ダンテは少し目を丸くした。
なんだ・・・少しはそう思ってくれてるのか―
「っはは、やっぱアンタ最高だな、バージル」
「何をふざけている」
「秘密」
もう一枚ピザを手にとって、ダンテは満面の笑みでそれを食べほした。
