(お前は、愛想がなくてつまらない。)
そう吐き捨てられて、私は家を出された。
けど、いつか捨てられるって思ってたし、
そのくらいの覚悟は自分の中で出来ていた。
小さい時から、私には家なんてものがなくて
親なんてものも分からない。愛情なんて貰ったこともない。
いっそのこと、この橋から飛び降りたら、
私の心は変化が生まれる?
私は少しの希望を持って、橋の上に足をかけた。
愛佳:うわ…高いなぁ。
でも、ここから飛び降りれば。
私は覚悟を決めて目を閉じた。
??:ねぇ、何やってるの?
後ろから声がして、軽く振り返ると、
茶髪で顔の整っている人が立っていた。
愛佳:…何か?
??:うち、来ない?
そう言うと、その人は手を差し伸べてきた。
もちろん、手を取るつもりなんてなかったけど、
今まで向けられたことのない優しい目をしていたから、手を取ってしまった。
??:素直だね、
優しく微笑まれた顔を見つめながら、
その人の手を掴んで、下に降りると、
こっちを向いて話しかけてきた。
??:あなたの名前は?
愛佳:…愛佳。
??:いい名前だね、私は理佐っていうの。
愛佳:そうなんだ、
理佐:理佐って呼んで?
愛佳:理佐。
そう呼ぶと、嬉しそうにニコッとした。
その顔を見た瞬間、胸の奥がドキッとした。
感じたことのない感情。これは何なんだろう。
理佐:じゃあ、行こっか。
そう手を差し伸べられたから、
私はその手をゆっくりと掴んで
愛佳:うん。
そう返事をして、私は理佐の後ろをついていった。