ファーストトレーディング
グランド・ホテル

 ホテルはいわば人生の縮図。ベルリンのグランド・ホテルのとある1日。


 機業界の大立物プレイジンクは自己の事業が危機に瀕したので他の会社との合同を企てていた。

 エキゾチックな踊り子として艶名を謳われたグルシンスカヤは昨日の人気も失せ、明日にも自殺を決行せん許り全く気力を失っていた。

 フォン・ガイゲルン男爵は賭博に浮き身をやつしてた挙げ句、多大の借財を負って盗賊団に身を投じていた。彼はグルシンスカヤの宝石を盗み出して債務を逃れんとしていた。

 これに加わる新しい登場人物が女速記者のフレムヘン、すこぶる性的魅力のある女で最近プレイジンクに雇われたのである。

 プレイジンクの会社の帳簿係をしていたクリンゲラインは健康を害して自暴自棄になり、せめてこの世の名残にもと、へそくり金でグランド・ホテルに投宿して豪勢なる雰囲気に浸っていた…。


 人気俳優達による夢の競演。グランド・ホテルを舞台に境遇の異なる数名の客が織りなす人間模様を見事に描きだした。映画史に残る作品である。