「集中力をつけさせたい」
「才能を伸ばしてあげたい」
空手に通わせている多くの保護者が、自然に抱く願いだと思います。
私自身も、指導者として日々その思いに向き合っています。
ただ、ここで一つだけ大切なことがあります。
集中力は、命令や訓練で無理に作るものではありません。
心が動いた結果として、自然に育つものです。
脳の発達から見る「集中力の正体」
・安心感(ここにいて大丈夫だと思えること)
・自己肯定感(自分はダメじゃないと思えていること)
・自己効力感(やればできるかもしれないという感覚)
これらはすべて、人との関係性の中で育つものです。
特に重要なのが、
気持ちのこもった会話、心から気持ちが伝わるやり取り。
早期教育で知識や技術を詰め込むことよりも、
「楽しい」「わかってもらえた」「受け止めてもらえた」
こうした経験の積み重ねの方が、脳の成長には理にかなっています。
なぜなら、安心しているときの脳は、考える・集中する・我慢する力を担う部分がよく働きます。
一方で、不安や恐怖を感じているときの脳は、危険を回避することを最優先にし、集中や思考にエネルギーを回せなくなるからです。
命令口調・否定的な言葉が起こすこと
保護者の心配や焦りから、つい出てしまう言葉があります。
「ちゃんとやりなさい」
「何回言ったらわかるの」
「だからダメなんだ」
「もっと集中しなさい」
これらに悪意はありません。
むしろ「伸ばしてあげたい」という愛情があるからこそ、出てしまう言葉です。
しかし、脳の仕組みとして見ると、こうした言葉は子どもの脳を
“戦うか・逃げるか”の防御モードにしてしまいます。
その結果、
・周りを気にして動けなくなる
・失敗を恐れて挑戦しなくなる
・言われないと動けなくなる
・集中が長く続かなくなる
といった状態が起こりやすくなります。
つまり、集中力がないのではなく、集中できない状態に追い込まれている場合が多いのです。
集中力が高まるのに必要なのは「気持ちではなく環境」
テーブルにおもちゃがあって、テレビからは見たいアニメの音声が聞こえてくる。
こんな状態で集中しろ!というよりも、静かで余計なものの無い環境を用意してあげる方が集中出来ます。
ちゃんとして欲しい気持ちはわかりますが、その欲を押し付ける行為は集中の邪魔しているだけです。
その子の気持ちを尊重すること
・気持ちを受け取ってもらえること
・評価ではなく理解されること
・結果より過程を見てもらえること
これらを日々積み重ねていくこと。
そうすることで自己肯定感と自己効力感が育ち、
集中力の種は育ちやがて芽が出ます。
この道場で大切にしていること
私たちの道場では、
・技術よりも、まず気持ちを見る
・「できた・できない」より「どう感じたか」を聞く
・命令より問いかけを増やす
・急がせず、考える時間を待つ
こうした関わりを大切にしています。
集中力は教えるものではなく、育つものだと知っているからです。