2022年、7月。
娘といつものように添い寝して眠る夜、
甘えるようにくっついてきた娘が、久しぶりに右胸に頬を押し当てた時に

「ゴリッ」

今までにない感覚にハッとする。
なんだ、今のは。

元から乳腺症になりやすいと、9年前に大学病院で見て貰った際に診断を受け、その時も右胸。
それは内側で、3ヶ月に1度通院をして経過観察で良性の診断を受け落ち着いた経緯があった。
その後めでたく娘を授かったものの、
やはり心配で来院したら授乳中だったせいもあり診断が難しいので、卒乳後に来てください言われ、落ち着いた頃に行ったがサイズに変更はなく、乳管が固くなったものという検査結果のまま、事なきを得たのでした。

それから6年半の今、もう1箇所外側にも何かあるねと当時言われた場所が、大きくなっていることを知る。
生理前に乳腺が腫れる事はいつものこと。
でも、今回に限っては生理後1週間も経っていないうちのしこり。
お風呂場で改めて触れてみて、はっきりと確認できたので、まあ大丈夫だと思うけれど……軽い気持ちで、数年前に近くにできた乳腺専門クリニックを受診することになりました。


7/26、マンモグラフィと超音波検査を受けることに。
やはり右胸外側の、自分で発見した部分。
結果、先生からガンの疑いがあるという診断結果に。

「えっ?」

頭が真っ白とはこのこと。
検査結果が映し出されたモニターには、はっきりと何かが。
先生がじっと見ながら、これは……と1拍置いた後にこちらに向き直り、もう一度ガンの疑いがありますとゆっくりした口調で話した。

「まずは乳房内の他に転移がないか確認をしてから、針生検を行いましょう」

造影剤MRIを、8/1に別の病院で受けてきてくださいと予約を取ることに。主人に伝えたところ、きっと前と同じ結果だよと言われて、私もそうだといいなと思いながらも、帰り道は地に足が付い着いていないような、ふわふわした状態で、なんとも言えない不思議な感覚でした。

(あぁ、帰らなくちゃ)
(娘は習い事無事帰宅やってるかな)
(晩御飯どうしようかな)

必死に普段通りの生活に戻ろう、考えても仕方ないと思考を戻す。
夏休みに入って、子どもと過ごす時間が増えた頃だったので、
それでも頭をよぎるのは、この先のこと。
娘は来月7歳になる。
思い出をたくさん作ろうねと夏休みの計画を色々立てたばかり。



8/1
真夏の日差しが厳しい猛暑の日、電車に乗り検査専門の病院へ。
過去の経歴も聞かれ話したあと、造影剤の副作用の説明と同意書に記入し、金属が発熱すると聞いて浮腫んだ指から何とか結婚指輪を外す。
個室ルームで検査着に着替えてから、すぐ案内される。

造影剤の注射の針が太く、痛くて思わず声を上げてしまう。
動かないでください、と言われてうつ伏せにMRIへ。
顔と胸がドーナツ状にくり抜かれた場所にはめ込むように入り、人生2度目のMRIを経験。ヘッドフォン意味ないレベルの騒音と、動けない恐怖の中約50分かけて検査開始。

やっと終わったと思ったら、身体の痒みに襲われる。副作用か。
汗の乾いていない元の服に着替えて、フラフラと、
でも帰らなくちゃ我が家にと、気を取り直して向かう。
その日から下痢が始まり、不安を抱えたまま翌週の検査結果を待つことになったのでした。