逃げ場がない。作るしかない。
術がない。
勇気がない。泣くしかできない。
声がない。
戻りたい。帰るしかない。
道はない。
意志はあるのになんでだろう?
努力すればなんでもできる。そうだろう?
幼い心に植えられた
嘘の種が芽吹くまで
君が真実(まこと)と信じよう。
(「ない。嘘。」)
死の向こうには、何があるの?
悲しみ 悦び 狂おしいほどに
怒り 笑い 猛(けたたま)しく
苦しい 楽しい 気が遠くなり
未知なる世界 造られた楽園
あまりにも都合の良い 秘められた世界
凍えた月が迎えにくるの?
飛び散る薔薇の花弁
背に無き翼で首輪に従い
蝕む毒気に身を委ね
腐った臭いに飲み込まれ
冷たい宝石の中
獄炎の釜
秘められた世界
白い陶器は砕け散る。
(「天獄」)
飛び散る滴は誰も知らない真実
紡がれた歴史 消えた過去に滲む
陰での容 表の無色
僅かな光 掴まれ 砕け
きっと帰ってくる そう信じ
時間は凍えて
見下していた月は何もしてくれなかった
そう想った私は無情な箱をみつめ
握った拳はあまりにも無力でひ弱な赤子の手
不条理な武器 それすら刃を向き
飛び散る滴は誰も知らない真実
作られた歴史 続く未来
無情な音 真実が消える 消える一つ
無限の一つ
一つの中の無限 添えられた滴
語り継がれる歴史 静かに過ぎた日々
階段を上がるように
できあがった未来は、晴れていただろうか
(「未来史」)
電車が閉まる 隔絶された世界
見ず知らずの人々 共有する時間
鳴らない携帯電話
苦しい想いは今だけだ
明日を焦る、、、
息苦しさをおさえながら、、、、
貴方は本を見つめてる 視界の端に私がいるのに
貴方は気付かず見つめてる
それなら私も見つめよう
本を見つめる貴方を
淡い想いが掻き乱す
少しくらいなら、バレないよね?
(「恋い、煩い」)