ますっぐに手を伸ばすことが出来ますか?
真っすぐにばちを伸ばすことが出来ますか?
凄く簡単なことに思えるかも知れませんが、
これは凄く難しいことなんです。
舞台の上で、『美しくあること』。
人は見たいものを見る。美しいものを見たい。
自分の目にはっきり見えるもの。
安心感のあるものほど、『美しく映る』のです。
ですから、直線と、曲線をより明確に見せる事が、
美しく見せることの方法の一つであると考えられます。
ここでは、直線について、見てみましょう。
打楽器を演奏する上で、直線は非常に重要です。
打面に対し、直角に、真っすぐばちを当てること。
これが基本になります。
視覚的にも、聴覚的にもそれは大切な動きになります。
そのためには、真っすぐに腕を挙げる事が必要になってきますが、
人体の創りは、真っすぐではなく、
骨の曲線、間接、さらに筋肉の曲線があり、
自分で真っすぐ挙げている様でも、実際は腕は真っすぐ挙っていないんです。
さらに、骨格や筋肉には大きな個人差があり、
O脚だったり、X脚だったり、と言うようなものが腕にもあります。
離れている為に気付かないんですね。
ばちを持ってしまうと、これはますます顕著に現れてきます。
少しの狂いが大きなものになってしまうんですね。
これでは、Yの字やハの字に見えるだけでなく、
力の方向が変わってしまい、せっかくの力をロスしてしまうのです。
これを修正する為には、
鏡の前で、ばちを持ち、腕を挙げ、毎日毎日確認する。
それが出来るようになったら、
振り上げから、一瞬にして、真っすぐの位置に持っていく練習。
これも鏡の前で確認します。
この筋肉の配置でこの力の入れ方をすると、自分の腕は真っすぐ伸びる。
という場所を徹底的に記憶するんです。
無意識にこれが出来るようになるまで、毎日毎日重ねます。
もう一点。
舞台を見る観客は、舞台を平面、2次元で捉えているという事を利用した、
手の挙げ方も在ります。
腕の角度は、肩から45度くらいの角度までしか挙げません。
ばちの角度は、地面と垂直。
もちろん横から見たら、真っすぐでも何でもありません。
ですが、正面から見たら、真っすぐになっているんです。
もちろん、腕が短く見えますが。
この方法の利点は、
腕を挙げられないような早いリズムの時でも、腕を伸ばしているように見せれること。
ただし、1瞬だけ、なおかつ、力を入れてばちの頂点で止めることが大切です。
これも鏡練習あるのみです。
このばちのあげ方は、楽なうえ、綺麗に見えるために、
多用しがちになってしまうので、これは要注意です。
楽で綺麗なだけに、多用すると気合が抜けて見えます。
これは、演奏にあってはならないことです。
しかし、この方法と、思いっきりピンと伸ばす方法を、
バランスよく使えるようになれば、
双方が際立ち、非常に効果的な演出が出来ます。
人は見たいものをみる。
それに対して、見せたいものを際立たせる。
それが一致すると、
最高の形になり、音になるのかも知れません。
和太鼓教室おんがくの森代表・坂本新吾
メール ongakunomori1978@gmail.com
電話 08033760407