今回はシス男女間差別について考えていく。
今回の対象はシス男女間についての議論が中心となるから、「それは、トランスジェンダーに対する考慮が足りていない」という反論は先に否定しておきたい。
トランスジェンダー差別に関しては次回取り扱うこととしたい。
世の中には様々な差別があるが、日本で一番身近に感じるのはこの男女間差別、とりわけ、女性に対する差別ではないだろうか。
実際、僕も女性が不当な扱いを受けているのを目にすることがある。
それらは女性に対して不利益なものであるから、本来はなくすべきものであろう。
では、その具体例について考えていきたい。
僕が考える上でこれはひどいと思った事案が、医学部入試における女性差別である。
医学部入試において女性が(正当な理由なく女性というだけで)減点されたという事案である。
これはその人の属性をもとに不当な評価をしているのだから、明らかな差別であり、不利益も生じているため批判されるべき事案である。
このような差別が生じた背景としてその先のキャリアである医者の勤務体系が考えられる。
医者は長時間のオペや深夜の緊急外来などといった特殊な勤務体系を強いられている場合が多い。
そんななかで女性の医者が産休・育休で現場から離れた場合、その分のしわ寄せは全て同僚の医者に押し付けることとなり、あっという間に過労死ラインを越えてしまうことになる。
こういったことがあるため、医学部入試において女性差別を軸に批判しても、筋違いとなってしまう。
まずは医師の労働環境を整備するところから始めなくてはならない。
医師に限らず、女性の産休・育休に伴う現場の離脱を見越して昇給・昇進を控えるケースなども一般企業で散見されるが、これは評価として適切ではない。
やはり個人を属性で判断して不当な扱いをすることは適切でない。
そういった”傾向”はつけるにしても、その属性カテゴリーの対象の人全員がノーチャンスなのはいただけない。
やはり、機会均等だけは最低限確保すべきではないかと考えられる。
というのも、実際、あまり昇進などを望んでいない女性も一定数いるのも事実であるから、極端な方向に義務化するのではなく、機会均等や権利などを徹底し、選択権を与えるべきで、その選択に対しても、一切の差別をしないというのがあるべき姿ではないかと思う。
もう一つ確認しよう。
これはまた別視点の話であるが、痴漢被害についてだ。
ここでは、とりわけ電車内の女性が受ける痴漢被害について取り上げる。
前提として、(当たり前だが)痴漢は加害者が一番悪い。
だが、一方で冤罪被害なども発生していることも事実で、そういった被害の解決構造にも問題があると考えられそうである。
さて、この痴漢被害の防犯対策として女性専用車両というものがある。
鉄道会社によって詳細は様々であるが、通勤の時間帯では男性は立ち入れない車両が存在している。
このときの女性専用車両の設置理由は紛れもなく痴漢被害防止であるが、ここにひとつの差別構造が入っている。
その中には「男性は痴漢する」という一つの差別要素がある。
しかしながらこの差別は解消しなくてもよいと考えられる。
いま、防犯する権利と差別されない権利がぶつかっているわけだが、そこから生じる被害の内容、量などを鑑みるに防犯する権利の方が優位である。
一方で、「男性は痴漢する」という社会規範のせいで痴漢の冤罪被害が生じていることも事実である。
これに対する対策として男性専用車両を設置するという案もあり、一見公平に見えるが、実際の痴漢被害の数と冤罪被害の数が異なるため、被害の規模が小さく、防犯するまでには至らないというのが現状である。
そもそも、「男性は痴漢する」という社会規範よりも、「女性は痴漢される」という社会規範をなくした方が、全体の被害は少なくて済むはずである。
この防犯する権利に関しては、公共のトイレにも同じようなことが言えるが、少しトランスジェンダーの問題が関わってくるので、また次回取り上げることとする。
