ワタユタケ
「TWIN GUITAR 3~cosmic balloon~」アルバムレビュー

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 発売からなんと5ヶ月(クラファン版
からだと7ヶ月)もかかって
やっと書き上がりました。

 マニアさを抑え、ファンでない人
にも読んでもらえればと思ったため
物語チックになってしまい、ちょっと
恥ずかしいような内容です。
 字数も元々の1/8未満に削った結果、
内容もスカスカになりましたが
それでも10000字弱なので長いです。
 今作はいつものAmazonではなく
ブログでの掲載です。

 これからの季節にぴったりな
「ワタユタケ」 の
「A Merry Christmas to you
feat.高橋洋子」
への応援の一助になれば幸いです。

それでは宜しければお付き合い下さい。

(1)Shells wander the universe
 Introは第1作
「ツインギター完全版」の
「Impression~月とペンギン~」
を思わせる、宇宙という海の中を漂う
ような神秘的なSEとSynthesizerで
始まります。
 shellは漆黒の宇宙(universe)
の中をひらひらと心許なく花びらが
舞うように流され彷徨う(wander)
一枚の貝殻。
 それは宇宙という絶対的に大きな存在
の中では弱々しく儚い存在に過ぎない
人間の事でもあります。
 複数形shellsは宇宙を漂う一人乗り
気球型小型宇宙挺cosmic balloon
の操縦席の主人公ワタユタケの二人
を指しているのでしょう。
 「TWIN GUITAR 3」の物語は
こうして始まります。
 Intro~A″メロまでは慣性航行
のまま、宇宙を当てもなく彷徨う
imageでしょうか。
 宇宙挺の進行音を示す矢萩さんの
main melodyと、その軌跡に続く
武沢さんの残響を伴う単音backingが
宇宙空間に投げられた石から水面に
広がる波の輪のように静かに響いて
広がっては消えていきます。 
 Bメロ(0:59~)。二人は何かに
気が付いたのでしょうか。
矢萩さんは途中から指→pick弾きに
変えて、2回glissandoを入れます。
glissandoはエンジン再点火の合図
です。
 サビC&C´メロ計4回(1:16~)。
何かに気付いた二人が、慣性航行を
止めてエンジンに点火し、能動的に
何かを探し求め始めるようなimage
に聴こえます。
 Twin Guitarのハモリ
→交互に各々のSoloの繰り返し
→ハモリとなっており、
二つの別々の貝殻=二隻の宇宙挺が、
最初は並走していたものが、
互いに抜きつ抜かれつ、
付きつ離れつしながら、
時に左右に分かれ、
時にお互いが交錯し、
最後は再び並走するような
宇宙航行の様子を表しているかの
ようです。
 その後、二隻はまた慣性航行に
戻ったのでしょう。
 A,A´, A″,B″メロの後、
終始感に欠ける余韻のあるSEで
終わります。
 「これから宇宙の冒険が始まる」
というimageであり、Albumの幕開け
として相応しい曲です。

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(2)15R(イチゴ―アール)
 Rとはアブナイ意味ではなく、
MotoGPのBike Raceのカーブの
半径(R)の事だそうです。
 F1  Racer中嶋悟さんが現役の頃、
sponsor EPSONのCM songを
若き日の矢萩さんが手掛けた
縁もあってか
全く異なる世界に生きる人々
の生き様に感銘を受け
そうした世界の光と影のようなもの
を表現しようとしたそうです。
 宇宙がthemeの物語で(2)が含まれた
のは、地球上の人々の営みの一つ
としてのRaceを表現したかったのか、
それとも(1)の能動的な宇宙空間の
探索・冒険を更に一歩進めた状況を
表現したかったのでしょうか。
 宇宙のDebrisや岩石等の中を
かき分けながら、
激突の危険を避けつつ
必死に操縦している、
(1)よりも更に
緊張感のあるスリリングな状況が
浮かびます。
 throttleのようなIntro~
Bメロ(2回目)は抜きつ抜かれつ、
まだ心理的な駆け引きをしつつの
Bike Chaseでしょうか。
 宇宙挺ならばまだ余裕をもって、
相方の様子も見ながら操縦桿を握り、
岩石を華麗に避けている状態かな。
 矢萩さんのLead Guitarが
華麗なhandlingを表しているか
のようです 。
 pick弾きしながらTremolo Arm
をholdしての激しいarmingです。
 Cメロ(1:15~)のmainは
武沢さんのcuttingで、
激しく互いに接触しながら、
Crash寸前のDead heatを
演じている状況を感じさせます。
 宇宙挺ならば大量の
岩石群を前に余裕も全くなくなり、
激突への緊張感がmaxになっている
状態でしょうか。
 その後、A&A´メロ(3回目)を挟み、
大きく印象が変わるDメロ(1,2回目)
&D´メロへ。
 これはRaceに臨む前のGarageでの
回想sceneでしょうか。生身の人間の
苦悩や葛藤が感じられます。
宇宙では出撃前の宇宙船dockでの
回想sceneになりそうです。
 mainは1回目Dメロ(1:53~)が
矢萩さん、2回目D&D´メロ
(2:07~,2:24~)が武沢さんです。
 つなぎ10小節分(2:39~)。
slowになっていたrhythmが少しずつ
元の8 beatsに戻っていきます。
 回想を終えて、苦悩や葛藤を振り
払い、Adrenalinが徐々に増えて、
死の危険もあるRace Course
(宇宙空間)へと再び出るための
スタンバイをしている状況が浮かび
ます。
 そして、Drumsのfill-in
(2:57~)から再びGo(発進)!
命懸けのDead heatは尚も続くのです。

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(3)ポラリス
 作詞のShizumaさんとはproducer業
などで活躍中の末崎正展さんの事です。
安全地帯の2010年武道館コンサートの
member紹介で、玉置浩二さんから
「とりあえず末ちゃん、
君がいなかったら俺はここにいない!
ありがとう~!!」と感謝の言葉を
送られていたあの方です。
 武沢さんのVocalは
「蛎崎弘+r-project」での未CD化曲
「Mysterious」、
ワタユタケの前作「ツインギター2」
Croudfunding版のおまけCD
「邪魔はさせない」で披露されて
いますが、一般流通音源としては
今作が初めてです。
 1,2,3回目A&A´メロの歌詞からは、
主人公が果てしない夢を求めて彷徨って
いる様が見て取れます。
 stroke奏法のGuitarと
ズンズンチャッツのDrumsが
実にカッコよく、
後の2番の歌詞で出てくる
「荒野」の中をmelodyを口遊みつつ
彷徨い歩く光景を連想させ、
雰囲気を盛り上げます。
 そして、夢を追う事で主人公が
払ってきた代償への思いが語られて
います。
 サビ(C,C´メロ)(1:14~)では
払ってきた代償が何であるのかが
語られます。
 そして夢を果たした後、
どうしたいのかも…。
その鍵を握るKeywordは「キミ」です。
 武沢さんの清涼感のある歌声と
疑似的Acoustic Guitar&Strings
とのharmonyが
矢萩さんのWAH pedal
&武沢さんのToneLab LE上での
TREBLE BOOSTやRING MODULATOR、
あるいはTREMORエフェクターによる
一定周期で変化する反響、残響音と交わり
壮大な宇宙の広がりを表現しています。
 2番&間奏の後はガラッと変わる
D,D´メロ(2:58~,3:11~)。
 Guitarが止んで神秘的な雰囲気
となり、武沢さんの綺麗なVocalが
響きます。
D´メロのFalsettoも美しいです。
 歌詞と演奏からは、主人公の意識が
現実を離れ、「キミ」のいる世界と
シンクロしたかのような印象を受け
ます。
 そこは実在の世界なのか、
 それとも…。
それでもその気持ちを抑え、
残してきた愛を想いながらも、
今は前に進まなければならないという
強い意志を表現しているのが
続く3番(3:24~)です。
 ポラリス(Polaris)とは北極星。
地球から見て殆ど動かないその星は、
主人公の歩みを見守ると共に、
主人公が進むべき道標でもあった
のでしょう。

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(4)アニーローリー
 原曲はAnnie Laurieという女性
を想う男性William Douglasの心情
が描かれたScotland民謡。
 二人は愛し合い将来を誓い合って
いましたが、親同士の対立のため
結ばれる事は許されませんでした。
 詩は残されたDouglasが
運命の悪戯に弄ばれ、引き裂かれても
彼女の事を忘れる事が出来ず、
苦しみながら、尚も想い続ける気持ち
を綴っています。
 この詞にJohn Douglas Scott
という女性がmelodyをつけて原曲が
出来上がりました。
 主人公も、(3)で決意を新たに
歩み始めたものの、ふと、かつての
叶わなかった別の女性(ひと)への
思慕の気持ちが蘇ったのでしょうか。
歩みを緩めて想いにふけります。
 1番main melodyは矢萩さん。
A,A´メロはpick弾きにchokingや
armingを絡めています。
 一方、サビ(C,C´メロ(0:43~))では
敢えて優しい指弾きに変えていたのが
興味深いです。
 2番mainは武沢さんの生ギター。
サビCメロ(2:06~)ではpickを持った
右親指・人差し指とは別に、
余った右中指・薬指などを使って、
一人ハモリで演奏しているように
聴こえます。
 C´メロ3小節目(2:28~2:30)では、
まるでFlamenco Guitarで人差し指と
中指の2本で弾くpicado奏法のような
細かい演奏を高速のpickingで聴かせて
くれます。
 3番mainは再び矢萩さん。
A´メロ(3:02~)でのmelodyが
破綻するかしないかのギリギリの範囲
でのアレンジは流石です。
 サビCメロ(3:16~)ではSlurで
滑らかに音を繋げて前倒しで開始。
1番サビと違ってpick弾きを選択。
1番での柔らかな演奏から
打って変わって、
強く艶やかにノビのある音で演奏し、
主人公の感情の高ぶりと心の叫びを
表現しています。
 LastのC″メロ(3:44~)。
矢萩さんがpitchを下げ、
音量も抑えた演奏を、
指弾きで柔らかく穏やかに奏でて
優しく終わります。

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(5)星の川
 Liner Notesの、矢萩さんが意図
した曲のimageを読んだファンの多く
は絶句し、涙を誘われました。
 作詞の松井五郎さんはその意図する所
を更に絞り込み、涙なしには語れない
世界観を示しました。
 それが矢萩さん作・編曲の切ない
melodyと一体となり、年輪を重ねた
ご本人が心を込めて歌う事で、
聴き手の心を揺さぶらずにはいられない
名曲が生まれました。
 現実の世界ともう一つの世界との狭間
で揺れ動く、愛しい人への切なすぎる
想いが詰まった傑作です。
 1番A,A´,Bメロ(~0:56)。
今はもう結ばれる筈もない人との
悪戯な出逢いへの想いが語られます。
 サビ(1,2回目Cメロ&C´メロ)では、
もうどうにも堪えきれない主人公の
胸の内が溢れ出しかけますが、
C´メロ後半では「星は~泣~いてる~」
と溢れ出しかけた感情を再び無理やり
封じ込めるかのように抑えて歌って
います。
 2番では1番よりも更に思いつめた
心情が綴られ、間奏の矢萩さんの
Guitar Soloに繋がります。
 転調して大きく印象を変える
D,Eメロ(3:25~,3:39~)は
極めて重要な部分です。
 これまで溢れ出しそうな感情を
どうにか封じ込め続けてきた主人公の
想いがとうとう抑えきれなくなります。
 さみしさ、切なさ、愛おしさは
極限に達し、もう一つの「別の国」
との境にある、あの川の桟橋にまで
主人公の意識は飛んでいきます。
 そして「桟橋」で、もう「別の国」
に行って「君」と結ばれたい気持ちと
現実の世界に残らなければならない
気持ちとの狭間で揺れ動くのです。
 武沢さんのdelay飛ばしのarpeggio
&繊細なcuttingが、切迫した焦燥感
を伴って、激しく葛藤している
主人公の心を表しています。
 3番Cメロ1回目(3:55~)。
静寂の中、哀しい歌声が響きます。
 主人公の心は桟橋から現実に
引き戻され、自分はまだ現実の世界に
生きている事、そしてこれからも
「なにか」のためにこの世界で
生き続けなければならない事
を悟ります。
 それでも、天の川の織姫と彦星なら
年に1度は会えるのに、
自分はそれすら叶わず、
「どうして」「どうすれば」と、
また切なさとさみしさが募ります。
 それでもLastの3番C″メロの
(4:29~4:30)では無音の中、
肉声に近い声で、耳元で悲しく
囁くように
「星は、泣~いてる」
と最後にやはり全てを封じ込めて
ぐっと耐え忍ぶのです…。
 「見つめれば今夜も泣いている星」
はこらえても心の中で泣き続けている
自分の姿が投影されたものなのでしょうか…。
それとも自分と同じように泣いている
「別の国」の「君」なのでしょうか…。
 

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(6)ダニーボーイ
 原曲melodyは「Londonderryの歌」
というIreland民謡。
「Danny Boy」はこれに歌詞が
付けられたものの一つで、
例えその身が滅び、
お墓の下で眠っていても、
戦地に赴いた息子の無事の帰還だけを
願い待ち続ける親の愛を歌っています。
原曲は穏やかで優しい癒しの曲調です。
 対する(6)は、むしろ「Danny Boy」
を元に作られたという
「You Raise Me Up」の歌詞と、
Celtic Woman(Irelandの女性
Group)のcover版の演奏(特に大サビ)
のimageがふんだんに取り入れられた
苦悩から立ち上がり前に進んでいく姿
を思わせる演奏です。
 Intro~1番main melodyは
武沢さん。A,A´メロはその透明感のある
瑞々しいTurnerの音色が、矢萩さんの
obbligato&Piano(Keyboards)の
音色と溶け合い、静けさの中での
凛とした空気の存在を感じさせます。
 そんな中、(5)で苦悩、悲嘆して
見つめていた「星」が浮かぶ夜空が
少しずつ白み始め、
主人公はうつむいていた顔を
再び少しずつ上げ、
視線の先の地平線の彼方を見つめ、
自らに語りかけているのでしょうか。
 サビB,B´メロ(1:02~)。
Turnerが、泉から湧水が勢いよく
噴き出すかのような、流麗な独特の
歪みのある高音域のmelodyを奏で、
Bass Guitar、Drums、Synthesizer
等が加わり、雰囲気が一変します。
 壮大な空間の広がりと重厚な力強さ
とが感じられ、
「You Raise Me Up」
のimageに通じる、
苦悩から立ち上がり
前に進もうとする強い意志
を感じさせる演奏です。
 2番mainは矢萩さん。A,A´メロでは
指弾きで、まるでSaxophone のような
甘くmelodiousな艶やかな音色で演奏
しています。
 1番で立ち上がった主人公に、
傍にいる誰かが
「大丈夫かい?さぁ行こうか?」
と手を差し伸べ、
優しく囁きかけているかのようです。
 一方、冒頭からDrums、
Bass Guitar、Synthesizerが入る
事で、1番よりも重厚な演奏となり、
主人公の気持ちが過去や「別の国」
ではなく、現実世界や未来へ
向かい始めている事を感じさせます。
 2番サビB, B″メロ(2:19~)。
矢萩さんはpick弾きに変更し、
武沢さんとはまた違う、艶やかでノビの
ある高音域の音色が響きわたります。
 間奏(2:51~)。矢萩さんがB″メロ
からの流れのままカッコいい
Guitar Soloを奏で、曲のClimax
を迎えます。
 過去や「別の国」から、現実世界や
未来へ視線を向け始めていた主人公の
心はここで完全に解き放たれ、
二本の足で大地を踏みしめ立ち上がり、
愛しい人への想いを抱きつつも、
今この世界で成すべきこと、
守るべきもののために決意も新たに
歩み出していくのです。
 Ending(3:11~)。武沢さんの
TurnerとUilleann Pipesの
Unisonが優しく流れます。
 主人公は完全に立ち直った後に
今一度後ろを振り返り、
結ばれる事のなかった愛しい人に、
心の中できっとこう述べるのです。
「今まで支えてくれて有難う。
 僕はもう大丈夫。
 だからもう心配しないで
 (どうか安らかに)」と。
7小節目からBass Guitarも優しく
音を重ね、Ritardando Endingで
曲が終わります。

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(7)恋と、ミツバチ
 前向きな歌詞とFolk Guitarが
印象的な爽やかな応援歌です。
 元々はご自身が歌うために作っていた
曲ではなかったため、
泣けるようなmelodyが好きな
武沢さんとしては珍しい曲調ですが、
その清涼感のある歌声とmatchしていて
全く違和感はありません
 作詞はShizumaさん。
多くの成功を納めてきた方ですが、
このAlbumのproduceには色々なご苦労
がありました。
 2018.7/15羽田Liveが終わった後
「ファンの皆様への想いは、
恋と、ミツバチという詩に込めさせて
頂きました」と述べられましたが、
ファンに対するmessageであると
同時に、自らを鼓舞するための言葉
でもあったことでしょう。
自らのAlbum「Landscape」の1曲
「Scotland Mind」にも通じる
強い意志が、より柔らかな言葉に
置き換えられて表現されていると
思います。
 武沢さんはIntro、サビ、間奏
はTurner、その他はFolk Guitar
がmainです。
 1番A,A´,Bメロ(~0:58)。
(6)で悲しみの過去を振り払い
歩み出した主人公。
 今を支えてくれる「キミ」との
暮らしはまずまず順調なようです。
 Bメロ(0:41~)は少しだけ照れくさく
なるような歌詞ですね。
 しかし、還暦ながらそれが全く違和感
なく爽やかに聴こえてしまうのが、
武沢さんの歌唱の恐ろしい所です(笑)。
 サビ(C,C´,C,C″メロ)。
1,2,3番ともサビでは一貫して、
「キミ」がこれから進む道を後押しし、
どんな事があっても一緒に乗り越えて
いこうと手を差し伸べる気持ちが
描かれています。
 1,3番C´メロ(1:10~,4:07~)の
「未来は誰にも約束できない
~けど羽ばたこう」の部分は、
この曲のmain themeと言える象徴的な
歌詞です。
 道に迷っても行動しよう。
疲れた時には立ち止まってもいいから。
そんな時にこそ、身近な所に幸せがある
ことに気付くはずだよと述べています。
 それは自分自身が生きている事や、
二人でいられる事の有り難さ。
2番C´メロ(2:38~)にあるように
「誰かのために頑張ることは
生きていくこと」なのです。
 これらのmassageは「キミ」に対して
だけでなく、自らに対しての言葉でも
あるのです。 

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(8)グリーンスリーヴス
 Greensleevesとは美しい女性の名前
です。(4)と何処か似た歌詞ですが、
(8)は男性側の片想いのようです。
ネットでは二人の身分の差や女性側の
性的な卑猥さを連想させるというような
説明もあり、melodyの美しさの割に
何となくすっきりしない内容の歌詞
です。
 (3)~(7)で物語の連続性が
感じられた後に、何故このような
歌詞の(8)を持ってきたのか?。
 恐らく歌詞の内容ではなく、
各曲のmelody lineやアレンジ上の
繋がりを重視したためと推測します。
 あくまで演奏だけから受けた(8)の
印象としては、原曲の歌詞には全く
存在しない情景ですが、風にそよぐ
緑の光景そのものを表現している
ように感じられました。
 Intro~1番A″メロ4小節目まで
(~1:06)は、武沢さんのGut Guitar
と矢萩さんのobbligatoや
Harpが一つとなり、
緑の森の樹々に囲まれ、
神秘的で厳かで静寂な
透明感のある空気の中を歩む時、
樹の葉から一滴の雫がポタンと落ちる
ような情景がimageされます。
 一方、サビ直前のA″メロ5小節目
(1:03~1:06)以降では
約110 bpm →98 bpmと遅くなり、
神秘的な森を抜け出ようとした時に、
視界が一気にサーッと開け、
爽やかな風が吹き抜け、
長い髪の毛がふわっと舞い上がって、
ハッとするような瞬間が目に浮かび
ました。
 1番サビB,B´メロ(1:06~)。
武沢さんはElectric Guitarに
持ち替え、雰囲気もがらりとrock調
に変わります。
 Drumsもmarchingに変わり、
森の先にあった
緑鮮やかな美しい草原を、
爽やかな風に吹かれながら軽やかに
歩んでいるかのようです。
 2番main melodyは矢萩さん。
2番サビ(B, B″, B"′,B´メロ)
(2:18~)はTwin Guitarの見せ場。
 矢萩さんmain→ハモリ→
武沢さんSolo→ハモリの順。
 最後はA"′メロ(3:23~)。
武沢さんがGut Guitarで繊細な
melodyを奏でます。
 ところで、A´, A″,B´, A″, B″,
B´,A"′の各々3小節目の(4-6)/6拍目
の3つの音(0:32~,0:58~,1:32~,
2:09~,2:44~,3:15~,3:33~)
が原曲の音程とは変更されている
のですが、これらが
「武沢さんの感じるコードに変更
している」部分であり、
「ワタユタケ版」Greensleevesの
真骨頂です。
 この変更だけで曲のimageが変わり、
単なる風にそよぐ緑の光景だけでは
なく、そこには確かに哀愁がある事を
感じさせます。

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(9)ブルージーZZ
 Albumの中で少し雰囲気が違う
この曲。
 Blues好きの矢萩さんが、
1曲ぐらいこんな感じの曲があっても
いいんじゃないかと考えて作った曲
だそうです。
 曲としては8 beatsですが、
16 beatsのDrumsが心地良いです。
 1,2番のような曲構成はなく
特に複雑なので一部のみ記載します。
 物語としては立ち直った主人公が
少し息抜きにお洒落なShot Barに
立ち寄ったような状況でしょうか。
 1回目Aメロ(0:05~)から早くも
武沢さんの代名詞のcuttingが炸裂。
main melodyは矢萩さん。
PRSの甘い音色&凝って探し出した
「2小節目のコード名不明のコード
(0:08-0:11) 」の妖しい響きと
Keyboardsが
妖艶で危険な大人の恋を演出して
います。
 1回目Dメロ(1:17~)。
展開が変わり
最も演奏が盛り上がる部分。
 主人公はBarのカウンターで
脚を組む美しい女性に
恋のapproachをしている
のでしょうか。
 左右の多重録音のcutting
(武沢さん)が、その駆け引きの様子を
表しているかのようです。
 矢萩さんのmain melodyは
armingでのvibrateやtrill
も絡めて?、滑らかに音が連なった
レロレロとした艶かしい演奏です。
 4回目Aメロ(1:46~)。
直前の1回目EメロLastから連続する
武沢さんのSlide bar(Bottle neck)(1:46~1:49)が
主人公の名残惜しく引きずる気持ちを
表しているかのようです。
 この演奏は以後、断続的に続きます
(1:55~2:17)。
音同士が滑らかに連なったHawaiianの
ような音色が妖しく揺らめいています。
主人公は大分alcoholがまわって、
まどろみつつあるのでしょうか。
 2回目Dメロ(2:22~)。
直前のFメロLastから連続する
矢萩さんのSlide bar(2:21~2:53)
はキュンキュンギュンギュン
唸るような演奏で、
武沢さんのHawaiianのような音色
との違いが興味深いです。
 主人公が再び覚醒してグイグイと
attackを始めたのでしょうか。
それまで培ってきた主人公の愛と決意
が怪しくなってきたような…。
左右のcutting(武沢さん)は、
焦ってじらされている気持ちの
代弁でしょうか。
 6回目Aメロ(2:51~)。
前半は幻想的でmysterious。
酔いがまた回ってきたのでしょうかね。
 F´メロ(3:52~)。
最後は矢萩さんがglissandoで
ギュウンとカッコよく締めて
曲が終わります。
 主人公も目が覚めた事でしょう。
 あるいはBarでの出来事自体が
夢の中での話だったのかな?  

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(10)宮沢賢治を読んだことがなくても
 1番Aメロ~2番サビD´メロ
(~2:17)では、
歳を重ねての人生の回顧を、
松井五郎さんの詞に乗せて、
矢萩さん作曲の優しいMelodyと
その渋くて暖かい包容力のある歌声
とが包み込んでいます。
 Aメロ4小節目のSlurで滑らかに
繋げた「チャ~,ラ~,ラ~」の演奏
(0:27~)、Bメロ(0:29~) での
volume(=violin)奏法?での
obbligatoも印象的です。
 2番サビ(C,D´メロ)の後は各々、
D´→Eメロ(2:17~)、
E´(2:30~)→Fメロ(2:43~)、
Fメロ前半3.5小節→後半1.5小節、
の間で転調を繰り返し、melody line
が大きくup&downしますが、
2番までの穏やかな曲調からの流れが
絶妙で、実にカッコいいrockを
感じさせる部分です。
 矢萩さんはここでは指弾き→
pick弾きに変え、強い主張を持った
低音域backingに変化させています。
 Open rim shotに変わったSnare
と合わせて、主人公の感情が高まり、
controlが取れない程に
気持ちが大きく乱れている様を
表現しています。
 幼いあの頃は色々な生き方の方向を
選べる切符がまだあったんだ!
人生の旅の途中にはいくつもの駅
があって、その先々でめぐり逢う人
だってその数だけいて、もっと色々な
違った生き方を出来たはずなんだ!
それなのに、あの時何故僕は…、
今の僕は!…僕は~!!
と感情が高まっていきます。
 間奏(2:59~)。
そんな主人公の気持ちを
優しく包み込むかのように、
矢萩さんの指弾きでの
骨太で伸びのある甘い音色の
Guitar Soloが穏やかに流れます。
 終盤3番。優しい音色に抱かれた
主人公はあることに気付きます。
 自分や人々の歩みを「何億年も前から
瞬いていて、今もある(星)空」は、
どんなに時間が流れても、
ずっと変わらずにあたたかく見守って
いてくれていたことに。
そして、自らが過ごしてきた「時間」も
「思うよりあたたかい」ものだった
ということに。
 B´メロ5小節目(3:54~)。
Keyboards(Piano)が単音で優しく4つ
の音を奏で、更に1拍タメを入れて
6/8拍目から、矢萩さんが
「そ~おぉ~か~~」
と囁くように優しく歌いあげて
歌唱が終わります。
 主人公は自らの歩みをようやく
受け入れる事ができたのです。
この短いphraseが歩んできた人生への
問いかけに対する答えとなっており、
味のある歌唱と共に深く心に染み入り
ます。

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(11)cosmic balloon
 Intro。矢萩さんのGuitarは
旅立ちの朝が遂に来てしまったのか
というimageに感じられます。
 1番A~B´メロ(~1:18)。
主人公(ワタユタケの二人)が
「お願い、行かないで」という
人々の気持ちを汲みながらも
「それでも行かなければならない」
と説き伏せ、後ろ髪を引かれる思いで
操縦席に座るまでの様子を描写している
かのようです。mainは武沢さんの
切ないGut Guitarです。
 1番サビ(C&C´メロ)。
B´メロLastのglissando(1:17)で
エンジンに点火した後、
二隻の機体が大地を離れ、
上空に上昇し、
大気圏を突破して地球圏を脱出する
までの様子がimageされます。
 武沢さんがTurnerに切り替え、
決意に満ちたmelodyを奏でます。
 2番A~B´メロ(2:03~)。
周回軌道に乗り、慣性航行に切り替えた
のでしょうか。
 落ち着いた事で再び切なさが
込み上げたのかもしれません。
Octave上げ?した繊細な音色が
想いを綴ります。
 しかし、意を決して再度エンジンを
点火(glissando(2:56))、
地球の周回軌道から脱して、
太陽系や外宇宙に向けて出発します。
 2番サビ(C″,C, C″,C,C´メロ)
(2:57~)。この曲最大の見せ場です。
Unison→Octave上げUnison→
武沢さんSolo→矢萩さんSolo→
Unisonの順で、
迫力のTwin Guitarを堪能できます。
 地球の夜の側の宙域にいた主人公が
エンジンを再点火し、舵を切った直後、
時同じくして、
地球の黒い輪郭に沿うように
陽の弧が差し込んで、
それが一気に横に広がり、
その中から
太陽が力強く地平線から昇り、
周りの宇宙空間が明るく照らし出され、
二隻の気球型小型宇宙挺
「cosmic balloon」のシルエットが
くっきりと映し出されるような情景
が目に浮かびます。
 それはAlbum Jacketそのもの
であり、
前に進もうとする意志と
太陽の力強い光とが
まるでシンクロしているかのようです。
 Ending(4:05~)。
一瞬の静寂に続く
武沢さんのGut Guitarの
儚く繊細なmelodyからは、
(1)に立ち返ったような
広大な宇宙の中を、
豆粒のように小さな二隻が進む様子を
遠くから俯瞰して眺めるような映像
が浮かびます。
 To be continuedのような
終わり方は、旅がまだ道半ばである事
を暗示しています。
 ワタユタケの二人にはこれからも
「夢のつづき」を見せて欲しいと
願ってやみません。

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(12)A Merry Christmas to you
feat.高橋洋子
 Album「cosmic balloon」は
(1)と(11)で
宇宙というconceptを明確に表現し、
宇宙の揺り籠に抱かれた
地球上で暮らす人々の営み
((2)~(10))を前後で包み込み
完結している内容なので、
この(12)の存在意義は
Album本編のconceptからは離れた、
ファンへの本当の意味でのBonus
であり、Presentと考えた方が良い
と思います。
 原曲は前作「ツインギター2」
に収録の「クリスマス・デイ」
(以下Original)です。
 Originalは入院中の病室で
武沢さんの頭に舞い降りた
奇跡のmelodyに、
サビのChorusを付けた
Instrumental曲でしたが、
今回、新たに
曲全体の歌詞が作られました。
 作詞はShizumaさん(Originalで
Chorus部分の作詞と歌唱)と麻衣さん。
 麻衣さんは本名:久石麻衣さん。
宮崎駿監督作品の音楽を手掛けた
作曲家 久石譲さんのご令嬢のSinger
です。
「崖の上のポニョ」挿入歌
「ひまわりの家の輪舞曲(ロンド)」
での歌声が印象的です。
 そして、Guest Vocalには
「残酷な天使のテーゼ」
「魂のルフラン」等で有名な、
高橋洋子さんを迎えています。
ワタユタケの二人とは
キティレコード時代にLabel mate
だった縁で、specialな共演が実現
しました。
過去には高橋洋子さんの
「ブルーの翼」での共演があった
そうです。
 Originalでは歌唱partが
武沢さんのE.Guitarでの演奏で、
矢萩さんがbackingでしたが、
今回、歌唱partの演奏が
無くなっているため、
武沢さんもbackingに回り、
二人でbacking partを分けています。
 また、歌唱が入る事で、Original
での武沢さんの2番でのOctave上げ?、
サビ(C,Dメロ)でのユニゾン・ハモリ、
間奏明け3回目C,Dメロでの矢萩さんの
Guitar Solo等が無くなっています。
 しかし、聴き慣れたmelodyも
高橋さんに合わせてKeyが上がっている
ので、別の曲を聴いているかのような
錯覚を覚え、より優しくなった
幸せと癒しのmelodyと歌唱が
素晴らしいです。
 新たなChristmas Songの
Standardとなり得るこの曲。
 是非この機会に一度聴いていただき
たいと思います。

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