ある学校の前を通りかかったら、

その学校の校訓らしい言葉が書かれていた。

勇気

元気

根気

元気はあるつもりだけど、

勇気はあるか?

根気があるか?

自分に問い直して、辛い点をつけた。

 

昭和は戦争と高度成長の時代、平成は大災害とIT発展の時代とするなら、さて、次はどんな時代がくるのだろうか?

元号が変われば、すぐに時代の空気が変わるというものでもないだろうが、後の世から見れば、きっとすでに時代変化が始まっているのだろう。しかし、渦中では見えにくい。

ただ、70年近くを生きてきて、50年前と今の違いなら少しは感じるものもある。

例えば、「無いものをつくる時代」から「在るものに乗る時代」への変化。

第二次大戦のあと、焼け野原だった都市にビルが林立するようになった。戦後復興と繁栄を目指して、1920年代に生まれた私の父の世代を中心に人々は必死に働いた。高速道路が伸び、新幹線が敷かれた。各家庭に家電製品が次々に入りモノがあふれ、食生活のバラエティも増えていった(ラーメンの登場もあった)。

その時代を引き継いで、1940年代、50年代生まれは、世界をまたにかけて仕事をするようになった。私の身近な友人たちも欧米はもとより、中東、アフリカへも出かけた。ある友は、アフリカ北部、アルジェリアでプラント輸出に関わり、ある友は大阪の下町で造られた金属製品やねじの輸出にイラン、イラクで奔走していた。

さて、いまはモノに加えて情報があふれ、食は「グルメ」の時代になった。フェースブックでは「食レポ」が蔓延。いつのまにか、満たしてくれるものをつくろうというよりも、目の前にある満ちあふれるものから選択する時代になった(ある意味、父母の世代が必死に働いて夢見た時代が来たとも言えるが)。

では、心はどうか? いろんな見方があると思うけれど、私は「心の満たされ方」が変わったと感じている。端的に言えば、今はモノを消費すること、保有することで心が満たされたと思う時代。これに、ステータスや希少価値が加わるのだろう。

モノが乏しかった時代は、モノをつくることに軸足があった。なければ自分たちで作るしかなかった。それは、物質面だけでなくて、制度や仕事の仕組みづくりにも言える。モノづくりを支える制度や法が整備され、職場環境も変わっていった。

今は、法制度整備の軸足は、人々の生活を支える方向にうつり、毎年多額の社会保障費が国費の中で占めるようになった。

一時期の就職困難期は過ぎて、いまの大卒者は逆に売り手市場。引く手あまた。選ぶ時代(いつまでつづくか?)。

職場では、新たな仕事の仕組みを考えたり作るよりも、基本的にはすでに行われたものを継承することが常態化するようになった(もちろん、例外はある)。

矛盾を感じても、その矛盾を糺したり改変を目指すことよりも、目をつぶることが優先されるようになった。

キャリアカウンセリングの現場でも、<現状を維持する派>が主流を占める。与えられた枠の中で仕事をすればそれで文句を言われる筋合いはないとして、目の前の相談者の心よりも、自分を雇う側の意志を忖度する。

在るものを選ぶだけの時代は、盲目を装うひとを増やす。言葉はますます記号化し、言葉に魂はうすい。

じわりじわり、次の時代へ。何か怖い。

棹をさす人、ドン・キホーテの姿も見えない。みんな、賢くなり過ぎた。

2016年3月5日  · フェイスブック

 

福祉事務所や就労移行支援事業所では、障がい者やひきこもりだった人達がキャリア支援を求めている。こうした人達が利用しやすいコミュニティサロンづくりを考えています。さまざまな人達と接し、いろんな生き方があることを学び、自らの将来を切り開くきっかけを作る。動くエネルギーが溜まってきたら、就労支援をしたい。具体的には・・・。

1) 対人援助の専門知識をもった支援者とともに、地域でコミュニティサロンをつくる(低額有料、または会員制)

2) ふれあいスペース(話し合いの場、ゲーム機でないゲームで遊べる場所)、作業スペース(何かをつくれる台を置く)、図書コーナー等を設置

3) 支援者たちは利用者と気軽な話し相手になったり、活動をサポートする(利用者の発意を尊重)。例:芸術・創作活動、手芸、スポーツ大会、読書会、さまざまな人達と触れ合う交流活動など。

4) 利用者から個別に相談があった場合は、個別相談を実施。

5) ときには重要な課題について、利用者、支援者、家族、関係者が集まり、オープンダイアローグ方式(*)による話し合いを行う。

*フィンランドで生まれた主に精神障がい者へのカウンセリング方式。当事者、家族、関係者、支援たちが集まって、話し合う。支援者同士の話し合いも目の前で聞けるリフレクティングにより、多様な気づきを得る。詳細は『リフレクティングとは何か』(斎藤環著+訳、医学書院)

6)障がい者でない人達の参加もゲストとして利用可能。求めがあれば、その人達の1対1カウンセリング、及びオープンダイアローグ方式によるカウンセリングを実施。

<期待される効果の一端>

・気軽な話し合いの雰囲気をつくり、さまざまな生き方や社会に触れるきっかけをつくる。

・支援者によるお仕着せのプログラムではなく、利用者の発意を尊重しながら、計画性、実行力、忍耐力、協調性、自律性、自立性を促す。

・就労を求める人には、就職支援で就職。

・就職だけでなく、個々の人の事情に合わせ、生き生きとしたキャリア形成のサポートを行い、さまざまな活動への参加を実現する。

上記ご賛同、