1.oct.2007(mon)

 

エアーズロック・リゾート・キャンプグランドを6amに出発し、

21㎞ほど離れたエアーズロック(ウルル)へ向かう。

 

時間によって7色に変化するという岩肌を見るために、

太陽が登る前から遠景(sunrise viewing)でスタンバイ。

 

 (6:27)

下矢印

 (6:35)

下矢印

 (6:41)

刻々と色が変化していく

 

そして車に乗り込み、いよいよウルルのふもとへ向かう。

 

ここに来るまでは、エアーズロックに登るつもりだった。

登れる時間は10~16時、雨天や強風で登頂禁止になる日も多く、1泊だと登れないかもと聞いてたから、なんとか好天で風が弱いことを祈っていた。

 

しかし車の中で、ドライバーのブライアンから、この岩が、この辺りに住むアナング族(アボリジニのアナング語を話す人々)にとってどれほど神聖なものか、という説明があった。

アナング族がウルルに登ることはなく、本来は登るべきではない岩だということ。

ウルルの周辺の撮影禁止の看板がある場所では写真をとらないように、と。

私たちがテレビの映像や写真、絵画で目にするウルルの姿は実物のほんの一部で、これは、この聖地の持ち主であるアナング族の伝統を政府が尊重し、彼らの聖地が写真や映像に映らないよう、厳しい規制を設けているためで、メディアを通して見ることは絶対にない。

実際にこの地に来た人にしか、岩の全体像は見られないのだ。

 

岩肌は滑りやすく、滑落死した観光客が何人かいて(熱中症や心臓発作の人も)、

アナング族の人々は、この神聖な場所でケガ人や死者が出ることを心から悲しみ、

死者が出るたびに魂を鎮める祭儀を行うという。なんてこった。

登ってほしくないのに勝手に登られ、勝手に死なれ、その人のために心を痛め先祖に詫びるのだガーン

※現在は登山禁止注意

 

ウルルに近づくと、世界最大級の一枚岩の、その大きさに圧倒される。

最近、なかなか感動しなくなってたけど、ココはすごいびっくり圧巻

 

着いたときは、風が強くてウルルには登れない状態。

 

体力的に行けそうな人だけ、個々のペースでベースウォークランニング

エアーズロックをひと回りする、9㎞のウォーキングトレイル。所要3時間ほど。

暑いあせる日陰も休憩所もない岩の周りを、歩き続ける

道はフラットだけど、距離が・・・

 (8:00)

途中には避難所が3か所、ドクターヘリが待機・・・目

 

岩を見上げ、歩きながら、すっかりエアーズロックに魅了された。

少し見る場所を変えるだけで、いろいろな姿を見せる。

絵筆で描いたような岩肌のライン、

澄んだ空の青と、岩の赤茶色とのくっきりとした境界線、

水が流れた跡の黒いライン・・・すべてのコントラストが何とも言えず美しい。

 

アナング族の人々は、ウルルやカタジュタは創世期にアボリジニの祖先が創った地形のひとつだと信じている。

この世の始め、まだ地形も自然物も何ものも存在しない世界から、アボリジニの祖先が現れ、各地を旅し、動植物や現在見られる砂漠などの自然の地形をつくっていった。

祖先から引き継がれたこの土地を守り、管理する責任があり、祖先がどのような道程で旅したか、何を行ったかの詳細を、先祖代々伝説や民謡、踊り、儀式で伝えている。

 

太古からウルルの真ん中に住むクニヤ(祖先の一つであると考えられている砂の中に住む蛇)の伝説が、看板に書かれていた。全部書くと長いので抜粋すると、

「岩にある深い溝はクニヤが狩りに出かけた時にできた」とか

「岩の西側のいくつかある丸い穴はクニヤの甥がリルという毒ヘビの集団に槍で襲われ殺された時の跡」とか

「甥の復讐のためにクニヤがムティジュルの滝つぼへ向かい、リルと対峙し、彼を殺した。激しい戦いの跡がムティジュルの滝つぼの周りの岩の上に残っている」とか。

ウルルの形状が全部伝説と当てはまる。

 

この滝つぼへ向かう途中の洞窟内一面には壁画が描かれている。

 

ウォーキングトレイルには『撮影したら$5000』の看板があちこちに注意NG

その横で普通に撮ってる観光客がいる。きっとその意味を理解していないんだろう。

 

歩きながら、岩肌に触れたくなり、タッチパー

自分が触れてるのは、はるか頭上にそびえる岩の一番裾だけど、

一番上を触ってる気がした照れ

同じようにタッチしているおじさん数人がいた。きっと、同じ気持ちになったんだろう。

 

ベースウォークをしたら、登りたい気持ちはすっかり失せた。

足を踏み入れるのが申し訳ない気がした。

アボリジニの人々にとって、神聖な場所。

無言の圧力を岩から感じる。(うまく表現できないけど・・・)

信仰がなくても、人間が立ち入るべきではない『何か』を感じた。

 

ベースウォーク9km歩いて戻った頃には開山していて、何人か登り始めてた。

天気もいいし、せっかくのチャンス。登りたい人を批判するつもりはない。が、私は登らない。

アナング族の聖地を尊重して“撮影禁止”にしている一方で、

岩に杭を打って登る事をOKにしてる政府の対応には矛盾を感じるが・・・

ツアーメンバーのキャロライン♀(マットの妻)は登っている人を見ながら“閉鎖すべき”と怒っていたムカムカ

ドライバーのブライアン爺ちゃん曰く、政治的な問題らしいしょんぼり

※2019年10月26日~登山禁止に拍手

閉鎖直前、駆け込みで登ってる人たくさんいたな~うーん

 

ベースウォークだけでも充分よかった!!

 

登山口(上写真)の左に進んだところにある自然のシェルターでブライアンの話を聞く

ミニ・ウェーブロック波

 (10:00)

 

正直、メジャーすぎる観光地ってあんま興味なかったんだけど、

ウルルに関しては、死ぬまでにもう一回来たい場所になった乙女のトキメキキラキラ

 

ウルルの近くにあるウルル・カタジュタ・カルチュラルセンターに寄り、「カルチャーセンターからのメッセージ」という紙を入手。そこにはA4用紙4ページにわたり、アボリジニの人々のウルルに対する思いが書かれていた。

 

「ウルルの伝統とアナング族の文化を尊重し、自ら登らない選択をしてくれたら、こんなに嬉しいことはない。どうしても登りたい人のためにチェーンがあるが、登る前にもう一度、アボリジニの先祖代々からのおきてを思い出してほしい」

「カメラのレンズで岩の表面を写すのではなく、心のレンズで岩の本当の姿を見てほしい」

 

岩にまつわる解説を読んで、自分が岩から感じたものはコレだったんだ~と納得したひらめき電球

自分で岩から感じ取った感覚が正しかったこと、感じ取れたこと、それほどに岩は何かを語る力を持っていた。内側から出てくる無言の重み(?)

本来の生命の在り方、現代を生きる人間の愚かな部分、みたいなものを感じさせられた。

単に「キレー」とかを超えた、何かすごいものを持っている。

ただ景色を見る『観光』と違って、精神が浄化されたような。荘厳だった・・・

 

一旦キャンプ場に戻り、昼食ハンバーガー

テントといってもちゃんとした『小屋』。小屋の壁も砂漠に同化する赤茶色。

 

中も超快適ルンルンここ、住めるわ

 

さすがセントラルは観光客多いから設備がしっかりしてるわ〜照れと思ってたら、

他のツアーの日本人の子ら♀が「過酷だ・・・汗ドクロ」と言ってるのが聞こえてきた。

セントラルの旅しか経験してないんだろう。

この子たちに聞くウルル・キャンプの印象と、私から聞くウルル・キャンプの印象は、

行ったことない人が聞いたら混乱するだろうな。

 

午後はカタジュタ(オルガ岩群)。キャンプ場から53㎞ほど。

カタジュタもアナング族の人々にとって重要な土地。

ウルルが一枚岩なのに対し、カタジュタは36個の岩群。

 

風の谷(The Valley of Wind)。約7㎞のトレイルアセアセ

地表からの高さ546mのオルガ岩群が造り出した、巨大なスケールの中を歩く

 

トレイルを歩いてたらティーガンに再会した。ダーウィン→アリスのドライバー

アリスでの最後の別れ方が微妙だったけど、「もう会うこともなかろ~」

と思ってたところに会ったから、ちょっと気まずいドクロ

 

第2展望台からの光景。キレイで爽快照れ

ナウシカの世界がここに乙女のトキメキ

 

途中の茂みにカンガルーいた目

 左矢印左上

 

トレイルがかなり長くて疲れた・・・汗ぼけーそもそも午前中に9㎞歩いてるし・・・

 

途中に蛇口があるが、この水が最高にマズイ・・・ゲロー 川の味がした…

 

ブライアンに何度も「水をもっと飲め!」と強要され疲れた・・・チーン

「みんな1.5~2リットルのペットボトルなのに、お前はなんで600mlなんだ!!

欧米人とは体格が違うし、飲む量も違う。

普段から自分はあまりガブガブ飲まないし、飲むタイミングはわかってるつもり。

休憩のたびに「お前が飲むまで動かん」と言われるようになり、

最後の方はそれに疲れて若干キレ気味になった。

「水飲みすぎで腹が気持ち悪い!イラッ

 

42㎞戻り、再びウルルへ

sunset viewingに車を止め、エアーズロックの日没を見る。沈みゆく太陽と、エアーズロック、オルガ岩群を眺められるロケーション。

アウトドア・ディナーができるツアーのテーブルがセッティングされ、ディナーを楽しむ観光客越しにエアーズロックを見なきゃいけない。

 

「15秒ごとに色が変わるから、よく見てろ」というブライアンをシカトしてツアーメンバー24人で集合写真を撮ってたら、ブライアンが怒ってたムキーッ 

 

  

18:27右矢印18:44

 

肉眼で見てても色の変化はよくわからない。

何枚か連写した写真を後で見比べると変化がわかるひらめき電球

 

エアーズロック・リゾート・キャンプ場2泊目。

ここでもティーガンに再会したパー

5分/$1のネットをやってたから邪魔しちゃ悪い。軽めに話してシャワーに行った。

ティーガンに会うのはこれがホントに最後だろううーん