【 君の器は 】
味わえもしない
空っぽな器ばかり作ってないで
少し出かけて
トレースするのさ
大地の真ん中に
いっぽん大きなカエデを。
小雪で大地が真っ白になったら
僕は足跡をつけるんだ
風の強い日には
防風林にじっとひそんでみる
はばたく小鳥たちと
牛たちの戯れに囲まれながら
やがて大きな手で
ゴツゴツしたロッジを建てよう
家々の煙突から立ちのぼる
人々の優しい吐息
君の器は楽しそうな世界でいっぱいだ
さいごに、
夕日に伸びる長い影をそえて、
幕が、あいたよ。
さ、めしあがれ。