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十年不倫―待つだけの日々に終止符

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン)5月27日(木) 12時47分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合

年春、10年にわたる不倫関係に終止符を打ちました。別れてすぐは、相手に会いたくなることもあったけれど、今は吹っ切れました。付き合いだしてから3年目に一度別れましたが、何となく復縁。彼は口では奥さんと別れると言っていたけれど、結局、奥さんと離婚することはありませんでした。この10年、ただ待つだけの日々でした。メールも電話もほとんどできませんでした。今は、彼のいない生活に慣れ、ひとりの生活を楽しんでいます」(編集部宛のメールより) 久美さん(30歳・福祉・サービス)が彼と出会ったのは、短大卒業後に就職した福祉事業所で。ただ、初めて会ったときの印象は全くと言っていいほど思い出せない。そんな彼と、その後10年にわたって不倫関係を続けることになるなんて、当時は思いもしなかった-。

 7歳年上の彼とは配属された部署が別で、当初は会話を交わすこともなかった。

 親しくなったきっかけは何だったろう…? 30人ほどの小さな事業所だったから、若手スタッフの仲は良かった。終業後に飲みにいったり、休みの日にはバーベキューをしたり、ボウリング大会をしたり。

 そんな中、彼のほうから声をかけてきたのだ。「二人で一緒に遊びにいかないか?」-と。

「最初は…もちろん断りましたよ。“この人、何言ってるんだろう! ? ”って。結婚している人だってことは知ってましたから」

 彼は諦めず、何度も声をかけてきた。「1回ぐらいなら」と応じたのが二人の関係の始まりだった。

 最初のデートでは、ドライブに行った。何か決定的なことがあったわけじゃない。彼は仕事のこと、友達のこと、久美さんの話をただただよく聞いてくれた。「優しい人だな」。そんな印象を持った。

 それから、月に一度ほど、二人きりで出かけることが続いた。居心地が良くて、安心できる、楽しい時間だった。

「付き合おう」-そう言ってきたのは彼のほうからだ。自分がまさか不倫をするなんて、思ってもみなかった。

「頭では、いけないことだって分かってたんですけど」

 気持ちは、後戻りできないところまで来てしまっていた。

 久美さんにとって、彼は人生で初めて付き合った人。それまで気になる男性がいても、傷つくのが怖くて、自分からはなかなか行動できなかった。「好きだ」「付き合おう」-積極的にアプローチしてきた彼の存在は純粋にうれしかった。

 彼と二人きりで会うのは月に一、二度。夜遅くは無理だ。家庭を持つ彼も、実家で両親と暮らす自分も、夜10時前には帰宅しないと家族に不審がられてしまう。

 待ち合わせは終業後。人目につかないように、会社から離れた郊外で。連絡は主に携帯メールで取り合った。電話は、自分からはほとんどかけなかった。彼を困らせるのが分かっていたから。だから、ひたすら彼からかかってくるのを待った。

「妻とは別れるつもり」-自分は彼の言葉をどこまで信じていたんだろう? 正直言ってよく分からない。離婚の話が出ると、「妻には何度も話をしている。ただ、子どものことがあるから…(なかなか別れられない)」と締めくくるのが彼のいつものパターンだった。

「子どもの話を出されると、私は何も言えないじゃないですか。その話になるたびに卑怯だなぁって思ってました。もちろん、彼には言いませんでしたけれど」

 24歳の頃、彼とは一度別れた。久美さんの親が持ってきたお見合い話がきっかけだった。

「田舎ですから、25歳前後にもなれば結婚適齢期なんです。それで、私というよりも、親が焦ってしまって」

 彼と付き合い始めて3年目。会いたいときに会えない。話したいときに電話できない。そんな関係に疲れ始めていたということもある。彼と別れるいいきっかけだと思った。

 お見合い相手は10歳近く年上の会社員。初対面で「何となく(この人は)違う」と感じた。3回ほど会ってはみたけれど、初対面の印象が覆ることはなかった。

「彼だったら、こうしてくれるのに」-無意識にお見合い相手と不倫相手の彼を比べている自分がいた。彼を重ねて、彼以上の何かを望んでいた。うまくいくわけがなかった。

 会社の同僚から、お見合いがうまくいかなかったという話を耳にしたのだろう。時間を置かずして、彼から電話がかかってきた。

「もう一度付き合う?」

 そのまま別れるという選択肢だってあった。その頃には、彼が妻と本気で別れるつもりがないだろうということは薄々分かっていた。でも、「やっぱり彼しかいない」という思い込みにも似た感情と、「まだ別に結婚しなくてもいいし」という妙に楽観的な感情に突き動かされて、再び関係が始まった。

「このとき別れられていたら、一番良かったんでしょうね」

写真/小林キユウ 25歳の頃、幼なじみの女友達が結婚した。何でも話せる親友で、一番の遊び友達。彼女は家庭に入って、なかなか一緒に時間を過ごすことができなくなった。寂しさを埋めてくれたのが、彼の存在だった。

 26歳の頃、婦人科系の病気で2週間ほど入院した。手術を受け、仕事も休んで心細い日々。「家にいるばかりじゃつまらないでしょ?」-そう言ってドライブに連れ出してくれたのも彼だった。

 たとえ月に一、二度しか会えなかったとしても、思うように電話やメールができなくても、彼の存在が心の支えだったのは確かだ。

 一方で、人目を忍ぶ関係に、確実に疲れ始めている自分がいた。

 会社の飲み会での定番の質問の「彼氏いないの?」に「いないんです~」と笑顔を取り繕って返事をするとき、気を利かして後輩が呼んでくれた合コンで手持ちぶさたな時間を過ごすとき、「彼がいるなら連れてきなさい」と語りかける両親を適当な言い訳でごまかすとき、本当のことが言えないのがたまらなくもどかしく、胸が痛んだ。

 2~3年前、新入社員の男性から声をかけられてメールや電話をする関係になったことがある。たわいない仕事のグチや不満を打ち明け合った。気楽にご飯でも食べにいけば良かったのだけれど…。

「不倫関係の彼に悪いなぁとか、私が浮気しちゃいけないとかって思ってしまったんですよね」

 結局、後輩男性との仲が進展することはなく自然消滅してしまった。

「このまま付き合っていても先が見えない」-付き合い始めて10年目の春を目前に控えて、ある日、ふと思った。右も左も分からない新入社員だった久美さんも、介護福祉士の資格を取り、いつしか職場でもリーダー的な仕事を任されるようになった。30歳になろうとしていた。

「疲れ」や「不安」が限界を超え、ちょっとしたことで体調を崩すことが多くなっていた。

「別れたい」-彼の携帯電話にメッセージを残した。「なんで?」と彼からは問われたけれど、「もう疲れたの」とだけ伝えた。そして、携帯電話のメモリから、彼の名前と連絡先を消した。

 その後3カ月くらいは、彼から電話が来ることもあった。「ここで(電話に)出たら、また元に戻ってしまう」。だから必死に自分を抑えた。

 つらいとき、そばで話を聞いてくれていた人がいなくなった寂しさはある。

 けれど、それ以上に手に入れた自由のほうが大きいと感じている。「次はいつ電話がくるんだろう」「次はいつ会えるんだろう」-待ってばかりの10年間だったのだ。

 彼と別れて、手に入れた自分の時間。仕事が終わって家で読書をすること、家族とテレビを見ること、すべてが楽しい。暖かくなったら、スポーツでも習おうかと思っている。

「次はフツーの恋愛がしたい」

 でも、今はまだ…もう少しだけ、恋愛は休みたい。


*日経WOMAN読者アンケート(08年2月インターネット上で実施)より。950人(平均年齢33.4歳)が回答

取材・文/田中美和