芥川賞を受賞した西村 賢太氏の「苦役列車 」を読みました。


授賞式での作家本人の奇抜な受け答えや作品の内容の悲惨さなど


が話題となっている小説です。読む前は、「蟹工船」など暗いイメージを持っていましたが


西村氏の実体験をベースにした私小説ということもあり、純粋なリアリティを


感じ、一気に通読しました。


作品は、取り立てて、文章がうまいというわけでも、展開が


素晴らしいというわけでもありませんが、本人の実体験が、しっとりと浸透してきて


自分の若い時代のコンプレックスや苦い思い出などが重なり、共感をかんじました。


ある意味で、小説の持っている本質的な強さというか、純真さが表れている作品です。


全共闘世代の代表的な私小説作家、中上健治氏とも違い、物語の構造や、表現力に


依存しない、ストレートな表現が新鮮でした。



連日、大相撲の八百長問題がマスコミをにぎわしています


わたしの知人にも息子さんが大相撲関係者の方がおり


以前から、八百長問題について、聞いたことはありますが


120キロ近い力士が、ぶつかり合うのだから、当たってみないと


どうなるか、わからない。八百長をやることは実質不可能などと


いうことを何度も聞いていたので、そこは信用していましたが


今回の件で、今までのもやもやが、晴れた気もしました


今回の問題も、八百長という形で表面化しましたが


病根には、相撲協会の仕組み自体に問題があります


1000人くらいの力士と親方集の内、給与がまともに支払われるのが


約3割、300人程度で、月100万円以上の高給が支給され


残り7割が、無給に近い状態という、おなしな構造。


親方株が1億などという金額で取引され、株を取得できたものだけが


部屋の継承権や親方としての給与が与えられる


組織自体は、50を超える相撲部屋が独立して行ない


親方が、経営、稽古、コンプライアンスなどすべてを


統帥するなどといった、いびつな構造などが、その根底にあります


この構造自体を、変えていかないと、根本的な解決にはなりません


解決策としては、競輪学校のような養成機関を、協会が作り


そこに新人力士は入所して、相撲部屋は10部屋位に統合し


そこのトップには、民間出身の経営者が、ガバナンスを持った組織にするなど


根本から、変えないと変わらない気がします






平成よもやま話
小沢民主党元代表の検察審議会の議決による強制起訴が

執行されました。ご本人は、記者会見で、無実を主張していましたが

裁判となると、一回目の公判まで半年、結審までは、2年近くかかるでしょう

次の衆院選を刑事被告人の身分のまま、迎える可能性も出てきました。

これは、実質的に民主党の選挙をコントロールしてきたことを

考えると、次の総選挙は、大きな地殻変動が起こるでしょう。

2011年度予算についても、野党は徹底抗戦してくるでしょうし

小沢グループ等の内紛を抱えた与党は、国会運営でも窮地に立たされるでしょう

では、今回の検察審議会の議決とは一体何だったのでしょう??

検察が1年以上、小沢事務所を捜索したうえで、起訴を見送った以上

公判を維持するためには、石川被告の小沢氏関与の証言立証が

不可欠ですが、石川被告の録音テープの公判採用になると

原告側が小沢氏の政治資金規正法違反の関与を立証するのは

かなり、難しくなるでしょう

日本の刑事裁判における起訴事実の認定について

改めて考え直さないといけない時期に来ているのかもしれません

それと、無罪判決の可能性が、かなり高い案件では

政治家といえども、推定無罪の原則にのっとって

公正で慎重なな報道が求められ

国民や有権者も 「起訴=刑事被告人」という

従来の考え方を改めないといけないと

考えます。