鎮魂歌は 歌わない
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「キョウハ、6ガツ29ニチ、
ビートルズノ日デス」
毎週水曜の愛知往療、
車に乗ると、
ナビちゃんが教えてくれました。
「あぁ、そう。
私が 死神になった日か。」
。・゜・・゜・。
8年前
つまり平成20年の今日、
勤めていた精神病院を
退院された患者様がいました。
その数ヶ月後、
「皮肉なもんスね~。
あなたが
あの人を動けるようにしなければ、
あの人が歩けるようにならなければ、
あの人は退院もしなかったし
ましてや自分で死ぬことは
出来なかったわけだ。」
男の看護師さんが
教えてくれた現実。
*
当時の私は、臨床経験が少なく、
沢山の精神薬を飲んでいる方の
脈やお腹を調える施術が出来ていなくて、
医師や病棟からは
「何にせよ浮腫と拘縮を改善し
歩行可能となって退院できるように」
とのお達しあり、
東洋古典医学的な施術は一旦据え置いて
東西問わず色んな流派の先生のところに
仕事後に寄って勉強会に参加して
そこで得た知識や技術で
病院のオーダーには応えた。
患者様ご本人は
「まだ恐い。不安。
あなたの施術を受けていたい。
外は精神病や障がいに
偏見がありすぎる。」
と怯えていた。
ミゾオチとおヘソ周りが
未だ根が残り固くて、
頭の緊張感も信じられない位に強かった。
何も出来なかったというより
心の症状に何もしないまま
体の状態だけ切り替えて
外に押し出してしまった。
・
私は死神になってしまった。
*
*
*
同年 9月に
中医薬膳の勉強を始め、
翌年 平成21年
東京 半蔵門の
後世派鍼灸の先生のところに通い、
また翌年 平成22年に
中医気功の勉強を始め、
緩まなかったお腹を緩める施術や
なかなか緩まないお腹を変える養生を
臨床を通して教えて頂くことになる。
・
固かったお腹が緩むと
横隔膜の動きが変わり 呼吸が深くなり
「気持ちが楽になった。」
と言われ、
緩んだお腹を中心に身体全体が調い、
頭の緊張も溜め込まなくなってくると
「死にたいと思わなくなった。」
と言われ、
脈が調うと、
季節の節目で心身状況が振り回される
ことがなくなってくる。
でも、
その患者様は もう二度と笑わない。
・
死神には、死神の役目がある。
・
ただ一つずつ
目の前のことをこなしながら、
患者様との約束を果たす道筋を
新旧問わず、東西問わず、
探し、学び、試し、時に諦め、
それでも行い、繰り返し、
確かなものになるまで、
私には 鎮魂歌は 歌えない。
