こんにちは。
和泉です。
今日は、イミテーションについての考査です。
日本人は、加工する事が得意だ。
これは、エネルギー資源に恵まれない島国という
条件からも、当然の流れと言えるでしょう。
何か一手間加えてその物自体の価値をあげる事は、
実に素晴らしい行為である。
現にそうして日本は貿易黒字を出してきたし、
テクノロジーも発展させてきた。
だが、テクノロジーが発達しすぎて、残念ながら
忘却されていったものがある。
それが何を隠そう『文化』であると私は考えている。
文化を忘れた事による代償は、小さくない。
街並みを見ればそれは顕著であろう。
自己の収益に終始した、品の無い商業用看板。
外国から形状を輸入しただけの、個々のライフスタイルが
反映されていない輸入住宅。
そしてその住宅の内部をみてみると、新建材と呼ばれる
イミテーションの素材に囲まれているのである。
壁はビニールクロス。
床は合板のペラペラなフローリング。
キッチンの天板は、大理石を模した人造大理石が使われている。
これらの全ては、高度経済成長期には必要なものだった。
量産する必要があったからだ。
今は、むしろ供給過多になり、量産する必要性が無いのは
周知の事実である。
でもなぜか、この現象は止まらない。
その理由は、供給側の怠慢にあると思われる。
ビニールクロスは、まず何と言っても安価である。
そして、一般的な職人が施工すれば、出来上がりに
大して差は出ない。
施工側にとっては非常に都合が良い建材なのである。
本物の木は、反ったり割れたりする可能性もあるが、
イミテーション建材ではそれが無い。
これを更に模して、フローリング調CF(クッションフロアー)
なんて商品まである。
イミテーションに囲まれて暮らしていると、ついついその
ものの本質を忘れてしまうので、注意が必要である。
例えば、無垢フローリングの良さは、その足触りにも
あると思う。
裸足で無垢材を踏みしめた時には、とても気持ちの良い感覚が
訪れるのだが、クッションフロアーではそれがない。
照明が当たると、塗装壁であれば陰影が出来るが、
ビニールクロス壁であれば、そんな陰翳礼讃的な雰囲気は
皆無である。
こういった感覚が実は、「家への愛着」につながっているのでは
ないかと思う。
新建材に囲まれた家よりも、本物の素材に囲まれた家の方が
住んでいて気持ちがいいし、気持ち良い住宅は、自然と愛着が
湧くものである。
そんなことを考えて、中古マンションを選ぶパートナーとなり、
家創りをさせていただいております。
和泉