子どもたちの健やかな成長を祈る子どもの日。
子どもの日だった5月5日、私たちは大切な我が子の安らかな眠りを祈る日になった。
水子供養は、夫の実家が代々お世話になっているお寺さんにお願いをした。
供養中はただただ心静かに、時生くんがお腹にいてくれた4ヶ月間を思い返した。
巨大膀胱だと言われてからお別れまで、たった1ヶ月間の出来事だった。
どう考えても1ヶ月と思えないほど濃かった。
辛くて、苦しくて、こんな風になるくらいだったら赤ちゃんを授からない方が幸せだったと思った日もあった。
でも、どんなに痛くても、苦しくても、時生くんと出会えた人生で良かったと、綺麗事でもなく嘘でもなく、今は不思議とそう思える。
嬉しかったのは、塔婆に力強く時生くんの姓名が記されてあったこと。
まるで時生くんが生きた証のように感じて、供養中はお骨と一緒にずっと見つめていた。
供養が終わり、いよいよお墓に納めるときが来てしまった。
もう、お骨を抱きしめることもできなくなると痛感するとまた涙が出てきたけれど、
この様な形で供養するということは、私たち夫婦で決めたこと。
後悔はしていない。
お墓は町を広く見渡せるとても眺めの良い場所にあった。
目を凝らせば、私たちの住む家も見えそう。
時生くん、ここから私たちを見守っていてね。