三連休も同じ月に連続して二回あると、どうやってすごしたらよいのか、少々とまどってしまう。
元気のよい人は近場へと繰り出しているかもしれないが。
いつのころか、この秋の連休シーズンをシルバーウィークと呼ばれたこともあったが、あまり定着しなかったようで、この呼び名はすっかり影をひそめてしまった。
そうだろうなと思う。
夏休みが終わってからひと月もすぎていないこの時期、また浮かれて遊ぶのも心身金の負担が大きい。
ところで、この時期になると芋煮会のことが話題になることが多い。
はるかな昔に、当時、通っていた会社で山形出身の同僚に誘われたことがあった。
「芋煮会をやるから、こないか?」
「イモ二回?」
「いやいや、芋煮、会」
「イモを煮るかい?」
「そうだ、芋を煮てみんなで食べる」
「うぅん、うまそうだな。残念なんだけれど、その日はちょっと都合が悪い」
「そうか、じゃあまた来年誘うよ」
その来年には、お誘いはこなかった。
その頃は、芋煮会という行事のことを全く知らなかったことと、参加予定メンバーのほとんどが同県人だったので、二の足を踏んだわけである。
また、芋では何かショボイ感じだった。
ひと月後、部署で行ったバーベキューには喜んで参加したのだから、やはり外で食べるのなら、焼いた肉でしょう、などと考えていたかもしれない。
結局、その芋煮会は県人会として実行されたようだった。
今となってみれば、芋鍋というのも山形のソウルフードともいうべき大事なものなだと分かるが、その頃は、わざわざ外で芋を煮て食べるということの意味が良く分からなかった。
芋を食べることには違いないが、「みんなで」という所がミソなのであろう。
おっと、山形の鍋はしょうゆ味だった。
ソウルフードだから、このあたりはなかなか厳密で、隣の宮城県では味噌味で仕立てると聞いていて、あの味付けは邪道だとお互いに言っているらしい。
いづれにしろ、貴重な経験の機会を逃したものである。
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