また誕生日がやって来ました。

今では、バラバラに暮らしている子供達も集まり家族みんなでシーフードフレンチでお祝いしてくれました。

なーんか嬉しくてしっとりした気分になります。

思えば昨年の誕生日の頃は、今よりも先が見えなくてとっても辛い時期にいました。この一年、ずーっと迷い続けた一年でした。もう何を迷っているのかも分からなくて、結局どうでもいいや。と考えなくなっていた時間も長かった気がします。

2013年の終わりから芝居を始めて、あれやこれや手当たり次第首を突っ込んで、その動きが本格的にピタッとストップしたのが昨年の4月でした。

私って、芝居好きだっけ？

ワークショップもオーディションも舞台も現場も緊張するだけで、楽しめないじゃん。

「なにか」にがんばらなきゃいけない自分に鞭を打って続けて来たんじゃん。無理する事ないじゃん。いつまで経っても上手くならなくて、自分を認めてやれなくて、思い切ってやめちゃえばいい。

これが、芝居をストップした数ヶ月後に出した私の答えでした。

芝居を始めた2013年、一番下の子供はまだ中学1年でした。とても自立しているとは言い難く、まだまだ手のかかる子供でした。でも、私は自分のための新しい人生作りとして、芝居を始めたのです。子供がみんな巣立った後ではなく、その前から自分が打ち込めるものを準備したかったからです。

それからの私は、とにかく突き進んでいました。

今思えば、そう改めて振り返れば、この6-7年芝居をして来た事で「本当に楽しくなかったのか？」いや、違うなぁって思います。だってみんなで舞台を作り上げた事、私の人生の宝なんです。

そりゃあめちゃめちゃ悔しくて泣いた事もありました。でも辛いと感じることなんて、何をやっていたってあるはずです。なのに「辛い」ことやめて、楽しい事だけやればいい。そう思った私がいました。もうそんな年齢だなんて思った私もいました。

そう思ってからは、本格的に心の引きこもりの生活が始まった気がしています。他に何か見つけようって、歌を歌ってみたり、ギターを弾いたり、ピアノを弾いたり…。

元々、外に出る事、人に会う事でエネルギーを得ていた私にはコロナ禍の生活はダメージが大きかったのだと思います。何をしようとしても、心の隙間は埋まりませんでした。

ですが、少しずつ…今年の誕生日を迎えるまでのひと月ほどの間で、徐々に自分の心の内が見えてきた気がしました。きっかけは昔一緒に舞台をやった友人の声かけでした。楽しそうに自分のペースで芝居を続けている友人の姿が、私の背中を押してくれました。そして改めて思ったんです。

芝居してみたい。って。

確固たる目標とか、芝居が好きで好きでたまらないから。という激アツな情熱とか、自分にプレッシャーかける様なモノは置いておく事にします。

言える事があるとしたら、映画も舞台もテレビドラマも好きで、いい作品に出会うと、沢山泣けて笑えて嬉しくなります。その素晴らしいビリビリ感、貰うだけじゃなくて与える側にもなりたい。

それだけです。それだけだけどいいじゃん。そう思う事にしました。

また挫ける時は来るかもしれないです。

てか、必ず来ますね（笑）

でも、誕生日に自分に誓いたいな。と思うのは「勝手に自分で評価して逃げない」という事。

私くらいの年代の人は皆、「身の程を知れ」とか「自分で諦め時をわきまえろ」みたいなせりふよく聞きましたよね。特に芸事に首を突っ込んでいる人は30歳までに芽が出なきゃ才能がないと理解しろ、みたいな。昔の話かもしれませんが、実際言われたわけじゃ無いのにそういう感覚妙に残っていて、「なにやってんだ、自分」みたいな気持ちって勝手につきまとってくるんです。

でもね、実はもう既にいい歳なんです。身の程を知る必要ももう無いほどに。芝居が下手くそだとか、背が小さくて普通の大人に見えないからとか…もうね、全部逃げる為の言い訳なんです。

ガッツが無くて逃げちゃう自分を認めたって事です。そして逃げたくなったら逃げたっていいよ。と思う事にもします。ただ、自分で勝手に思い込んで評価をくだして尻尾巻いて逃げるなら、素直にダメな自分を晒け出せる気持ちを持ちたいな。と思うわけです。最初は難しいんでしょうが。

カッコつけしぃの私も、怖がりで強がりの私も一旦横に置いて、新しい気持ちでスタートしたいなと思います。

長々と綴っていたら、翌日になっちゃいました。

美味しいご飯を食べ過ぎて、まだ眠れそうにありません。

こうして自分の人生を自由に生きて行けるのも、大好きな家族がみな元気でいてくれるからです。

ありがとう。

誕生日に思う事