馬から英語を教わってきました。
オーストラリアでは、馬とも英語でコミュニケーションです。
発音が悪いと,『?何いってんの?』みたいな目で
見返されてしまいます。
馬でも小学生の低学年レベルの英語を聞き取るのです。
地元の子供達の指示(もちろん英語での)をちゃんと聞き取るのです。
大体私達日本人は,子どもたちに限らず大人も馬に乗った経験が無いので
誰も得意だとか、不得意だとかの先入観を持っていません。
得てして低学年の子供のほうが、断然上達が早いのです。
英語も同じ速度で上達します。
英語をまだ習ってない小学生などのほうが、
聞き取る要領に、はやく慣れてしまうのです。
なまじっか英語を習ってないので、聞き取れなくても
当たり前という気持ちでスタートをしているからです。
早く馬に乗れるようになりたいという気持ちが
たとえわからない言葉でも、相手の表情や状況から意味を汲み取ろうと
聞き取ることに集中するのです。
全ての言葉には、必ず動作が伴いますので、
現地の人も意味が伝わってない事がわかると
手とり足取り動作で伝えてくれます。
言葉と同時に必ず動作が添えられるので、
子どもたちにも、ひとつひとつの言葉の意味を
体で理解しながら伝わって行くのです。
辞書から覚える単語とちがい
『英語はわからないけど、意味は伝わる。』と言う
不思議な現象ができるようになるのです。
これを繰り返していると、最初は通訳をしながら
スタートしたのにいつの間にか、みんな勝手に自分たちだけで
コミュニケーションを取り始めるのです。
動作を伴いながら聞くことで、意味がわかるということに
気が付き始めると
いちいち通訳してもらうのが
面倒くさく感じてくるのです。
こうなると子どもたちは、行動が変わってきます。
地元の人達と接することに躊躇しなくなるのです。
同じペースで馬にも慣れていきます。
自分の背丈以上もある馬が全く怖くなくなります。
反対に中学生以上や特に大人になるほど
英語が聞き取れない事に、不安を感じてしまい
緊張してしまうことで体が硬くなってしまうのです。
馬の習性を知り始め、馬と人間の関係性を馬がどう感じているかが
分かり始めると、どんどん自分の馬に愛着を感じるようになります。
真顔で、日本にこの馬を持って帰りたいという子供まで出てきます。
3日間あれば、子どもたちは、自分で馬の鞍をつけ
乗ったあとの馬のケアーまでをすべて自分でできるようになります。
たった3日間で、英語も乗馬も出来なかった自分から
できるようになった自分を体で感じることができるのです。
3日目には、ロングトレイルライドといって約半日かけて
自分で馬を操り、草原や森のなかをトレイルできるようになります。
最初は、自分の手元や足元しか見れなかった視線が、
馬上から数キロ先へ視点がかわり、はじめて
オーストラリアの雄大な自然や広い空までを見上げる余裕を
持てるようになると自信を持ち始めます。
これは、イマーションプログラム(Immersion Programs)と呼ばれる、
言葉を学ぶときに、言葉そのものを学ぶのではなく、
その環境の中で他のものと一緒に言葉を学ぶという学習方法です。
子どもたちの、『早く馬に乗りこなせるようになりたい!』という
欲求の中で、いつのまにか英語でコミュニケーションが取れるようになる
ということとが知らないうちに同時に進行していくのです。
学校の英語教育の中で、子供達がどんどん失っていく
自信や面白さを、うま先生たちは、