子供は直感的でストレートです。

自分が興味を持ったものには、

驚異的な能力を発揮して吸収してしまいます。


それも驚くべきスピードです。


ある時2人のお子さんのお母さんに

夕食に招かれました。


準備が整う間、子供達と居間で一緒に遊んでいました。

2人のお子さんは、元気一杯で

なにやら叫びながらソファーの上でピョンピョンはねているのです。


5歳のお兄ちゃんが跳ねるたびに

何かを叫んでいるのですが、

よく聞き取れません。




お母さんに聞いてみると、

仮面ライダーフォーゼのベルトを腰につけて

そのベルトに付いている武器の名前を言っているというのです。


それは、日本語でもなく英語のようで英語でもないのです。

和製英語を幼児言葉に翻訳したようなもの?



お兄ちゃんを落ち着かせ何と言っているのかを

改めて聞きました。


驚くことに、それぞれのベルトのパーツを

一つ一つ取りながら呼び方だけでなく

40種類ほどもある

その武器の使い方までを正確に教えてくれるのです。



驚いた私は、お母さんに

せっかく覚えるのなら、せめて発音だけでも

英語らしい発音で覚えるといいね!と言いました。



お母さんは、『そりゃそうだけど、勝手にテレビから

そのままどんどん覚えてしまうのよ!』・・・・と言うのです。



『すこし本当の英語の音を聞かせたらどうですか?』

・・・と聞くとお母さんは、

『とんでもない!私は、全くの英語オンチだから無理よ!』・・・





確かに! 文字は読めないので音から教えるとなると

お母さんがネイティブ並みの音を出せないと

教えることにはならないのです。



私は、夕食を一緒にいただきながら

この子供達が、小学生で

普通に英語でしゃべっている様子を

妄想していたのです。



もしこの子たちが、本当に小学生の頃に

普通の会話を英語で喋れていたら・・・・・。


他の子も、自転車に乗りはじめる時と

おんなじように、練習さえすれば

みんなできるようになるものなんだという

確信を持たせることができるはず!!

と感じました。



もっと楽しいと思ったのは、

学校で英語を教える先生方さえも、

子供が出来るんなら、自分もできるはずだと

思うのではないかと!・・・・・・



これだけ英語熱のたかい日本で

何年かけても、話せない英語なんてあるはずがない!


自分が振り回されてきた何十年の

苦労を思い起こしたのです。



問題は、仮面ライダーフォーゼに勝つかどうかなのです。

このためには、どうしても

お母さんの協力が必要だと思いました。



多分お母さんのパワーは、仮面ライダーよりも

強いはずです。



『仮面ライダーフォーゼを倒す方法とは!・・・・』

頭のなかで念仏のようにこの課題が

巡り始めました。


・・・・仮説『英語自転車論』・・・・・・まだ続く