今年は夏の旅を諦めた。
では、いつオートバイに乗れるのだろう。
今日は海、それとも買い物、それともオートバイ。
ヘルメット片手に部屋を飛び出した。
オートバイをガレージから引っぱり出すだけで汗が噴き出してくる。
もう8月、真夏だ。
久しぶりのライディングは少しだけ違和感をともなう。
こういうときは、慎重に慎重を重ねるに越したことはない。
ゆっくりと、16号線をィヨコスカ方面へ走り出す。
グレーのアスファルト自体が熱を発しているように感じる。
どこまでも代わり映えのしないグレーのアスファルトが続いている。
まるで、終着点を作ることを忘れてしまったみたいに。
葉山で山を眺めながら休憩する。
空気は蝉の声で覆い尽くされている。
旅の虫が疼き出してきた。
でも今年は行けない。
汗が滴る。
Red Bullが喉を通り過ぎて胃にしみた。