●曇りのち土砂降り
富山
→北陸自動車道
→小矢部砺波JCT
→東海北陸自動車道
→五箇山IC
→菅沼合掌集落
→白川郷合掌村
→高山
→木曽福島
◆木曜日午前8時
ベッドから起き上がり窓の外を眺めると、天気予報とは違い、雨は降っていなかった。連泊して電車で出かけるか、オートバイで五箇山へ行くか、まだ迷っていた。このとき雨が降っていれば間違いなく連泊していただろう。ぼんやりテレビを見ながら様子見する。でも雨は降ってこない。
◆木曜日午前9時30分
OK、合羽を着込んで出発することにする。41号線で富山ICへ向かう。遠く見える山々には黒い雲がたちこめている。これは降ると確信した。案の定、高速に入るとすぐに降り出してきた。
サービスエリアで荷物にビニールを被せる。昨日はバッグの中まで雨が染み込んでいた。小矢部戸砺波JCTで北陸自動車道から東海道北陸自動車道に入り、五箇山ICで降りる。156号線ですぐに世界遺産菅沼合掌集落に着く。世界遺産マニアであるからして、ここは外せない。
お土産を見つつ、ぜんざいを食す。もちろん赤かぶらも付いてくる。お土産はタフな紙で有名な五箇山和紙の栞と油とり紙を購入。もちろん、そばや餅も購入し配送してもらった。
約1時間見学して、次の世界遺産、白川郷へ向かう。雨が上がり、空が明るくなり始めた156号線が気持ちいい。このまま全身を乾かしてくれることを祈りながら走った。
白川郷合掌村を見学。五箇山よりも無骨でタフな印象を受けた。
萩野城跡展望台からも眺めてみる。
昼食は抜くことにして、156号線の南下を始める。今夜どこに泊まるかまだ決めていない。頭に浮かんだのは、
(1)岐阜まで南下して賑やかな夜を楽しむ
(2)郡上八幡まで南下してそこから木曽路で木曽福島へ
(3)飛騨高山経由で木曽福島へ
そろそろ静かな夜を過ごすべきだと思い、(3)にすることにする。
白川郷から360号線に入ろうとすると、夜間通行止めの看板が出ていた。車は一台も入って行かない。険しそうな予感がして360号線は諦めることにして、156号線の南下を続ける。枚戸から158号線に入り、高山へ向かうことにする。
すぐ目の前の山々に雲が引っ掛かっている。そしてバケツを引っくり返したような雨が降り出す。躯に当ると痛いくらいの雨がシールドの上を流れ出す。これくらいの雨の場合、滴をつくることはない。対向車とすれ違うたびにスチーム洗車の水を浴びせられているような水しぶきが躯を直撃する。道路の上に雨が流れ出し、オートバイごとダムに流されてしまうのではと不安になる。靴の中まで水が溜まっている。
++++++++++ ぬれた靴 ++++++++++++
昨日の夜も 去年の今頃も
似たような話をしていたかも・・・
もう あきれてしまうくらい ぼくの毎日は
だらしなく過ぎ去ってしまう
ぼくはあの夏の日から どれだけきたんだろう
たいした事もできず・・・ みんなそうおもうのかな
ぬれた靴の中が かわいてしまうまで
ガラス窓の外で 雨がやんでしまうまで
++++++++++++++++++++++++++++
木曽街道361号線でまた大雨にあう。まるで自然にアメとムチを繰り返されているようだ。
木曽大橋を右折して間もなく木曽福島に辿り付く。日暮れと同時に辿り着いた。駅前にオートバイを止め、iモードで宿を探してみるが1件もヒットしなかった・・・観光案内所も18時に閉まったようだ。思っていたよりも寂しい駅と街だ。
駅前の旅館「つたや」に飛び込む。部屋に入り、気力を取り戻すまでに何本タバコを吸ったことか。
◆木曜日午後7時30分
雨の木曽福島へ繰り出してみる。すでにほとんどの店は閉まり、歩いている人も居ない。やっと見つけた居酒屋「だんぢり」でビールを一杯、鳥の唐揚げ、焼き鳥を頂く。寒さでビールの美味さが鈍っている。汗をたっぷりかいた後のビールに勝るものはないようだ。
宿に戻り、シャワーのない合同浴場に入る。自分以外に誰もいない湯船で両手でお湯をすくい顔に浴びせる。開け放たれた窓からは冷たい空気が流れ込んでくる。
◆木曜日午後10時
部屋に戻り、布団の上に大の字になる。
そしてこう思う。
一人旅だからこそ、自然に怯え震えることができた。幾重にも重なった山々に次々と雨雲が突き刺さっていく様は圧巻だった。もしも誰かと一緒であったなら、僕らはこの光景を笑いでごまかし、すぐに記憶の彼方にしまいこんでしまっただろう。
昨日、今日で完全にハートは折れた。明日帰ろうと思う。
明日こそ合羽を着ずに走りたい。陽に当りながら走りたい。
つくづくこの国で水不足は有り得ないと感じた。
================================================
●距離:259.05Km
●給油:¥1495
●宿 :¥6300
●飲食:¥2500
●高速;¥1350
●土産;¥3810
合計¥15455
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富山
→北陸自動車道
→小矢部砺波JCT
→東海北陸自動車道
→五箇山IC
→菅沼合掌集落
→白川郷合掌村
→高山
→木曽福島
◆木曜日午前8時
ベッドから起き上がり窓の外を眺めると、天気予報とは違い、雨は降っていなかった。連泊して電車で出かけるか、オートバイで五箇山へ行くか、まだ迷っていた。このとき雨が降っていれば間違いなく連泊していただろう。ぼんやりテレビを見ながら様子見する。でも雨は降ってこない。
◆木曜日午前9時30分
OK、合羽を着込んで出発することにする。41号線で富山ICへ向かう。遠く見える山々には黒い雲がたちこめている。これは降ると確信した。案の定、高速に入るとすぐに降り出してきた。
サービスエリアで荷物にビニールを被せる。昨日はバッグの中まで雨が染み込んでいた。小矢部戸砺波JCTで北陸自動車道から東海道北陸自動車道に入り、五箇山ICで降りる。156号線ですぐに世界遺産菅沼合掌集落に着く。世界遺産マニアであるからして、ここは外せない。
お土産を見つつ、ぜんざいを食す。もちろん赤かぶらも付いてくる。お土産はタフな紙で有名な五箇山和紙の栞と油とり紙を購入。もちろん、そばや餅も購入し配送してもらった。
約1時間見学して、次の世界遺産、白川郷へ向かう。雨が上がり、空が明るくなり始めた156号線が気持ちいい。このまま全身を乾かしてくれることを祈りながら走った。
白川郷合掌村を見学。五箇山よりも無骨でタフな印象を受けた。
萩野城跡展望台からも眺めてみる。
昼食は抜くことにして、156号線の南下を始める。今夜どこに泊まるかまだ決めていない。頭に浮かんだのは、
(1)岐阜まで南下して賑やかな夜を楽しむ
(2)郡上八幡まで南下してそこから木曽路で木曽福島へ
(3)飛騨高山経由で木曽福島へ
そろそろ静かな夜を過ごすべきだと思い、(3)にすることにする。
白川郷から360号線に入ろうとすると、夜間通行止めの看板が出ていた。車は一台も入って行かない。険しそうな予感がして360号線は諦めることにして、156号線の南下を続ける。枚戸から158号線に入り、高山へ向かうことにする。
すぐ目の前の山々に雲が引っ掛かっている。そしてバケツを引っくり返したような雨が降り出す。躯に当ると痛いくらいの雨がシールドの上を流れ出す。これくらいの雨の場合、滴をつくることはない。対向車とすれ違うたびにスチーム洗車の水を浴びせられているような水しぶきが躯を直撃する。道路の上に雨が流れ出し、オートバイごとダムに流されてしまうのではと不安になる。靴の中まで水が溜まっている。
++++++++++ ぬれた靴 ++++++++++++
昨日の夜も 去年の今頃も
似たような話をしていたかも・・・
もう あきれてしまうくらい ぼくの毎日は
だらしなく過ぎ去ってしまう
ぼくはあの夏の日から どれだけきたんだろう
たいした事もできず・・・ みんなそうおもうのかな
ぬれた靴の中が かわいてしまうまで
ガラス窓の外で 雨がやんでしまうまで
++++++++++++++++++++++++++++
木曽街道361号線でまた大雨にあう。まるで自然にアメとムチを繰り返されているようだ。
木曽大橋を右折して間もなく木曽福島に辿り付く。日暮れと同時に辿り着いた。駅前にオートバイを止め、iモードで宿を探してみるが1件もヒットしなかった・・・観光案内所も18時に閉まったようだ。思っていたよりも寂しい駅と街だ。
駅前の旅館「つたや」に飛び込む。部屋に入り、気力を取り戻すまでに何本タバコを吸ったことか。
◆木曜日午後7時30分
雨の木曽福島へ繰り出してみる。すでにほとんどの店は閉まり、歩いている人も居ない。やっと見つけた居酒屋「だんぢり」でビールを一杯、鳥の唐揚げ、焼き鳥を頂く。寒さでビールの美味さが鈍っている。汗をたっぷりかいた後のビールに勝るものはないようだ。
宿に戻り、シャワーのない合同浴場に入る。自分以外に誰もいない湯船で両手でお湯をすくい顔に浴びせる。開け放たれた窓からは冷たい空気が流れ込んでくる。
◆木曜日午後10時
部屋に戻り、布団の上に大の字になる。
そしてこう思う。
一人旅だからこそ、自然に怯え震えることができた。幾重にも重なった山々に次々と雨雲が突き刺さっていく様は圧巻だった。もしも誰かと一緒であったなら、僕らはこの光景を笑いでごまかし、すぐに記憶の彼方にしまいこんでしまっただろう。
昨日、今日で完全にハートは折れた。明日帰ろうと思う。
明日こそ合羽を着ずに走りたい。陽に当りながら走りたい。
つくづくこの国で水不足は有り得ないと感じた。
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●距離:259.05Km
●給油:¥1495
●宿 :¥6300
●飲食:¥2500
●高速;¥1350
●土産;¥3810
合計¥15455
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