何を見て「紀伊半島へ行こう」と思い立ったのか、
今となってはハッキリ思い出せない。
JR構内で熊野古道のポスターを見たのかもしれないし、
別冊モーターサイクリストのツーリング記事を読んだのかもしれない。

人間の記憶とはいい加減なもので、
数日、数時間で細かなディテールは
どんどん失われていってしまう。

今、僕は、はしり書きのメモ帳と蛍光マーカーが塗られた
ツーリングマップルを開きながら、
2004年の夏に行った、紀伊半島への旅をトレースし始める。

短い期間で走りっぱなしだったことを思い出す。