オムライスのある風景2nd

オムライスのある風景2nd

Omunaoの美味しいオムライスのお店紹介とショートストーリー with トンスフォームオムZ

Amebaでブログを始めよう!

やすらぎの時間を約束する、幸福の黄色い看板






--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年6月24日、13時30分。
小田急線中央林間駅北口に降り立つ。




東林間、中央林間、南林間と、3つある小田急線の林間名の駅の中で、快速急行が停まり、かつ東急田園都市線も乗り入れている中央林間駅は、最も一日の乗降客が多い駅だ。
Wikipediaによると、2021年の平均乗降客数は東林間:18,097人、中央林間:80,446人、南林間:27,318人となっている。




閑話休題。
この日の目的地は、駅から徒歩3分のところにある、黄色い看板
上り線の改札を抜けて左に曲がり、その先を斜め左に折れて真っすぐ進むと、ほどなくして到着。
ちなみに、南口から行っても歩く距離は同じくらい。




1階が黄色い看板で、2階はダンス教室。




入口には音楽イベントの案内が。
そう、この店では、告知された土曜日のディナータイムに生演奏を聴きながら食事を楽しめる。

さっそくドアを開けて入店。




足を踏み入れるなり、都会の喧騒を忘れさせる素敵な演出が出迎えてくれる。

いいねえ。

人間味のある手作り感に、早くも安らぎを覚える。




ランチタイム終了まであと30分弱の店内に、先客は3組5名。
4人掛け6卓と2人掛け2卓の28席が、ゆったり目に配置されている。




オムライスを注文し、中央の席に腰を落ち着ける。

ちょっと照度を落とした灯りに照らされたお洒落な空間。
そこに流れるのは、オールディーズのやさしく楽しい調べ。
これはもう、超リラックスした時間が保証されたようなもの。
なんだか、コップと水までもが癒しのためのアイテムに思えてくる。




サラダはバイキング形式でおかわり自由。
時間帯のせいか、この日チョイスできたのは、レタス、大根ミックス、オニオンスライス。
ドレッシングは、胡麻、トマト、シーザー、和風の4種類。

バターの効いたスープは、芳醇で味わい深い。




ほどなくしてオムライスが運ばれてきた。
おー、きれい!




付け合わせの野菜がタマゴとソースにマッチして、この空間にピッタリの色合いと美しさを醸し出している。




もう、見ているだけで癒され、幸せな気持ちになれる。




では、いただきま~す!




おいしい!!!

ソース、うんうん、コクがハンパない。
タマゴ、うんうん、ふわとろでまろやか。
色鮮やかなオレンジのケチャップライス、うんうん、ちょっと甘めでもちもち。
イントロからさびまで、各々の異なる味と食感が口の中で溶け合い、絶妙なハーモニーを奏でてくれる。




ゆったりと落ち着ける店の雰囲気も楽しみつつ完食。
ボリュームもけっこうあり、おなかいっぱい。
しばし、店内に置かれた楽器に目をやりつつ食後の余韻に浸る。

夜は予約制の黄色い看板がランチを始めたのは2年ほど前。
この雰囲気と料理をお昼に楽しめるのはとてもうれしい。
ところで、店名の由来だけど、オーナーが看板を黄色と決めていて、だったら名前もそれでいいじゃんと付けられたとのこと。
覚えやすいし、看板を一回見たら決して忘れることはない。
今度は夜に訪問し、生演奏やお酒と一緒に食事を楽しみたいな。
飲み放題つきのコースもあるし、パーティーもできそう!

妄想が膨らむ中、お礼を述べて店を後にする。

幸福の黄色いハンカチならぬ、幸福の黄色い看板。

"ビールが美味しい季節だよね。疲れも吹っ飛ぶし!"

歩道を駆け抜ける夏色を帯びた風が、やさしく微笑む。


 

 

美味佳肴、上星川駅前の万能役者





--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年6月17日、13時30分。
相鉄線上星川駅北口に降り立つ。




この駅のバスは、奥にある停車場からバックで乗り場に向かう。
ピピー、ピピー。
駅前の狭いロータリーに、バス誘導員が吹く笛の音が響く。
なんだか懐かしい光景だ。
子どもの頃はよく見たバスの誘導も、路線バスではあまり見かけなくなってきた。




乗り場に誘導されたバスは、発車時刻になると、小さな巣から飛び立つ鳥のように国道16号線へと羽ばたいていく。




さて、この日の目的地は、駅前にある、グリル小竹
バスロータリーに面したところにあり、「玄関開けたら2分でご飯」ならぬ、「改札抜けたら2分でご飯」の感覚。




オムライスを注文し、奥のテーブル席に陣取る。

カウンター4席を含む全25席の店内に、先客は6名。
夏日になったせいか、半数の方は冷やし中華を食していらっしゃる。

ん? なんか張り紙が…。




この日の夜は貸し切りとの案内。
へー、貸し切りもできるのかあ。
それにしても、きれいな字だなあ。




そうこうしているうちにオムライスが到着!
うん、おいしそう!!




もうちょっと寄ってみようか。




いいねえ!
最高じゃん、このタマゴのカンジ!!




では、先ずは中華スープをひとくち。

なるほど。
色合いから想像できる通り、醤油味が強めの濃厚な味わい。
オムライスとのバランスはどうかな?




続いてオムライス。
では、いただきま~す!!




おー!
ゴロゴロとチキンが入ったあつあつのご飯は、デミグラスソースが効いているではないか!

しかも、決して味を主張するわけではなく、タマゴ、ケチャップとのバランスが絶妙。
当然、昔ながらのオムライスにありがちな、濃い目のケチャップライスとケチャップのダブり感もまったくない。
醤油の効いた中華スープ、それに、オムライスの脇に添えられた福神漬けとの組み合わせもピッタリ!
そこに、定食屋でも町中華でもなく、「グリル」と命名されている所以を感じる。




ひと口ひと口、味わいながら完食。
食後の余韻に浸りながら店内を眺める。

ん? オリジナル焼酎?




製造元を見ると、熊本県にある「房の霧」の名が。

この酒蔵は1907年(明治40年)の創業で、ホームページを見ると、3つのこだわりが掲載されている。
その3つは、「貯蔵」「原料」「品質」。
どれも、決しておろそかにしてはいけない大切なこだわりだと思う。
そして、こういう酒蔵と提携して宴を用意してくれることに、グリル小竹が愛される理由を垣間見ることができる。




今のご主人が先代から店を引き継いで30年、都合56年の歴史を誇るグリル小竹。
「いつまでできますかねえ」
年輪の刻まれた目が微笑む。

「貸し切りもできるんですか?」
「いや、めったにやらないですけど、今日はお世話になっている方の還暦祝いで」

そんな会話をご主人と交わし、お礼を述べて店を出る。

ピピー、ピピー。
駅前ロータリーに笛の音が響く。
その音が、店に入る前より、こころなしかやさしい音色に聞こえる。

同時に、先客が会計を済ませるときの言葉が脳裏によみがえる。

「ごちそうさま、今日は夜に来なくてよかったよ。ご飯にありつけなくなっちゃう」

「おいしかった。はい、10万円。ハハハ千円。もっと食べた方がよかったかな」

笛の音の中、夏色をまとった風が、
"グリル小竹のない上星川なんて考えられないよね"
そうつぶやきながらボクの横を通り過ぎる。

その通り。

未来

希望

つながり
ぬくもり
まごころ

心より、世界が平和であることを祈る。


 

 

ガンバるみんなをやさしく包む、アットホームな時空間





--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年6月11日。
相鉄線西横浜駅のホームに降り立つ。
横浜駅から2つ目の各駅停車のみがとまる小さな駅で、隣を東海道線が並行して走っており、高校の頃は毎日この駅を横目に通学していた。




改札を抜け目的の店へと向かう。




駅から歩くこと5分ほど。
国道1号線沿いにその店はある。




この日の訪問先は、<span style="color:#0000FF"><span style="font-size:x-large;"><strong>おきらく食堂 陽喜亭</strong></span></span>




「安くて美味しい!!」の看板に心意気を感じつつドアを開ける。




魅力的なランチメニューが並ぶ中、オムライスビーフハヤシソースを注文。




2人掛け、4人掛けのテーブル席が各2つと、カウンター席4席、合計16席の店内。
昼の部のラストオーダー間近ということもあってか、先客は女性が1名のみ。




落ち着いた雰囲気の店内の風景を楽しみつつ、出来上がりを待つ。




ほどなくして、サラダ付きのオムライスが運ばれてきた。

おー、美しい!!




いやあ、絵になるし、めっちゃおいしそう!





ビーフハヤシととろとろタマゴの素敵な共演に、わが身は完全にパブロフの犬状態。




はやる気をおさえ、先ずはサラダから。




うん、おいしい!
シャキシャキの野菜の旨味を、甘みと酸味のバランスがとれたドレッシングが引き立てている。
値段は安いけど、味は本格派。
いよいよ、オムライスへの期待が高まる。

では、いただきま~す!




わあ、食べやすい!
チキンがたっぷり入ったライスに、タマゴとソースが、三位一体となって絡み合う。
どれかが際立った主張をするわけではない。
各々が各々を支えて奏でる、「コク」のハーモニー。
この絡み合いこそが、洋食屋さんのオムライスの醍醐味のひとつ。

この味はお酒にも合う。
ワイン?
いや、なんだかライトなビールが飲みたくなってきた。

そんな気持ちをコーヒーでおさえつつ、完食。
満足を胸に、マスターにお礼を述べて店を後にする。




国道1号線と16号線が交わる浜松町の交差点。
そんな、多くのクルマが行き交う交通の要所付近に店を構える「おきらく食堂 陽喜亭」。
しかし、多くの人が入れるわけでも、駐車場があるわけでもない。

「この付近はワンルームが多いんですよ。なので、そういった方が家の感覚で気楽に食べに来れるようにと」
帰り際に「おきらく食堂」の由来をうかがったときの、マスターの笑顔が空に浮かぶ。

「食材や光熱費も値上がって大変ですよね」
「なんとかやっていければ、それでいいって思ってます。そんなにいいものは使えませんけど、おいしいものを安く…」

そう言えば、先客の女性が帰るとき、二言三言言葉を交わしたマスターが、「いってらっしゃい」って大きな声をかけていたっけ。

「いってきます!」
「いってらっしゃい!」

「ただいま!」
「おかえり!」

疲れも、嫌なことも、つらいことも、全部吹き飛ばしてくれる魔法の言葉。

そして、その言葉に満ちあふれる、アットホームな時空間「おきがる食堂 陽喜亭」。

さあ、おきがるに、今日もガンバるか!


 

 

湘南台の発展を見守る笑顔 その2
 

 



--------------------------------------------------------------------------------------------

2023年5月27日、13時10分。
5月最後の週末。
前回に続き、湘南台の老舗を訪問。

湘南台駅西口より目的の店へと向かう。




穏やかな陽光が降り注ぐ円行公園。




新緑に包まれる引地川。




引地川、COOPを越え、その先の交差点を左折。
爽やかな風を浴びながら、駅から10分ほどでその店が道路の左側にお目見えする。




この日の訪問先は、<span style="color:#0000FF"><span style="font-size:x-large;"><strong>楽養軒</strong></span></span>
13時20分、ドアを開け入店。




フロアに4人掛けのテーブル席が2つと、小上りに4人掛けのテーブル席が3つ。
つごう20席の店内に先客はいない。
入口付近の席に陣取り、メニューを確認しつつ奥様にオムライスを注文。




町中華お決まりの位置である角に設置されたテレビに映し出されているのは、フジテレビの「有吉くんの正直さんぽ」。
そして、厨房から聞こえてくる中華鍋でご飯を炒める音。
昼下がりの平和な空間に、ゆったりとした時間が流れる。




なぜか落ち着くなあ。
そんなことを思わせてくれる理由のひとつがこれだと思う。




壁のメニューに添えられた吹き出しの言葉が、ほっこりとさせてくれる。
無機質になりがちなメニューの文字の羅列に、息吹を吹き込んでくれているように思える。

そうこうしているうちにオムライスが到着!

「オムライスの写真撮っていいですか?」と奥様に問いかけると、
「あ、いいですよ、何枚でも! いやだあ、先に言ってくれたらもっと上手に作ったのに」
屈託のない笑顔が返ってきた。
気さくさが、思い切り心地よい。




いやいや、なんときれいなオムライス!
せん切りキャベツとの組み合わせもピッタリ。




加えて、たまごの焼き加減もいいあんばい!




では、いただきま~す!




うん、おいしい!!!!!
あつあつのチキンライスの具材は玉ネギとゴロっとしたチキン。
タマゴは厚みがあり食べ応え充分。
スープはわりと濃いめの味つけで、ラーメンが食べたくなってくる。




さすが、永年に渡って人々を魅了してきた老舗。
その歴史を感じつつ完食!
しばし、食後の余韻に浸る。




楽養軒がこの地に誕生してから、今年で53年目。
かつて、隣駅の長後駅の商店街にあった楽養軒にその名をいただいたとのこと。

「サンマーメンは長後の楽養軒の味を受け継いでいるのよ」
昔を懐かしんでいるような目で、そう言う奥様。
「湘南台もですけど、長後も変わっちゃいましたからねえ。ユニーもなくなっちゃったし」
「そうねえ。この店も子供の代になって」

なるほど。
2016年に楽養軒のTwitterを立ち上げたのはお子様なのかな?

楽=楽しい、気持ちがいい。
養=食事。食事をとって体力をつける。
軒=店。

気持ちよく楽しく食事をとって英気を養える店、楽養軒。

世代が変わることには一抹の寂しさを感じるが、引き継ぎ手がいるというのは素晴らしいこと。
ぜひ、この地で、この味を、そしてこの癒しを、提供し続けてほしい。


 

 

湘南台の発展を見守る笑顔 その1





--------------------------------------------------------------------------------------------


ぺピタライオン。
ココペリ。
食の味彩。
そして、今はなきアローム。

湘南台駅の近くにあるお店の記事はいろいろと書いてきた。
これらの店は魅力的だし、大好きだ。
それは間違いない。

しかし、駅からちょっと離れたところにも素敵な店がある。
駅の近くでないとなかなか足を運べない。
そんな立地で永年営んでいる老舗こそ、みんなに愛され続けていることの証。
これから2回に渡って、そんな店の訪問記を記す。

5月20日。
13時10分。
湘南台駅西口より目的の店へと向かう。




この日の目的の店は、三幸食堂
交差点を渡り、藤沢が誇る老舗「古久屋の餃子直売所」と、ジンギスカン屋さんリニューアルした「らーめん家ふじ沢」の間の道を進む。




ん?
何だ、あれ?
駐車場に鎮座する不思議で興味深い乗り物。
の、乗りたい……。




奇妙な乗り物に後ろ髪を惹かれつつ、目的の店に到着!




13時20分。
駅から歩くこと10分、三幸食堂のドアを開け入店。

小上りの4名席がふたつと、4名、5名のテーブル席が各ひとつ。
合計17席ほどの店内に先客は小上りの2名。
そんな中、奥様の案内に従い5名席の一角に陣取り、オムライスと餃子を注文。

ゆったりと過ごす土曜日の昼下がりに、中華鍋を振るうリズミカルな音色がこだまする。




ほどなくして、湯気に包まれたオムライスと中華スープが登場!
うわああ、美味しそう……。




もっと寄ってみよう!




これぞ町中華のオムライス!!




あっさり醤油味のスープ。




先ずは餃子から食べてみよう。

あ、やばっ!
辣油を入れ過ぎた!!




でも、辣油は好きなのでOK!

では、ひと口。

おー!
ジューシーでニンニクたっぷり!!
食べているそばから体中にエネルギーが湧いてくるカンジ。
この店の餃子が人気というのもうなずける。




続いて、いよいよオムライス。
いただきま~す!




うん、おいしい!!!!!
アツアツのケチャップライスの中はひき肉とタマネギ。
ひき肉の脂がご飯に溶け込む大好きな組み合わせということもあり、自然と笑みがこぼれる。
餃子と言いオムライスと言い、多くのお客様に満足と満腹を提供し続けてきた味をしっかりと堪能。
最後にコップの水を飲み干し完食。
ごちそうさまでした!




しばし余韻に浸ったのち、お礼を述べて店を出る。
入れ違いに、佐川急便のお兄さんが店内に。
お仕事、ごくろうさま!

外は抜けるような青空。
五月晴れと呼べる季節もあとわずか。




湘南台駅が開業したのは1966年(昭和41年)。
展望のよい台地にあり、新しい住宅地としてふさわしいとして「湘南台」と名付けられた。
また、開業当時の駅近辺の町名は円行であったが、1984年(昭和59年)に駅名に合わせ湘南台に変更された。
(駅近辺のみの町名変更で、円行の町名はまだ存続している)

三幸食堂が開店してから50年以上の月日が経つ。
かつて、三幸食堂の周辺は農地が多かったが、今ではその跡形もなく住宅地が広がっている。
なので、湘南台の歴史そのものでもあり湘南台の発展を見守ってきた店とも言える。

三幸、それは海の幸・野の幸・山の幸の3つの食べ物の幸。
そしてそれは、お客様・従業員・取引先の3つの幸。

海があって、野があって、山があって、幸がある。
食材を供給する人がいて、作る人がいて、食べる人がいて、幸がある。

三幸食堂を訪れて、自然の恵みに支えられていること、人と人が支えあっていることを、改めて実感。

どれひとつ欠けてはならない大切なものが作り出す大きな大きなトライアングルが、湘南台の青空に光り輝く。

 

道一筋、東林間の地に宿る心意気





--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年5月13日、14時。
小田急線東林間駅東口に降り立つ。




この日の目的地は、駅前から続くシャンテ大通り沿いにある、中華料理 松楽




一直線の道を進み、5分ほどで到着。




松楽は東林間で40年以上営まれている老舗だが、割と最近移転してきたので、店舗兼住宅の建物は新しくてきれいだ。




14時5分、入店。
4人掛けのテーブル席が3つとカウンター6席の店内には、先客が2名。




オムライスを注文し、出来上がりを待つ。




角に置かれたテレビのチャンネルは、土曜日の中央競馬中継に合わされている。
平日の多忙を忘れ娯楽に興じることができる、平和な休日の午後のひととき。
厨房でご主人が中華鍋を振るう音が、より一層ここちよく耳に溶け入る。

辺りを見回す。
壁には、阪神タイガースのカレンダーが。




阪神ファンなんだね、なんて思っていたら、

おー!!

岡田監督のサインだあ!!!




そうこうしているうちにオムライスが出来上がり運ばれてきた。
いやあ、おいしそー!




美しく巻かれたオムライス。
大きさもちょうどいい。




ほら、きれい!




中華スープもザクザクのネギたっぷりでおいしそう!




では、いただきま~す!




うわあ!
タマネギとチキンがゴロゴロ。
なんという贅沢。
アツアツのケチャップライスとともにしっかりと炒められていて、香ばしさにあふれている。
町中華のオムライスは数々あれど、こういったそれぞれの店の特徴や違いが面白い。

そのおいしさに夢中になっているうちに、あっという間に完食。
やっぱり、永年にわたってその道を生業としている方の逸品はこころに響く。

「おいしかったです。またお願いします!」
「ありがとうございます」
いつの間にかテレビのチャンネルがプロ野球中継に変わった店内でしばし余韻に浸ったのち、奥様と言葉を交わし店を出る。




ご夫婦で営まれている松楽は、世田谷区の東松原で産声を上げた。
その後、東林間に移られ、前の場所で30年、今の場所で13年、その味を守り続けている。

「東松原にずっといたらどうなってたんでしょうね」
帰り際の奥様の笑顔が、脳裏を過ぎる。

どうなのだろうか。
それはわからないが、東林間という地を選び、その地で歩みを止めることなくやってきたということは、ぶれることなく我が道を歩んできたということに他ならない。

岡田監督の色紙にある「道一筋」。
それはまさに、松楽にもピタリと当てはまる言葉だ。

一直線に続くシャンテ大通り。
そして、その沿線にあって、小さいながらも確実な存在感を示す松楽。
道と店が相まって、東林間の街には欠かすことのできない唯一無二の「道一筋」をつくり出している。

曇天の雲間から降りてきた5月の柔らかい風が、シャンテ大通りを駆け抜け松楽を包み込む。
東林間に松楽あり。
いつまでも、東林間で輝いていてほしい。


 

 

仕事に旅路に会食に、うまいもん通りの万能役者





--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年5月3日。
朝日が眩い、早朝のJR藤沢駅。
ゴールデンウィークを利用して名古屋へと向かう。




新幹線の指定席は取れず。
ならば、旅路をのんびり楽しもうと、在来線を乗り継いで行くことにした。




この日は文字通りの五月晴れ。
西湘の光輝く海。
荘厳にして美麗な富士の嶺。
そして気がついたのは、三河三谷から蒲郡にかけた沿線が、海と街が融合していい雰囲気を醸し出しているということ。

幸いにして、全線座れ、乗り継ぎも順調で予定通りの時間に名古屋に到着。

しばし駅構内を物色したのち、さっそく昼食をと駅に隣接している「うまいもん通り広小路口」へと足を運ぶ。
目的の店は、洋食家ロンシャン JR名古屋駅店





ロンシャンは名古屋市東区東桜に本店がある洋食屋で、創業は店のロゴにもある1979年。
今年で44年目を迎えた老舗だ。

サンプルケースのオムライスと揚げ物が、「はよいりゃあせ」と呼んでいる。




時間は11時20分。
席数は40ほどあるが、すでに列ができている状態で10分ほど待って入店。
昔ながらのオムライスにカニコロがついた「オムコロセット」を注文し、出来上がりを待つ。
待っている間に周りのお客さんの様子をうかがったが、「エビフライ付きとろとろオムライスセット」が人気のようだ。
そうかあ、名古屋だから、やっぱりエビフリャーかあ!




なんてことを思っているうちにオムライスが運ばれてきた。
満員にもかかわらず、早い!
ひっきりなしにお客さんが訪れるこの店にとっては、これが当たり前のスピードなのだろう。




きれいなフォルムのオムライスに、サラダと味噌汁。
とろとろオムライスの場合は味噌汁ではなくスープがついてくる。




では、きれいなオムライスにさらに接近!




いいねえ!
では、いただきま~す!!




前日の「ふたみ」に続く「オムコロ」。
比較するわけではないが、その違いも面白い。
「ふたみ」の甘さの効いたやさしい味に対して、こちらはコクのある味わい。
中のケチャップライスはややスパイシー(ほのかにカレーっぽい)。
このスパイシーさが後を引き、知らず知らずのうちにその味に引き込まれて行く。
カニコロは小さいながら、さくさくの衣とジュワ―っと口の中に広がるクリームがあいまって、しっかりとした食べ応えをつくり出している。




ひと口ひと口味わいながら完食!
ボリュームもあり、5時間電車に乗り続けた体に満タンのエネルギーが注入される。

おなかとこころが満たされたところで駅周辺を散策。

おもしろいなあと思ったのがこちら。
1969年(昭和44年)にオープンした、柳橋中央市場マルナカ食品センター。
業務用卸売市場として食のプロ集団が君臨するこの場所には約60もの店があり、新鮮な食品の購入だけではなく食事もできる。

通路に並ぶテーブル席で、昼間からビールを片手に談笑する多くのお客さん。
そんな活気に満ちあふれている光景を見ていると、自然と笑みがこぼれる。




続いては高層ビル群。
下の写真の左と真ん中は中部地方で一番高いビルであるトヨタ自動車のミッドランドスクエア(ミッドランドは中部地方の意味)。
右は1965年に初代が建設され2015年にそれを引き継ぐ2代目が建設された大名古屋ビルヂング。




ミッドランドスクエアから見る街並。




こちらはJRセントラルタワーズ。




楽しいひとときを満喫し、夕方の新幹線で帰路に就く。
車内で心残りだったエビフライを食べようと、お弁当で「みそかつ えびヒレ重」を購入。




コロナ渦で足が遠のき、久しぶりに訪れた名古屋。
いや、愛知県。
いや、愛を知る県。

いとこが三重県に住んでるために小学6年生から毎年来ていたこの地は、ボクにとっては第二の故郷のようなもの。
食べ物もおいしいし、信長、秀吉、家康を生んだ日本の中心地(日本の「へそ」だと思う)。

「世界の中心で、愛をさけぶ」ならぬ、「日本の中心で、愛を知る」。

つながり
ぬくもり
まごころ

未来

希望

さあ、愛を知る県にパワーをもらい、明日に向かって駈け出そう!

追伸

「愛を知る県」であり、漢文的に言うと「知を愛する県」かもしれない。
愛知に行くと、知力も上がるかな?

まあ、「愛知」の名は、年魚市方(あゆちがた)という現在の名古屋近辺がかつて干潟だったときの名称に由来しているというのが実際のところらしいが…。


 

 

ふたみからおおの屋へ、そして、ふたみからふたみへ

 

 




--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年5月2日、11時25分。
JR逗子駅東口に降り立つ。




まさしく五月晴れの駅前ロータリー。
「どう、最高だよね!」
笑顔でそう言いながら過ぎ去る風の、なんと心地よいことか。




心なしか足早になる自分がいる。
そんなはやる気持ちを抑えつつ、目的地へと向かう。

「大丈夫、あわてるな」
「あわてるな? だって、あそこに行くんだぜ!」
自分の中で、ふたりの自分が押し問答を繰り広げる。

なぜならば…。

日比谷のふたみからおおの屋へ。
日比谷のふたみから逗子のふたみへ。
伝統の伝播と伝承。

そう、この日の目的地は、日比谷のふたみから心のバトンを受け取った、洋食ふたみ

駅から続く逗子銀座通り通りを歩き、銀座通り入口の交差点を左折してしばらくしてその店が姿を現す。
燦然と輝くオムライスがひときわ目を引く店構え。




ほら、横にも!




11時35分、入店。
20席ほどの店内の一番入口よりのテーブル席に陣取り、オムライスとカニクリームコロッケのセットを注文。
次々とお客さんが来て、あっという間にほぼ満席になるのに圧倒されつつ出来上がりを待つ。




更に驚いたことに、注文のほとんどがオムライス。
海老フライセットとカニクリームコロッケのセットが人気を二分しているカンジ。
また、テイクアウトもやっていて、そのお客さまもひっきりなしに訪れる。
うん、間違いなく人気店だと実感。

そうこうしているうちにオムライスが到着!


 

正確に言うと、スープは先に来ていて、一杯おかわりできるのでこれが二杯目。
このコンソメスープがほっとする(Hotする)味で、胃袋の導火線にしっかりと火をつけてくれる。
それにしても、ビジュアル的にも、たぶん栄養的にも、いろいろな意味でなんというバランスの良さ。




では、先ずサラダから。




うん、シャキシャキの野菜に酸味の効いたフレンチドレッシング。
どことなく、おおの屋のサラダに似ている。

続いてはカニクリームコロッケ。
こちらは自家製マヨネーズでいただく。




うん、おいしい!!
衣はさくさくで、中はホクホク。
自家製マヨネーズは、酸味と甘みがいいあんばい。

あ!

ここで気が付いた。
おおの屋のオムライス弁当のサラダにパセリが入っていたわけ。

ほら、カニクリームコロッケの横にパセリが!

だとしたら、もしかして、おおの屋のオムライスにカニクリームコロッケか海老フライをつけてみたらどうだろう。
値段が上がっちゃし調理が面倒になるからダメかな?

能書きはさておき、いよいよ本丸のオムライス!




では、いただきま~す!

うわっ!
なんというタマゴの厚さ。
スプーンがはじかれる!

ぐさっ!!!!!




ようやく中がお目見え

おー、いいね!!!
タマゴの焼き具合や厚さは違えど、オムライスもおおの屋に似てやさしく、万人に受け入れられる味。
ほどよい甘みのケチャップと主張しないチキンライスが厚いタマゴによく合っている。
大半のお客さんがオムライスを注文するのも納得。

それと、先ほど述べた「バランスの良さ」は、味覚的にも発揮されている。
酸味の効いたドレッシングのサラダ。
酸味と甘みがいいあんばいの自家製マヨネーズのカニクリームコロッケ。
甘めのケチャップのやさしいオムライス。

至福の時間は過ぎゆき、完食。
食後のコーヒーを楽しみながらレジカウンターの方へ目をやる。

ん?
写真が飾られている。




この写真は何ですか?
オーナーに尋ねる。

「近所の中学の給食が出なかったときに、お弁当を作ってあげてたんですよ。その感謝の気持ちを届けてくれたんです」




おおの屋は小学生。
ふたみは中学生。
感動的な写真にほっこりしながら、お礼を述べて店を出る。
せっかくなので、すぐそばの逗子海岸を散策。

どこまでも続く、海と空の青、蒼、碧。




この日の逗子海岸は、4月28日~5月7日開催の「逗子海岸映画祭」目当てのお客さんで長蛇の列。
そんな列を見ながら、ふと思い出す。
そういえば、学生時代に昼夜を問わず友だちと逗子海岸でよく遊んでたなあ…。

みんな元気かなあ。
学生の頃にふたみはなかったからなあ。

もう一度みんなで集まって、逗子海岸で遊んで、夜はふたみでビールかワインを傾けてみたい。
きっと楽しいだろうなあ。

ふたみの雰囲気と逗子海岸が相まって、過去、現在、未来が交錯する。

この平和な世界で、いつまでも海を眺めていたい。
そんなことを思う、さわやかな海風と潮騒がここちよい5月の昼下がり。


 

 

山手駅前に宿るやまとの心





--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年4月28日。
おおの屋さんのお弁当に舌鼓を打った後は、山手駅前に戻り、駅から続く商店街を散策。




駅前から本牧通りまで、600メートルほど一直線に続く大和町通り。




おー!
フードセンター!!

子どものころ、近所にも「フードセンター」の名の店があった。
たぶん、昭和40年代にはいろいろな街にあったのだと思う。

今でもあるんだあ。
さすが、昭和の香りが残る山手駅周辺。




ん?
オシャレな床屋さん。
この街も令和色に変わって行くのかなあ…。




いやいや、そうでもないようだ。




そうこうしているうちに、通り沿いにある次の目的地に到着!
目的の店の名は、やまて食堂
ご夫婦で営まれている、55年の歴史を誇る老舗だ。




いいねえ、このサンプルケース。

オムライス、650円!
やすっ!!




11時の開店と同時に入店。
17席(テーブル席:5人掛け×1、4人掛け×2、カウンター4席)のこじんまりとした店の奥の席に陣取り、フロアの奥様にオムライスを注文。
ぼんやりと店内を眺めながら出来上がりを待つ。




ご飯を炒め、そしてたまごを焼く小気味よい音の中、柔らかい日差しが穏やかな店内の風景をつくり出す。




ほどなくしてオムライスが運ばれてきた。
おっ、福神漬けがいいカンジ。




それにしても、めっちゃきれい!!
まるで絵に描いたような色と形。




いいねえ、このたまごの焼き具合!!!!!




では、いただきま~す!




はふはふ。
よく炒められたアツアツのケチャップライスがおいしい!
中の具材はタマネギと薄いハムの組み合わせ。
それぞれの具材の食感と味を楽しむのではなく、ご飯にしっかりと融合し一体感を出している。

決して高級ではない。
いたってシンプル。
誰でもが作れそうで、でも、その中にプロ技が光っている。
これぞ「食堂」の名にふさわしい、イタリアンでもフレンチでもない、ザ・日本の洋食。

そんな風に、「日本」を感じつつ完食。
しばし食後の余韻に浸る。
開け放たれた窓からの風がここちよい。




「ごちそうさまでした!美味しかったです!!」
ご主人と奥様にお礼を述べて店を出る。

「やまて食堂」の所在地は、「横浜市中区大和町」。
江戸時代末期から明治にかけて、この一帯には軍の射撃訓練場があった。
その後、関内で日本初のワイシャツ専門店「大和屋シャツ店」を創業した石川清右衛門が、1910年(明治43年)に射撃場跡地の払い下げを受け、工場や従業員の住宅などを建てて一帯を開発。
「大和町」の名は、この「大和屋シャツ店」に由来している。

「山手」というと、港の見える丘公園や横浜外国人墓地など、異国情緒豊かなイメージが強いが、それは山手駅の北にある、というより石川町駅のすぐ隣にある「山手町」のこと。

ちょっと複雑だけど、根岸線開業時の駅名として、今の石川町駅は山手町駅、今の山手駅は大和町駅として計画されていたものが、石川町付近の住民の反対により変更されたとのこと。

だから、山手駅周辺は、「やまて」ではなく「やまと」。

日本の洋食を強く感じさせてくれた「やまて食堂」。
そこはもしかして、「やまと食堂」なのかもしれない。

大和町フードセンター。
日の丸理容院。
そして、ザ・日本の洋食屋さん、やまて(やまと)食堂。

異国情緒豊かな「山手町」。
「山手駅」のある「やまと町」。
そこは非なる町。

確かな「やまとの言霊」が、大和町を包み込む。

異国情緒の次はやまとの心。
横浜観光で山手町を訪れた帰りには、大和町まで足を延ばしてみてはいかがだろうか。


 

 

森光子さんが愛したオムライス




--------------------------------------------------------------------------------------------


2023年4月28日。
この日は、小高い丘のハマ風を感じようと、JR根岸線の山手駅周辺を散策。

午前8時50分、通勤ラッシュの電車から解放され、山手駅前に降り立つ。




駅から東へと歩を進め、本牧通りへと向かう。
15分ほどで、本牧通り沿いにある商店街の「本郷町商栄会」の朱と黄色のテントがお目見え。




昔ながらの商店街の風景が広がる。




目的の店は、その更に先の商店街「本牧リボンファンストリート」にある、おおの屋

見晴トンネル入口南側の交差点を通過し、おおの屋に到着。




入口の目立つ位置には、「森光子さんが愛したオムライス」の看板が置かれている。
なぜ森光子さん?
それは後述するとして、先ずは入店。




時刻は午前9時過ぎ。
おいしそうな惣菜が、ずらりと並ぶ店内。
先客はいない。




「この時間もオムライスできます?」
「はい、できますよ。お召し上がりですか? お持ち帰りですか?」
「えーと、持ち帰りでお願いします」
店内でも食べられるのだが、遠足気分で外で食べようと持ち帰りを選択。

「どうぞお掛けなさってください」

そんなやりとりを店のおかあさまと交わし、カウンター席で出来上がりを待つ。




壁には、子どもたちの写真や、その子たちが描いた絵が飾られている。
伺うと、お店を手伝いに来てくれた子どもたちのものとのこと。
人情あふれる雰囲気に、なんだかほっとする。




「おまたせしました」
しばらくして、容器に入ったオムライスがボクに手渡される。

お礼を述べ店を後にする。

さて、どこで食べようか…。
向かった先は、駅のそばの丘の上にある公園。




眩い陽光と爽やかな風の中、お弁当のふたを開ける。




おー、おいしそう!!!
オムライスの脇を固めるレタス、パセリ、トマトといったサラダに漬物が、食事としても彩としても、いい感じで調和している。




トロトロのたまごもいいね!




では、いっただきま~す!




うわっ!
やさしい味!

手づくり惣菜屋さんのオムライスらしく、タマネギ、鶏肉に加えてニンジンの入ったチキンライス。
甘めの味つけがとてもほっこりしていて、妙にやさしく感じる。
老若男女を問わず、万人に受け入れられる味。

「オムライスが一番出ますね」
店で聞いたおかあさまの言葉に納得しながら完食。
しばし、公園で余韻に浸る。




おおの屋の創業は1923年(大正12年)。
なので今年は100周年。
まさに、ハマが誇る老舗中の老舗。

ところで、森光子さんが愛したオムライスとは?

きっかけは「おおの屋」が今の地に移転するときのこと。
日比谷のレストラン「ふたみ」でシェフを務めた滝川孝夫さんとの出会いを果たす。
滝川さんは若いころを本牧ですごし、人通りが少なくなった街を活性化させるお手伝いがしたいと考えていた。
そこで「おおの屋」に、オムライスの販売を提案。
この滝川さん直伝のオムライスは、「ふたみ」に足繁く通われた森光子さんが好んで注文されていたものなのだ。

確かな腕と歴史に育まれたオムライス。
だから、ファンも多い。

ちなみに2007年にビルの建て替えに伴い閉店した「ふたみ」は、滝川健二さんがその魂を受け継ぎ、2012年より逗子で営業されている。

ふたみからおおの屋へ。
ふたみからふたみへ。

永遠の連鎖が、未来への架け橋を渡る。