弁膜症と言われたら・・ | cardioのブログ

cardioのブログ

大学院生でもあり、専門医を持つ医者でもある、そんな人って何をしているのだろう・・・そんなブログ。

携帯を操作しながら自転車に乗ってる人が大嫌いです。

唐突です。本文とは関係なし。


で、本題です。

外来をやっていて、運動するように話をすると、私は弁膜症があると言われて・・と、

いう人がよくいます。

弁膜症を簡単にいえば、心臓にある4つの弁(僧帽弁・三尖弁・大動脈弁・肺動脈弁)のいずれかが、

締りが悪くて逆流する、もしくは、開きが悪くて狭窄する、ことです。

肺動脈弁が問題になることはほとんどなく、他の3つの弁の逆流or狭窄です。


今日は年齢による変化について、スポットをあてます。

まず、僧帽弁逆流、(大動脈弁逆流)、三尖弁逆流のごく軽度なものは、60歳を過ぎると、

多くの人にあります!

今は超音波の機械の精度がかなり、いいですから、見えちゃうわけです。

ところが、それを弁膜症と、いかにも心臓の病気があるように言う医者も多いです。

たぶん、それが加齢性のものか、本当に病気による逆流か、分からないのだと思います。

でも、軽度の逆流は、運動を含めた普段の生活において問題になることはありません。

それをちゃんと言ってほしい!


そして、それをずっと真に受けて、運動して息切れがしたり、倦怠感があるのは心臓のせいだと、

思いこんでいる患者さんも多いです。

なんて、損しているんでしょう。


たぶん、その息切れや倦怠感は、病気ではなくて、そう感じているだけという人・・・多い!

もっと運動してせっせと体を動かして、鍛えてほしいなあ。


でも、これって患者さんの問題より、伝える医者の方の問題ですよね。

こちらから、あの先生の言っていることは間違いだ!と言うこともなかなかできないし。

自分としては、そういう人にはBNPを測って、BNPが高くないからいいですよ!と伝えています。


みなさん、弁膜症という言葉には、ご注意を。

ちなみに、重症の逆流は、手術適応にもなりえますから、軽度の弁膜症に限っての話ということを、

最後に繰り返します。。。