ポルトガルは 現在 日本からの直行便がないため、 ヨーロッパの主要都市での乗り継ぎが必要で、非常に行きにくい国です。  

とても遠く感じられるポルトガルですが、500年近く前に遡ってみると、種子島に漂着したポルトガル人が鉄砲をもたらしたのを皮切りに 日本との交流が始まり、ポルトガルを介して初めて西洋文化に出会った日本は、その影響を受けながら 自由闊達な文化を花開かせていきました。

 

リスボンにある国立古美術館は、大航海時代のポルトガルと日本との友好関係を彷彿とさせる南蛮図屏風を収蔵しており、その前に立つだけで 距離と時間を越えて 往時の異文化との出合いと融合、自由と活気を肌で感じとって、 身震いするような感動を覚えます。

 

保存状態がよいためか、あるいは、製作者 狩野内膳の優れた技量のゆえか、 屏風を見ていると その中にわが身を置いたような錯覚に陥り、屏風に住む人々の話し声や身のこなしまでもが 身近に感じられます。

 

 

 

 

真偽のほどは不明ながら、一説には 中央の僧服(直綴 ジキトツ)の人が利休

 

 

鐙に象嵌で表現された南蛮人の姿が見事

 

 

 

この美術館は 昨年末にも訪れましたが、異国の地 リスボンで、日本の桃山を独り占めしているような気になりました。   


今年も独り占めを狙っていたら、60がらみの研究者と思しき白人の男性とご一緒し、決して広くはない この収蔵室で 小一時間を共に過ごしました。  

何時間いても 飽きることはありません。


(南蛮図屛風が収蔵されている美術館二階の一室です。

この画像はフォートラベルのwebページから拝借しました。)