利き酒ならぬ利き湯。　

点茶に適したお湯の味を知ってもらおうという趣旨です。

今回の講座に参加した５人の子どもたちの目に触れないところで、紙コップに少量入れた二種類の白湯を用意し、飲み比べてもらいました。　

いずれもフィルターをとおしていない普通の水道水で、一つは鉄の釜で30分ぐらい沸かしたもの、そしてもう一つは電気ポットで沸かしてからカルキ抜きをしたものです。

飲み終わって感想を聞いてみると、４人が異口同音に「最初に飲んだ方が美味しい‼」　そして残る一人も「美味しいかどうかはわからないけど、最初のはいつも飲んでいるのと味も匂いも違う」

この結果に、又々ちょっとドッキリ。　　

全員の鋭い味覚と嗅覚が、お湯の味の違いを見事に言い当てているのですもの。　

鉄釜で沸かしたお湯が美味しくなる理由は、釜から溶け出した鉄分が塩素の除去を助け、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル分は釜の側面に張り付いて、お湯を軟水化するからだといわれています。　　　　

そのことを知識としては知っていますし、味の違いにも気づいていましたが、よく考えてみると、私自身が釜のお湯を飲んだ直後に電気ポットのお湯を飲んで、両者の味を飲み比べた経験はありません。　

子どもたちの表情に触発されて、今回初めて私も試してみました。　　

結果は、一方は若干の甘味を感じるほどにマイルドに変化しているので、両者の違いに気づかないはずはありません。

皆さんも機会があったら、白湯の飲み比べをなさってみてくださいね。　

変化にきっと驚かれると思います。　

釜で２0～３０分沸かすのなら、あえて軟水を購入する必要もなく、水道水であってもよい味を出してくることにお気づきになりますよ。

文化体験講座【茶道で学ぶ「和」の心】・・・利き湯