「あぁ、すみませんねぇぇ。プロの方ですもんねぇぇ。
わかりますよねぇ失礼しました(ヘコヘコ)」
警察に通報する決意もなければ
密室でチ○ピラと戦えるほどの覚悟が今の私にはない。きんぴら作戦を続行した。
「フンっ」と鼻を鳴らし再度私に睨みをきかすと
業者男は早速エアコンを各部屋に運び込み黙々と工事を始めた。
私はその間家の中で気配を消しつつ、時々こっそり業者男の動きを覗き見ていた。
家を破壊する、ものを盗むなどの問題行動は見られず
特に怪しい気配はなかったので、私はようやく落ち着きダイニングテーブルの椅子に腰を下ろした。
そしてスマホから夫に
「チンピラ風の業者男の来訪あり。私に何かあれば犯人はこいつだ」
と念の為メッセージを送信した。
メッセージは既読スルーだった。
夫は日頃から話を盛りがちな私の言うことをすっかり鵜呑みにしなくなった。
オオカミ少年の悲しい末路である。