企業の本文は企業活動にある。 だから余剰金が出たら、株主に還元するか、事業に再投資して更に事業を拡大するとか、前向きに活動するのが吉だと思う。 

しかし、今の世界経済の状況では、米国債が格下げされ、ドルは狂ったように増発され、そのパンパンに膨らんだ風船のような米国に最も沢山貸し込んでいるのが日本だったりすると、日本でもインフレが起こる、と考えるのが自然だろう。

米国に120兆円とも言われる資金を貸し出し(米ドルとして保有)米国を一心に支え続ける健気な飼い犬。 しかし、経営者として社員を養ってゆかねばならない立場だと、そんな阿呆な国の経営陣にお付き合いしている訳には行かない。 どうやったら会社を守り、従業員を守れるのだろうか?

今だったら、直ぐに必要にならない余剰資金があったら、貴金属を買っておくことだろう。 先日、実質的な経営トップに、そういう献策をしたが、「定期預金ならともかく、そういう「投機」はやらないんだよ。」と諭すように言われてしまった。 アンタが生きてきたアメリカのケツをペロペロ舐めてさえいれば良かった時代とは、状況が変わってるのが分からないのか?と言いたくなった。

特に、東北大震災が起こって、その復旧に増税とか国債増発、なんて阿呆な意見が通ってしまいそうな時期、英米の禿鷹ヘッジファンドが日本国債を売り崩そうとてぐすねひいて待っているんだから、先にインフレを予測しないのは阿呆としか思えない。 

既に自分の財産はほぼ全額を貴金属に変えてあるんだが、会社でも同じことをやってはならない、理由が思い当たらない。 まあ、過去の常識に囚われた財務担当重役が、邪魔をするであろう、ということだ。 日本円で資金を持ち続けるか、定期預金にするか。(インフレが始まっても逃げられないから、最悪の手だとしか思えない) そういう方策は、円が価値を保つ、という前提でしか通用しない、ということを、何とか説得しないと、会社の資金が紙屑になってしまう。

あと、今可能な会社の防衛術は、固定金利で金を借りて、現物を手に握ること、だろう。 莫大な資産を手に入れて、5年リースか何かで実質的な借金に転化し、その間に激しいインフレが起これば返済は大幅に減って、現物の分だけ儲けたことになる。 固定金利で借金して金塊を買えればそれが最高、ということだ。 まあ、そんな用途で金を貸して呉れる銀行は少ないだろうけれど。

現在、日本政府は大金を注入して円売りドル買いを行っている。


しかし、その動きは世界の趨勢から離反しており、ヘッジファンド等の絶好の餌食となって、殆ど効果が現れていない。 実際、介入を行ってからも円は高騰を続け、一時85円だったものが、81円台まで上昇している。


そもそも、国家の通貨の為替水準が高騰することは、一般的には悪いことでは無い筈だ。 今までと同じ金額でより多くの財物を購入出来るのだから。 問題は日本国から輸出して商売を成立させている企業が、輸出競争力を失うことだ。


そこで現在行っているのは、円を売り、ドルを買うことで、円の相場を引下げ、外国に財物を輸出する際に有利になるように為替相場を操作する、という介入である。


しかし、上記のように、効果は出ていないし、海外から非難の声も上がってくる。 

おまけに、近々崩落する(と予想される)米ドルと一緒に、とんでも無い額の為替差損を被る可能性が非常に高い。 

又、円が安くなれば輸入企業が不利になり、日本国民が享受出来る筈の安価な海外の財物をワザワザ高く買う羽目になる。 実に馬鹿馬鹿しい為替操作である。


ここで発想を転換してみよう。


為替介入に注入している数十兆円の金額を、一旦輸出補助金に転用するのだ。

例えば、100万ドルの製品を輸出する際には、10万ドルの補助金を付けて、輸出した企業が、90万ドルで輸出しても、最終的には10万ドルが国家から補助されて100万ドル手許に来るようにしてやるのだ。


この方法の利点は以下の4点だ。


(1)為替介入と違って、直接的に資金を輸出企業に注入出来るので、無駄に英米の禿鷹ヘッジファンド等を肥え太らせる心配が無い。


(2)円高が進んでも構わないという姿勢なので、輸入企業はどんどん安く財物を買うことが出来て景気が上向くし、日本の末端消費者は円高の恩恵を素直に甘受することが出来る。


(3)為替相場を不自然に操作することをしていないので、国際政治の表舞台で日本の政策が非難されることが無い。 まあ、輸出補助金に関しては、「一時的な円高の影響を緩和する時限的な措置」とか言って言い訳すれば良い。


(4)この輸出補助措置によって、国家が保有する米ドル・米国債を減らし、来るべきドル崩壊の際の日本への打撃を低減することが可能となる。 


勿論、この仕組を運用するには、注意深い制度設計を行わないと、必ず隙を突いて補助金を食い物にしようとする輩が出てくるだろう。 しかし、現在の為替介入は、全世界におおっぴらに「隙があるから、突いてみなよ」と宣言しているようなものだから、ずっとマシだ。


日本からの輸出額は、昨年で50兆円強だから、10%の補助を与えるとしても5兆円で済む。 それで輸入の方は利益を全面的に享受出来て、おまけに為替差損も回避出来るとしたら、どう見ても輸出補助金政策の方が有利だと思うのだが、日本のメディアでその議論を出している処が全く無いように思えるのはどうしてだろうか?


それとも、この議論、どこかにとんでも無い落とし穴があるのだろうか?

もしそういうものがあるなら、是非、ご指摘頂ければ幸いに存じます。


10月9日時点で、円が91円台となり、円高の影響が心配されている。 円が高くなると、輸出産業が打撃を受け、日本の経済が成り立たなくなるのではないか、という心配がされている。


しかし、政府が取っている方策は、単に米国の破綻を先延ばしする一時的な弥縫策でしかなく、日本の国としての将来、国民の幸せを大きく損なうものである。


為替介入を行ってドルを買い支えるのは、日本の国力を無駄に消尽する、大きな間違いである

 

【1】為替介入は直ちに停止する


【2】逆に備蓄したドルを使って輸出産業に補助を与え、出来る限り迅速に手許の米ドルを減らす


【3】円高を利用して、この機会に海外から大量の原材料、貴金属等を買い入れ、備蓄する


以上が、日本の国富を保持し、将来の為に役立て続ける道だと思う。 以下に理由を述べてみよう。


(1) 円高差損による国富の消失を避ける


円高を抑える為に為替介入を続けた結果、報道では日本の財務省は、(日銀も含めてだと思うが)米ドルを1兆1095億9100万ドルも抱え込んでしまっているらしい。 その米ドルを日本円を使って購入した時期がいつごろなのか、知らないが、大昔は360円だったし、段々下がってきて最近でも2007年には120円だった。 それが、今では82円を切るところまで値下りしてしまっている。


仮に、政府が入手した外貨準備のドルの購入価格が、全体の平均で1ドル100円だったとすると、今日現在日本政府が持っている外貨準備高のドルを購入する為に、日本国民の血税を、110兆9591億円支払っていることになる。


で、同じドルを、今日現在の為替レート(仮に82円とする)で計算すると、90兆9865億円ということになる。 為替差損は、19兆9726億円である。


為替差損が、19兆9726億円、つまり、約20兆円

随分と巨額の損失を出したものである。


日本の国民が1億2000万人であるとしたら、国民一人あたり16万7千円の損失である。

そもそも、外貨準備高自体、国民一人当たり(今の為替水準で)75万8千円という金額になる。

今の米国の経済状況、明らかな失業の増加、破綻した製造業、行き詰ったサブプライムローンの処理、どう見ても米ドルが今の状況で強くなる可能性は無い。

逆に近々70円台には確実に、更に50円台辺りへと低落して行くことが予想される。

ドルが70円になれば、為替差損は33兆2877億円、ドルが50円になれば、為替差損は55兆4795億円である。


英米のヘッジファンドは、こういった不自然で無理な為替介入を、手ぐすねひいて待っている。 そもそも経済の流れに合わない為替介入には無理があり、その無理な部分を衝くのが彼等の商機だからだ。 多分、既に相当ヘッジファンドを儲けさせ、日本の国富が数百数千億単位で彼等の口座に移動していることだろう。


どう考えても、こんな巨額の危険な外貨準備を抱え込む必要は感じられない。

我々は、何か考え違いをしているか、若しくはマインドコントロールを受けているのではないだろうか?


という訳で、為替介入は、日本に大変な損害を与える方策だ、ということは言えると思う。

次の(2)で、その利点とされる為替介入は輸出産業への援護射撃にすべき、という点を論じる。


(2)備蓄したドルを使って輸出産業に補助を与え、出来る限り迅速に手許の米ドルを減らす


円が高くなると輸出が苦しくなる。 これは確かだ。 

しかし、円高は輸入の場合は有利に働く。(誰でも分かる理屈だ)

そして、国民は輸出して生活するのではなく、輸入した原料や製品、サービスを使って生活している。

勿論、輸出企業が儲けて数多くの国民を養っていることも確かだが。


それでは、日本の輸出と輸入は年間どの程度なのだろうか? 

財務省貿易統計 によると、昨年2009年は、

輸出総額(確定値) 54兆1706億円

輸入総額(確定値) 51兆4994億円

である。


上記で分かったように、膨大な外貨準備が存在するが、それは明らかに為替差損のリスクに晒されており、今後改善する余地は見えない。 どうせ無駄に消えてゆくなら、それらを輸出企業への補助に使ってしまい、円高を放置しても輸出産業が苦しくならない方策を取れば良いのである。 


多分現実の細かな方策としては色々考えなくてはならないだろうが、基本的には円高を放置することで苦しむのは輸出企業だけなのだから、それらの企業が、ドルが世界の基軸通貨から転落して破綻する数年後まで食いつないで行けるように、外貨準備を転用して補助金を出す方向で考えれば良い。


(3) 円高を利用して、この機会に海外から大量の原材料、貴金属等を買い入れ、備蓄する


円が高いなら、海外から物を買って、円を海外に流出させれば良い。 円で支払い出来るように交渉して、兎に角備蓄が効いて重要な資源を買いまくったら良い。 日銀が何と言おうと、政府が強力にプッシュして、100兆円位の通貨を発行し、金、銀、プラチナ等の貴金属、銅、鉄等の工業必需品、中国が何をやっても当分困らないだけのレアアース等を充分に買って、支払いを日本円で行うべきである。 


貿易相手国も、目減り間違いなしの米ドルなんかで受け取ったら、直ぐに為替差損が発生することは分かっているのだから、日本円で支払わせて呉れるよう、強力に交渉を開始すべき。