1年経ってわたしを誘った


友達のような言葉を選び

こどもみたいに


朝の薄明かりの中

近づいてすわった時


ふたりとも

キスすると思った



オトナだって


これが恋なのか


自分がどうしたいのか


まるで分からない



ただ 夜明けの引力のように

キスに導かれるだけ







あなたの下で身動きの取れない


甘い時間


身体の痛みで蘇る



目を閉じて


キスのふり



心の求める


時間を過ごしたいの





冬の間

友達のように親しんだ冷たい風は

静かに遠ざかる


かわりに 春が

ふんわりと

音もなく

近づいている


ただ 移る季節

巡るいのち


愛おしさも 

寂しさも

苦しさも


刻み込まれた

ただ

生きる

その道