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季節は春。
清水へ祗園をよぎる桜月夜
こよひ逢ふ人みなうつくしき(与謝野晶子)
花屋の桜の花がこちらを見ている。
ふと、掌に桜の花びらが舞い落ちる。
そういえば、昔、同じような光景があった。
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大学入試の時、大学へと向かう道は、
ソメイヨシノの桜並木だった。
北海道の「チシマザクラ」とは違い、
花の色も、形もとても綺麗に見えた。
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翌月、合格したその大学へ。
母と共に歩んだ桜並木から、
掌に桜の花びらが舞い落ちる。
「綺麗な桜ね。」
母の言葉が懐かしい。
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4年後、卒業式を迎えた日、
学長の銅像に黒いリボンがかかっていた。
学長は、卒業式を迎える前に亡くなられたそうで、
卒業式は、学長抜きで行われた。
慣れ親しんだ桜並木も今日で見納め。
入学式以来の、母と共に歩む桜並木。
学び舎へ別れを告げる
「ありがとうございました。」
掌に桜の花びらが舞い落ちた。
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時は過ぎ、花屋の桜から、
ひとひらの桜が舞い落ちる。
学生時代を過ごした学び舎、
学長の思わぬ訃報、
そして、母と共に歩んだ道。
それらすべてを、桜の花びらは語ってくれた。
3月17日は母の命日。
私の横にいてくれた母はもういないけど、
思い出は、いつまでも残っている。
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今、花屋の桜を子供と共に見ている。
「綺麗な桜ね。」
掌に舞い落ちた桜の花びらを、
そっと、子供に手渡してあげる。
そうだ、いつか共に歩むであろう、
桜並木の思い出を、子供に聴かせてあげよう。