NHKのEテレ「スーパープレゼンテーション」は毎週月曜夜11時から
→ NHK Super Presentation

ローレンス・レッシグ「国民の手に民主主義を取り戻す」

2013年の参院選からインターネットを使った選挙運動が解禁されました。結果的には今回の参院選では大きな効果はなかったようだ、というのがマスコミの評価のようです。

しかしながら、今後の選挙（次は３年以内の衆院選）はどうなるかわかりません。ホームページやSNSなどの開設、維持・管理に相当の予算が必要です。大量の資金で、大量の情報をネットに流した政党・候補者が有利になるかもしれません。

そうすると、益々、選挙では「お金」がモノを言う。選挙資金を多く集めた政党・候補者が勝つ。わざわざ選挙をするまでもなく、有り金全部をテーブルの上に出して、金持ってるほうが勝つ、みたいなことが起きてしまう（あるいは既に起こっている？）。

憲法前文には、「国政は、国民の厳粛な信託による」と書かれています。国民一人一票の選挙が、民主主義の基礎になっています。お金で国会議員（あるいは与党）が決まるとするならば、法人による政治献金が判例で認められていることも併せて考えると、「国民の信託」は歪められることになります（あるいは既に歪められている？）。

「政治とカネ」の問題は日本でもよくマスコミに取り上げられますが、「政治家の汚職」といった倫理的な面で論ぜられていて、「民主主義の歪み」という側面ではあまり語られていないように思います。「民主主義の歪み」はむしろ「投票率の低下」が問題視されています。

レッシグ教授のこのTEDトークを観て、「政治とカネ」の問題は、単に政治家の個人的な倫理の問題に留まらず、民主主義の本質に関わるの重大な問題なのだと知りました。

民主主義に関するその他のTEDトークを４つ紹介します。

エリック・リー「二つの政治システムの物語」

マイケル・アンティ「万里の長城の向こう側：中国のインターネット社会」

マイケル・サンデル「失われた民主的議論の技術」

ユーシャン・ホアン「民主主義は経済成長の妨げか？」

NHKスーパープレゼンテーション「ローレンス・レッシグ：ハーバード大学教授が語る 政治とカネ」

NHKスーパープレゼンテーション「ローレンス・レッシグ：ハーバード大学教授が語る政治とカネ」