日曜日の夜、
僕は、何もかもこわしてしまいたいと思って、最悪な気持ちで家に帰って来て自分の部屋で毛布を掴んで丸まってた。
明日、コールセンターの仕事がはじまるのに、風邪をひいていた。
日本語を使わないといけないお仕事で、電話で顧客対応しなといけないなんて、自分には、そんな仕事まともにできるはずないのに、どうしても仕事が必要だったから、やることにした。
仕事をはじめるのは怖くて心配だった。
喉がもつかも心配だった。
今住んでる家は、家賃を半額にしてもらってて、来月にはここを出ないといけないことになってる。
だから仕事がないと、どこも住めない。
ちょくちょく引越ししてて、いつも新しい環境や新しい人と接しないといけないのがいやだ。
僕、家族がいないのがいやだ。
その日の夕方、ユキアとアルファとガイアが、家に遊びに来た。
帰りにガイアが寒そうにしてたので、「家に帰ったら暖かい服あるの?」と聞くと「ある」ってガイアは言ってたので、僕の上着を貸すのはやめた。異性に着せても似合いそうにない服だったし。
駅まで歩いていると、やっぱり寒そうなので、ひっついてみようとしたら、逃げられた。
電車が来るとそれに乗って本当に逃げてしまった。
それがメインで悲しくなって家に帰って来て、うずくまってた。
寝ようとしていたのだが気分が悪くて、吐き気がしてて、風邪がほぼ初日できつかったのもあるだろうけど、ガイアのことも嫌われたのかと思ったし、家出ることも、仕事のことも一気に心配で、すごく気分が悪くて、がんばって寝ようとしたけど、眠れなかった。
僕は、神に祈ろうと思った。
目を閉じて横になっている僕は、頭の中に、なぜか、なんの根拠もない、どこかで聞いたことがあるわけでもない、おかしな考えが浮かんできた。
神は本当に愛だろうか?
神は本当は愛じゃなくて、ただの自己中な神で人間のことなんてどうでもいいと思ってるんじゃないかと。
そんな変な考えが浮かんできて、そして
黒の化け物が出てきた。
とても大きくて、真っ黒で、背景も暗くて渦巻いてて、小さな人間が手前にいて、
その黒の化け物の白い大きな目は、僕を見つめていた。
僕は、そこから逃げれると思えなくて、ましてや
その化け物と戦って勝てるなんて全然思えなかった。
自分が無知で無力で何も、どうしようもできない
そんな感情に襲われた。
経済的に苦しくても、体は元気とか、
体は苦しいけど、仕事があって居場所もあるとかならまだいい。
その時僕は「大丈夫」なものは一つもなくて、まるで地獄にいるみたいで怖かった。
色々な心配事の中でも一番怖かったのは、
僕が信じている愛あふれる神が、僕の頭の中で黒の化け物に化けてしまったことだ。
地獄に行くなら何が一番怖いって?
そこに神がいないことかな。

