ホモ・デウス : テクノロジーとサピエンスの未来
ユヴァル・ノア・ハラリ
同じ著者の「サピエンス全史」なかなか面白かったので、その続編というべき本書を手に入れました。随分と時間が掛かってしまいましたが、一応、読了しましたので。。。感想などをまとめてみようかと思います。
まず、最初に言えることは、「サピエンス全史」は面白かったが、この「ホモ・デウス」はそんなに面白くなかったということである。
人類が圧倒的な力で地球を支配するようになると、次に向かうのは自らのアップグレードであると著者はいう。しかも、そのアップグレードには、最先端の技術と、莫大なお金がかかり、アップグレードできる人間とそうでない人間に2種に分かれる可能性が高いというのである。
銀河鉄道999の世界などを思い出してしまいましたが、永遠の体を手に入れた金持ち階級と、貧乏な人間。。。永遠の体を手に入れるために、メーテルと銀河鉄道に乗って旅をする。。。
現在の遺伝子工学の技術は飛躍的に進歩を遂げており、このような永遠の体というものが、まもなく手に入る時代がくるかもしれないのである。また、過去の経験則からいっても、開発された技術はどんなに道徳感や、社会に対するインパクトが大きくて問題を孕んでいたとしても使われるのが技術なのである。
また、人間以上にAIの進化により、人間よりも、人間を知る存在の誕生。自分よりも自分をよく知っているAIの判断で、人間が支配されていく可能性を述べている。
人類のアップグレード。。。人は遺伝子工学等によって、自分を好きなようにデザイン、改変していくことができる。考え方や、気分なども脳内の生化学物質の分泌パターンによって制御されており、幸せなども自分でコントロールすることができる。ただし、アップグレードされる人間はごく一部の人間に限られるであろう。
AIによる支配、世界のすべてがネットワークでつながれ、圧倒的なdataが、溢れる世界となる。しかしながら、すでにそのdata量を人間の頭脳ですべてを処理することはできず、圧倒的なスピードをもつコンピューターが演算して処理をする。人間の脳の思考はアルゴリズムから作られており、コンピューターが人間の思考と同じようにアルゴリズムで判断し学習していくと、人間よりも圧倒的な正確な思考をもつAIが誕生する。人間は、肉体労働だけなく、頭脳労働としても不要となる。
支配階層のアプグレードされた人類が、不要となった普通の人類をどう扱うか?それは、現代社会での人間と家畜の関係を見れば答えは明らかなのだ。。。
アップグレードされた人間が少数の特権エリート階級となり、ほとんどの人はアップグレードされず、その結果、コンピュータアルゴリズムと新しい超人たちの両方に支配される劣等カーストとなる。
そういう世界となるまえに、自分はいなくなるのは間違いないが、そんな世界になってしまったら、間違いなく「劣等カースト」である普通の人間として存在しているだろう。
機械伯爵が、人間狩りをしていた世界が生まれるかもしれませんよ。
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まきむく通信