進撃の全日本、83年2シリーズ目です。

参加外国人は新春シリーズに続き、タイガー・ジェット・シンと上田馬之助、ドス・カラス、マイク・デービス、ビクター・ジョビカ、ジム・デュラン、鶴見五郎。特別参加でトミー・リッチが初来日です。

このシリーズ、馬場はPWF奪回のためアメリカ遠征とのことですが、後日談として「ギャラダウン」が提示されてへそを曲げて「オレがいなきゃシリーズはダメ」と思わせるための遠征だったとか。こういう話はいろいろ後年出回りますから。

そしてそこでグレート・カブキが参戦です。試合自体は全然、面白みがなかったですが視聴率は良かったようです。観客動員数も全体的に良かったです。よく言われるのが旗揚げ以来初の黒字シリーズ、またはこの時期のシリーズで初の黒字とかいろいろ岩手おります。

「馬場抜き」シリーズとしてマッチメーカー佐藤昭雄が腕を振るいます。当然、ジャンボ中心にしながらも天龍の格上げも図ります。

開幕戦はジャンボとシンのシングル。翌週は鶴龍結成前ですが鶴龍対シン・上田。その次は天龍対シン。同時に世代交代で井上・阿修羅のアジアタッグ戦で極道コンビとの連戦を組みます。最終戦はジャンボ対シンの再戦に、伝説の馬場対上田の腕折り戦が組まれましたが、あいだあいだにカブキの試合を組みます。カブキを日本陣営での起用は今思うとどうだったんでしょうか?アメリカでの噂に胸膨らませておりましたが、地味な技を中心にした試合は期待外れでした。何年か後にはそのいぶし銀のテクニックはいかんなく発揮されますが、この当時はカブキにヒールを期待していました。

そして2月25日、愛知県体育館。翌日土曜日に「土曜トップスペシャル」での1時間半の特番です。岩手でゴールデンタイムでプロレスが観れるなんて、信じられませんでした。

試合はだいぶカットされましたがインタージュニア戦で大仁田対ドス、相変わらず凡戦です。カブキ対シンのヒール対決。でもベビーフェイスのカブキとの対決は地味な反則決着。メインは初来日のリッチとジャンボの昨年の対決からの再戦。ですが野生の炎は不発です。ジャンボとはマッチしませんでした。

番組のメインとしてフレアー対ブロディのNWA世界(時間切れ)とPWF奪回戦のレイス対馬場。この対決はこなれた対戦だけあって好勝負でした。

フレアー対ブロディはこの時にだいぶカットされましたが後日、G+で放送されました。

また最終戦は先のジャンボ対シン、馬場対上田。これを特番にすればいいのに・・・と思います。ただ天龍は特番には映りませんでした。まだジャンボの一本立ちが優先だったようです。