2015年に「民間企業および公的部門の指導的地位における男女平等参加のための法律(通称、女性クオータ法)」が成立して、2016年以降、上場企業には役員の女性比率を30%以上とする義務が課されているドイツは、

日本に比べるとかなりジェンダーが意識される社会だと言えます。

 

ドイツ語には「-in」という接尾辞※があり、これは「女性」を意味します。

例えば、Bäcker(パン職人)に-inをつけると、

「Bäckerin(女性のパン職人)」となります。

※接尾辞:言葉の末尾につけて、意味を加えたり、品詞を変化させたり、文法上の変化をもたらす接辞。

 

求人などを見てみると、

「Kassierer/in」(レジ担当)

「Lagermitarbeiter (m/w/d)」(倉庫業務)

などと書いてあります。
 

「(m/w/d)」は

männlich「男性」/weiblich「女性」/divers「多様」の省略形です。

 

今日はこんな落書きを見つけて、思わず写真を撮ってしまいました。

Lieferanten(納入業者)がLieferant*innenに書き替えられていました。

「innen」は女性かつ複数です。

 

 

女性の意味を示す接尾辞があるゆえの問題ですね。

言葉とそれを使う人間とその集団である社会のつながりを

しみじみと感じた午後でした。