ダリアは私が朝日前の営業終わりまで働けることを知ると良いものがあると”それ”の吸い方を教えてみせた。
初めて目にしたパイプの道具だった。
私もそれを試すと身体がふわふわとして、頭がピンと冴えた。
考えなくても言葉とアイディアがポンポン出てくる。一瞬にして幸福な空気に包まれた。
その日にきたお客様を全て丁寧に交わすことができて、体力も自信も天井を貫いた。
全く眠気も食欲もなくて、その日はマンションに帰宅しても寝ることなく正午までノートに今後の目標をずらずらと書いた。
干されてた日本人キャバクラにはすぐ辞めると伝え、英語もモデルハウスで流暢気味になり語学学校では進級もした。
稼ぎ始めた私はたまに学校に行く時、他の者たちがバスで通う横目でウーバーでリッチに登下校した。
そんな私を見て、周りの眼差しは少し痛かったけど、最強な自分への光栄のほうが勝っていたので他人の目も気に入らなくなっていつも強気でいれた。
生まれて初めて誰かに認められたような気がして、それが風俗業界であろうがここで咲いてみせるんだと誓った。
後に炙っていたそれが覚醒剤だと知った。
お家に帰ってダリアから道具を貰ったとフレンチに伝えると彼は丁寧に覚醒剤の説明をしてくれた。
それから間もなく地獄のはじまりが訪れた。