明けましておめでとうございます!

7年目に入る当ブログ、本年も宜しくお願いいたします。

毎年恒例の読書メーターによる昨年の読了本一覧記事です。字数制限により1と2に分けました。古い順に並んでいます。

2014年の読書メーター
読んだ本の数:63冊
読んだページ数:14136ページ
ナイス数:730ナイス

囀る鳥は羽ばたかない 2 (H&C Comics  ihr HertZシリーズ)囀る鳥は羽ばたかない 2 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)感想
この感じは・・・個人的に、「聖なる黒夜」を読み終わったときに練が今も新宿のどこかにいるような錯覚に陥って、実際はいないんだと思い知ったときの絶望感に似てる!つまり、それほど矢代っていう人物に恋してしまって苦しいの。掘り下げられた過去。三角さん、かっこいい!戻れないところまで来てしまった百目鬼。ここからどうなる?二人の思いが通じる過程はぜひじっくり描いてほしいので何巻でも待ちます。
読了日:1月3日 著者:ヨネダコウ
月魚 (角川文庫)月魚 (角川文庫)感想
ものすごく大切にとって置きたいような物語。取り返しのつかない罪を共有する二人の男のもどかしい思い。超えそうで超えない一線をこれほどうまく書く作家さんが他にいるだろうか。しかも、そういう露骨な表現よりよほど色っぽいと感じるのはどうして?そういう(そういうばっかりですね・・・汗)要素抜きでも、古本の世界と「罪」の部分の事件がとても面白くこの組み合わせ、なんてミラクル。
読了日:1月3日 著者:三浦しをん
キャパの十字架キャパの十字架感想
キャパを有名にした、というだけでなく世界的にも唯一という戦場でまさに兵士が撃たれる瞬間を撮った写真の真贋の謎について探究心豊かに書かれた沢木氏のノン・フィクション。タイトルにある「キャパの十字架」の部分(最終章)でキャパの人物像に迫るところが秀逸。「壇」を読んだときも思ったが、沢木氏の対象人物に対するまなざし、掘り下げ方が好き。
読了日:1月6日 著者:沢木耕太郎
中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて感想
衝動的に読んだ。ある意味後悔。病気も状況も全く違うけど、近親者を亡くしたことがある者にとっては非常に読むのがつらい闘病記である。そして自分にもいつか訪れるであろう今生での夫婦のお別れについて深く考えさせられる。これまで勘三郎さんのエッセイでしか読めなかった好江さんご本人の言葉で書かれた勘三郎を読めたことは良かった。大竹しのぶさんや野田秀樹さんの支えを他人ながら力強く感じた。残されたご家族一丸となって頑張って欲しいと心から思った。
読了日:1月6日 著者:波野好江
光感想
部分部分でははっとするような人間の心の闇や残酷さが鋭く書かれていて唸ることも多かったが、全体としては救いがなさ過ぎて好きになれなかった。残酷さや絶望は希望の光が微かでもどこかに見えるから引き立つテーマなんだと気付かされたというか・・・。で、タイトルが「光」と来たもんだ。皮肉だ。
読了日:1月12日 著者:三浦しをん
ふたがしら 第1集 (IKKI COMIX)ふたがしら 第1集 (IKKI COMIX)感想
1~3巻まで一気読み。「さらい屋五葉」が好きだった人には待ち望まれた作品ではないでしょうか。頭になれなかった二人の男が江戸の盗賊一味を抜け「でっけえことをする」ために大阪へ向かう話。1,2巻ではまだ宗次と弁蔵の輪郭がはっきりしないけど、3巻まで読むとぐっと引き込まれるはず。というか3巻はすでに傑作。
読了日:1月17日 著者:オノナツメ
ふたがしら 第2集 (IKKI COMIX)ふたがしら 第2集 (IKKI COMIX)
読了日:1月17日 著者:オノナツメ
ふたがしら 3 (IKKI COMIX)ふたがしら 3 (IKKI COMIX)感想
ついにオノさん本領発揮の巻!弁蔵の家族の話にほろり。大月様いいお方だ~。それにしても江戸も大阪も頭の代替わりに色々ありそうで気になる。表紙の意味が分かったとき可笑しかった。
読了日:1月17日 著者:オノナツメ
日曜日たち (講談社文庫)日曜日たち (講談社文庫)感想
小粒だけどどれも味のある連作短編集。いつも思うけど、男の気持ちも女の気持ちもよく書き分けられていて驚く。特に「日曜日の被害者」。ああいうのが男性作家さんの手によると思うと・・・。最終章のラストに吉田モメントがありましたね。
読了日:1月19日 著者:吉田修一
Tomoi (小学館文庫)Tomoi (小学館文庫)感想
昔読んだのが懐かしくて再読。続きがあると思ってた最終話はやっぱりあそこで終わりだったんだ・・・。ゲイとして生きる友井という男が出てくる三つのお話。どれもそれぞれに深い。
読了日:2月5日 著者:秋里和国弐
トーチソング・エコロジー (1) (バーズコミックス スピカコレクション)トーチソング・エコロジー (1) (バーズコミックス スピカコレクション)感想
映画「トーチソング・トリロジー」を彷彿させるタイトル、とBLっぽさ?に惹かれて。今のところ後者はまあまあ匂いますが、前者はあまりよく思い出せないけどこんな話とは違ったような・・・。まあよい。ホラーっぽいところが主人公のちょっとぼさっとしたところでうまくコメディ調になってるのが◎。少し泣きそうになりながら読んだけど。
読了日:2月5日 著者:いくえみ綾
トーチソング・エコロジー (2) (バーズコミックス スピカコレクション)トーチソング・エコロジー (2) (バーズコミックス スピカコレクション)感想
あっち側とこっち側が出てくる場合、どっちにも肩入れしたくなって困る。最終的にはどちらかが身を引くってパターンが多いと思うんだけど、なんかこの展開は予想がつかなかったというか、これからどうなるの?スーさんがいい人。ホラーは人間だった。
読了日:2月5日 著者:いくえみ綾
日の名残り (ハヤカワepi文庫)日の名残り (ハヤカワepi文庫)感想
20年位前に観た映画の記憶がいい感じに薄れていたので、原作を読んでみたがそれでも「これは全然印象が違うぞ!」と感じた。名作。むしろ時を経て40代で読めたからこその感動か。英国の国際的地位や貴族(執事込み)たちが没落していく大きな時代の波と一人一人の人間の人生のクライマックスと静かな夕暮れが見事に描かれている。
読了日:3月1日 著者:カズオイシグロ
進撃の巨人 Before the fall2 (講談社ラノベ文庫)進撃の巨人 Before the fall2 (講談社ラノベ文庫)感想
主人公は変わるけど物語の舞台は1巻目とつながっていて、15年後くらいの話となっている。前の主人公が好きだったから何で変えるのかなと思ったけど、新主人公の境遇もちょっと変わっていてこれはこれで楽しめそう。
読了日:3月17日 著者:涼風涼
進撃の巨人 Before the fall3 (講談社ラノベ文庫)進撃の巨人 Before the fall3 (講談社ラノベ文庫)感想
キュクロ、カルディナ、ローザのトリオがよかった。終盤尻つぼみ的に終わってしまってもったいないような気がした。アンヘルを最後まで出さなかったのはなぜ?というのが気になってしょうがなかった。一応立体機動装置が実用化されるに至る話でもあったので1巻とのつながりを持たせるためにも最後にアンヘルにも花を持たせてあげたかった・・・と個人的には思います。
読了日:3月23日 著者:涼風涼
ロマンス (文春文庫)ロマンス (文春文庫)感想
不穏な時代背景がいいスパイスになってますね。自分が意外とこの時代のことを知らないことを思い知らされて愕然とする。知ることに変な後ろめたささえ持ってしまうのはなぜだろう・・・。抗えない時代のうねりに運命が変わってしまう若者たちに思いを馳せずにはいられない。表紙絵が秀逸。
読了日:3月23日 著者:柳広司
ダブル・ジョーカー (角川文庫)ダブル・ジョーカー (角川文庫)感想
第二次世界大戦に突入しようかという時代、結城中佐率いるD機関のスパイたちのあざやかな活躍が描かれる。短編でエンタメに徹したところが小気味よいけど、もう少し掘り下げた話も読んでみたい。「柩」「ブラック・バード」みたいにスパイたちの人間的な部分がほんの少し見えるほうが私は好き。
読了日:3月29日 著者:柳広司
パラダイス・ロスト (角川文庫)パラダイス・ロスト (角川文庫)感想
第二次世界大戦に突入した。ちゃんとシリーズで時が流れているのがよくて、それぞれの時代に応じた題材でスパイの姿が描かれているのが楽しい。「死ぬな殺すな」が徹底しているD機関、一見当時の日本軍とは相容れない組織をまとめ上げる結城中佐、彼はいったい何者?何の大義があって暗躍するのか・・・もっと知りたくなるけどすべてが明かされたらシリーズ終わってしまうかな。
読了日:4月8日 著者:柳広司
進撃の巨人(13) (講談社コミックス)進撃の巨人(13) (講談社コミックス)感想
ようやく核心に迫りつつある。エルヴィン団長が冴え渡ってますね。リヴァイも「結構しゃべる」しゃべる!この二人がここまで重要人物になるとは当初予想もしていませんでした。ヒストリアとエルヴィンの過去が明かされたことにより、一歩この世界の謎に近づいたと思ったら、新たな謎人物も加わり、収束に向かっているようでもう一山ありそうな感じ。とりあえず嘘予告復活が嬉しかった。
読了日:4月10日 著者:諫山創
別冊 少年マガジン 2014年 05月号 [雑誌]別冊 少年マガジン 2014年 05月号 [雑誌]感想
「進撃の巨人」コミック13巻の続きが気になったのと電子化で手に入れやすくなったので初めて購入。「進撃」は一気に2話読めて大満足。最新話のラストでは心臓が止まるかと思った。もう次が待ち切れない。毎月買うこと間違いなし。電子化してくれてありがとう。
読了日:4月10日 著者:
進撃の巨人 悔いなき選択(1) (KCデラックス ARIA)進撃の巨人 悔いなき選択(1) (KCデラックス ARIA)感想
原作最新話の56話を読んだ後に読むと、リヴァイの言動をつい深読みしてしまう。この頃は安易に人を抹殺することに躊躇がないと言うか・・・。ファーラン、イザベルが思ったよりかわいくて、特にイザベルみたいな快活なキャラは絶対原作では拝めないなと思った。逆に言えば原作に出てくる人はみんなどこか暗いんだなとあらためて感じた。
読了日:4月11日 著者:駿河ヒカル,「進撃の巨人」製作委員会
さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)感想
2巻目と一緒に続けて読まないと1巻目だけでは何が描きたいのかよく伝わってこない作品かな。良くも悪くもゴッホの生涯は割と一般に知られているのでこういう独自の創作は受け入れられにくいかもしれないけど、とりあえずテオ目線というのが新鮮なのでこのまま読んでみようかとなる。
読了日:4月27日 著者:穂積
さよならソルシエ 2 (フラワーコミックスアルファ)さよならソルシエ 2 (フラワーコミックスアルファ)感想
2巻目はいろんな意味で化けてる。もはや史実なんてどうでもよくなり、最後は本当に泣きそうになりました。
読了日:4月27日 著者:穂積
世界ボーイズラブ大全―「耽美」と「少年愛」と「悦楽」の罠 (文春文庫)世界ボーイズラブ大全―「耽美」と「少年愛」と「悦楽」の罠 (文春文庫)感想
この内容でタイトルにBLと入れる必要性を全く感じない。古代から近代まで歴史上人物の同性愛エピソードを見渡すにはちょうどいい。けど、参考文献の扱いが雑すぎてもったいない。ここから興味を持ってより掘り下げたい人には、文中に引用元があってもいいくらい。個人的に興味を持った人はジャン・ジュネ。近代ヨーロッパの文化人たちの交流と私生活はかなり面白い。
読了日:4月29日 著者:桐生操
聖書を語る (文春文庫)聖書を語る (文春文庫)感想
映画や小説を聖書で読み解く手法は好きだったけどなかなかいい本にめぐり合えないでいた。この二人の対談は期待以上の刺激を与えてくれた。よく分からない部分も分からないなりに対談というソフトな形で読めたのは大きな収穫。クロノスとカイロスの時間の区切り方が興味深かった。
読了日:5月5日 著者:佐藤優,中村うさぎ
別冊 少年マガジン 2014年 06月号 [雑誌]別冊 少年マガジン 2014年 06月号 [雑誌]感想
進撃目当てで。ハンジの推測聞いても何がどう転がろうとしてるのか全く分からない。そんな中エルヴィンだけは不気味に冷静でもうこの人には何も恐れるものがないのだなと思った。すべてひっかむるつもりだね。フレーゲルの怯えや104期の疑心暗鬼など心理劇もいい。ケニー悪役ながらかっこいい。リヴァイは絶体絶命。たとえケニーを倒しても逮捕されそうだし、104期が孤立状態になるのでは?と予想してみたところで明るい要素が一つもないことに気付いた。
読了日:5月13日 著者:
鋼の錬金術師全27巻 完結セット (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師全27巻 完結セット (ガンガンコミックス)感想
電子書籍で大人買い。完璧な世界観と設定にため息。一気読みするのはもったいない。細部まで味わうには要再読。好きな人物はアル(健気)、マスタング大尉(王道)、アームストロング姉弟(セットで好き)、ピナコ(かっこいい)、メイ・チャン(安定感)、ホーエンハイム(ラストの笑顔)、スカー(英雄)、あー、もう切りない・・・。
読了日:5月14日 著者:荒川弘
イノサン 1 (ヤングジャンプコミックス)イノサン 1 (ヤングジャンプコミックス)感想
怖かった怖かった怖かった!!予想以上に。死刑執行シーンがというより、生まれながらに定められた死刑執行人という職業から逃れられない心理的苦痛、誰からも忌み嫌われる孤独な存在、とにかく精神的にやられました。うう。シャルルが今後どういう人生を歩むのか、知りたい気もするけど二巻に手を出すのがためらわれるほどきつかった。少し間を置いて読もう。絵が美しいです。
読了日:5月21日 著者:坂本眞一
サイゴン・タンゴ・カフェ (角川文庫)サイゴン・タンゴ・カフェ (角川文庫)感想
アジアと南米、地理的にも文化的にも最も遠い関係にあるようでこうも不思議なケミストリーを生み出す取り合わせはない。タンゴにインスパイアされた短編集。どろどろとした男女・女女の情念や業が描かれていてもタンゴによってすべて昇華されていくようだった。
読了日:5月29日 著者:中山可穂
村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか? ビッグバンからヒッグス粒子へ (朝日新書)村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか? ビッグバンからヒッグス粒子へ (朝日新書)感想
物理とか量子力学の最先端研究の結果に基づく宇宙論なので、対談形式とはいえかなり難解でした。それでも、ニュートリノとかヒッグス粒子とかニュースで耳にするものがどういう意味を持っているのかが多少理解できるようになります。世の中には宇宙の謎を解明しようと様々な知識を集約して頑張ってる科学者たちがいるのだなと感心。あまり一般には知られてないけど、日本(人)も多大に貢献しているのがよく分かりました。
読了日:6月3日 著者:村山斉,高橋真理子

  → 2014年に読んだ本 2 へ続く。