2011年はがくんと読書量がダウン。
とくに夏以降は惨憺たる。
もっと読んだような気もするんだけどな~。

この中からベストを決めるのもどうかと思いますが
それでも迷いなくよかったと言えるのは高村薫さんの
「神の火」ですね。
いつか再読したいです。


2011年の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:6864ページ
ナイス:228ナイス
感想・レビュー:16件
月間平均冊数:1.3冊
月間平均ページ:572ページ

煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)
途中から何度も前に戻って誰が誰かを確認しながら読み進めましたが、最後の最後までだまされ(?)続けましたねー。よくできた話です。 語り部たちが語るひとつひとつのお話もどこか御伽噺のようで、でもそれがだんだんと語り部たち本人との関わりを見せ始めると俄然おもしろくなってきます。 良くも悪くもライトノベル、さらっと読み終わってしまうので重厚感はないけど、じんわりとした切なさが残ります。
読了日:09月28日 著者:多崎 礼
Naked City: Tales of Urban Fantasy
エレン・カシュナーの「The Duke of Riverside」だけがお目当てだったので、それのみ読了。 アレクが公爵を継ぐ決意をするまでのお話。リヴァーサイドでの彼が住民の目にはどのように映っていたのかが分かる。夜のお散歩シーンがよい。影のように寄り添うリチャードが印象的。干渉しあわないのにこれほど離れがたい関係って、うらやましい。
読了日:08月31日 著者:
トワイライト (文春文庫)
不惑の年に読んだのは偶然だったんだけど、あまり共感というものはなかった。ただ「あの頃の21世紀はもっと輝いていた」っていう感覚は、あるな~。でもこれって誰しもそう思うことであって、そこそこの幸せとそこそこの失望あっての人生。若い読者はこれを読んで40のおじさん・おばさんになるのを恐れないでほしいな。いいこともいっぱいあるよ。
読了日:08月15日 著者:重松 清
ベルサイユのばら 全5巻セット (集英社文庫(コミック版))
人生何度目かの再読。やはりすばらしいの一言。年をとっていいことはちょっと人より多くの人生の悲喜こもごもを経験してですね、そうしてまたこういう名作を読むと、また一味違った感慨に浸れるということです。「自由・平等・友愛」=トリコロールがまさにベルばらのテーマだったんだと今更ながらたたきつけられたよう。オスカルの戦死シーンでは泣かずにはいられなかった。
読了日:08月12日 著者:池田 理代子
闇の公子 (ハヤカワ文庫FT)
幻想的で耽美なダーク・ファンタジー、堪能させていただきました。(訳文がすばらしい!)妖魔の王アジュラーンの美しくも残酷な戯れにため息。しかし全戦全勝でないところが憎めない。人類の滅亡の危機に瀕しアジュラーンのとった行動は意表をついたが、なんとも「人間らしく」て面白かった。
読了日:07月30日 著者:タニス・リー
リヴィエラを撃て〈下〉  新潮文庫
中盤から存在感を示し始めたキム・バーキンが個人的にお気に入りとなった(男前だ)。が、あまりに魅力的な人物が多すぎて困る。諜報を含めた外交の場で日本がいかに稚拙で馬鹿にされてるかが皮肉にも浮かび上がってくる。CIAが徹底的に恐ろしかった。手島を絶望させたものを考えると背筋が寒くなる。しかし、イングランドのマナーハウスの妖しさやシンクレアの華麗さにはため息。語りつくせないほど色々とてんこ盛りだ。
読了日:05月28日 著者:高村 薫
リヴィエラを撃て〈上〉 (新潮文庫)
IRAのテロは日本人にとってあまりぴんと来ないものだがそこに生きる人がどれほどがんじがらめになっているか、そしてそこから逃げ出そうとしたジャックがどういう道をたどるかが描かれる。のだが、それがこの作品のすべてではないところがすごい。普通の小説が2,3作つまっているようなボリューム。
読了日:05月28日 著者:高村 薫
神の火〈下〉 (新潮文庫)
神の火を盗んだ男がそれを還すお話なのかなと。手を染めたスパイ活動や原子力開発に痛恨の思いを抱きながらも人生の清算はきっちりとできたのでは。人の心を持った落ちこぼれスパイ。島田にもどうか安らぎを。
読了日:05月06日 著者:高村 薫
神の火〈上〉 (新潮文庫)
福島原発事故を目の当たりにして、今まで手ごわそうで敬遠していた「神の火」に挑戦。今から20年前に書かれたとは思えないこの原発に対する危機感は何?!冷戦時代の諜報事情も絡んでいつもながら厚みのあるお話です。
読了日:05月06日 著者:高村 薫
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
一気に読ませる点では「面白い」作品なのかもしれないけど、個人的にはただただ「胸クソ悪」かった(下品な言い方ですみません)。そういう感情を読む者に抱かせることを主眼に書かれたのだとしたら大成功していると思う。けれど中途半端に実在の人物や実事件を連想させるエピソードを交えたりある病気をこういう形で使うのはたとえ小説の「面白さ」のためだとしても倫理観に欠けると思う。
読了日:04月08日 著者:湊 かなえ
双生の荒鷲 (角川文庫)
美しき兄弟愛。第二次世界大戦を舞台に敵味方に分かれた双子の兄弟の運命が描かれる。エンターテイメント性の強い作品だけど間違いなく感動する。マックスとハリー、文句なくかっこいい。
読了日:04月04日 著者:ジャック ヒギンズ
闇の陣羽織 (祥伝社文庫)
江戸捕り物ミステリで、バディもの。ミステリはそれほど意表をつくものではなく、それよりも同心・官兵衛と新米中間・福之助の活躍を楽しむ感じの筋立てです。軽く腐女子向けサービスあり。聞き込みしながら謎を解いていくあたりはどこか刑事ドラマとかハリウッド映画の警官バディものを思わせる。巨漢・大飯食らいで剣の達人・大蔵がちょっと面白い存在。
読了日:03月05日 著者:鈴木 英治
ブロークバック・マウンテン (集英社文庫(海外))
短編だったんですね。この短さで同性愛、アメリカ社会、土地の風土や自然、そして人の感情を感動深く書けるなんてすごい。あとからじわじわくる。訳者あとがきも大変ためになった。映画は未鑑賞。
読了日:02月16日 著者:E・アニー・プルー
幻月楼奇譚(キャラコミックス)幻月楼奇譚(キャラコミックス)
昭和浪漫ホラーミステリ・BL風味って感じ。ミステリの部分がとても読み応えあり(時に難解?!)小説で読んでみたくなるような作品です。ワケあり幇間・与三郎がキャラとしては最高なんだけど、もう少し美麗なお顔に描かれていたら文句なし。
読了日:02月15日 著者:今 市子
人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))
青空文庫にて再読。10代のころに読んだきりだった。あのころはもっと深刻に受け止めたように思うが、今読むとけっこう滑稽な文章を書く人だなあというところに反応した。最後の怒涛の転落は気持ちのいいものではないけど、これを書いた後本当に自殺してしまったことを思うとなんとなく苦しくなる。太宰治という人そのものをよく知ってからまた読んでみたいと思った。
読了日:02月06日 著者:太宰 治
こころ (集英社文庫)
襖一枚先の自殺に怖気。真っ先に遺書に飛びつく人間・先生に震撼。しかし、のちに冷静にすべてを包み隠さず書き綴ることができるのもまた、人間なのだ。青空文庫にて、再読のつもりが教科書掲載部以外初読であったという事実に気づき愕然。このまま読まずに人生を終えずに済んで本当によかった。
読了日:01月15日 著者:夏目 漱石

2011年に読んだ本まとめ
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