子どもたちが通っていた保育園は、卒園式のあとに卒園児だけでなく全園児にチューリップの苗が配られる。
次女が0才の時からお世話になっていたから、いままで何本かの苗がうちにやってきたけれど、それが花を咲かせたのを見たことは1度もなかった。
でも、いつか近所に住む義父が枯れかけた苗を持ち帰り、見事開花させた。
ああ、花って、ちゃんと育てると、こうやって花を咲かせるんだ…と、驚いた。
だから、次女が卒園する年には、この苗を庭の花壇のごくわずかな日の当たる場所に植え替えて、大切に育てていた。
固く閉じた花の部分は、最初その花の色を見せずにいたけれど、水をやるたびに柔らかくなり、美しいピンク色を少しのぞかせてからは、毎朝、チューリップの開花具合をチェックするのが、子どもたちの楽しみになっていた。
でも、その楽しみは奪われた。
