氷で閉ざされし極寒の地。
南極大陸。
その平均標高2200m。
世界の屋根「ヒマラヤ山脈」を有し、
次いで平均標高が高いアジア大陸は960mで
それをはるかに凌ぐ。
そのためか北極よりも寒冷な気候で、
世界でもっとも寒い地域であり、
そして、人間が永住したことのない唯一の大陸である。
しかし、南極大陸を氷の世界にしたのは他にあった。
海流だ!
これは世界の海流図だ。
南極大陸の周囲の海を寒流がぐるりと一周する
「南極還流」の存在だ。
この南極還流によって、赤道からやってくる暖められた暖流が
南極大陸にまで到達することがないのである。
しかし
太古には南極に暖流が届き、比較的温暖な気候であったという!
1億年前、南極大陸はゴンドワナ大陸の一部であった。
この広大なゴンドワナ大陸は赤道にまで延びており、
そこでぶつかった暖流が南極地方へ流れるようになっていたのだ。
当時の暖流が届く南極地方は比較的、温暖な気候で森林も存在し、
南極大陸でクリオロフォサウルス や草食恐竜などの恐竜の化石が発掘されている。
しかし
現在は南極で寒流がぐるりと1周する寒流が存在するが、
恐竜の闊歩した時代は
海流の動きはまったくの逆の現象が起きていた!
北半球のローラシア大陸と
南半球のゴンドワナ大陸に分かれており、
赤道で海流が陸地にぶつかることなく、地球をぐるりと1周することができたのだ!
赤道で流れる海流はもちろん暖流であり、
これを「環赤道海流」と呼ぶ。
寒流と交えることのないこの大きな暖流が
地球を何周もするたびに赤道直下で温められ続け、
あらゆる海へ暖流を供給し
世界中に温暖な気候を促したのはいうまでもない。
特に白亜紀前期は世界的に高温化が進んだ時代で、
それは恐竜の進化にも現れている。
アフリカ北部にスピノサウルス 、オウラノサウルス 、レッバキサウルス
南アメリカにはアマルガサウルス といった
帆をもった恐竜たちの姿が目立った。
この背中などに帆をもつことによって、体の表面積を稼ぎ
体内の熱を逃がしやすい役割をしているという。
当時、アフリカと南アメリカは陸続きであり、
環赤道海流の影響をもっとも受けた地域だったかもしれない。
まぁ、ともかく
現在は南極とその周辺海流で世界が冷やされ、
寒冷な時代であると思われ、
そして
恐竜時代はそうとう暑かった。