人類に多大な恩恵を与え続けている生物がいる!


人類がそれを知ったのは

50年ほど前だ。


アメリカカブトガニの血液の成分が
大腸菌などのばい菌を短時間でゼラチン状に
固めてしまうことを発見したのだ!



アメリカカブトガニ  学名(Limulus polyphemus


アメリカカブトガニ

大腸菌、サルモネラ菌などのグラム陰性菌の死骸から

放出される毒素がある。


それはエンドトキシン!!


生活環境内で多く存在し、これが人の血中に入ると
強いショックを受け、発熱、意識障害、さらに死を

もたらすという極めて危険な物質だ!


それでカブトガニの血液には

それを検出する能力があるという


その検出能力は

100億分の1グラム

エンドトキシンすら反応するという!!


医療では

人の血液に注入する注射液に

エンドトキシン汚染がないか判るというわけで

医療分野でカブトガニの血液はかなり役立つ代物なのだ!!



エンドトキシン汚染管理


注射液に危険な毒素エンドトキシンが含まれているかどうかを、

製造過程で知るために、従来はウサギに注射して発熱を待つという

時間のかかる方法だったが、

カブトガニの血液で即判定でき、検出能力も抜群だ!


さらに!!


カブトガニの血液中には

タキプレシンという物質が含まれている!


このタキプレシン(毒性強いのだけど)

という物質は

エイズウィルスから免疫細胞を守る働きがあり、
たとえエイズウィルスに感染しても、

免疫細胞が破壊されないので、
発病しない効果があるという。


近い将来、カブトガニの血液から

現在の難病エイズの特効薬が

できることが期待されているという!!

(実際にT-22という試薬がある!)



カブトガニは生きている化石として貴重だけでなく、

人命を救う医療分野でもますます重要性を帯びてくるわけで

人類の経済活動などでカブトガニの生息する干潟を

埋立地に変えて生息地を奪うといった

カブトガニを絶滅の危機に追いやることは

人類にとって多大な損失を与えることはいうまでもない!


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