ゲンジボタル  学名(Luciola cruciata


源氏蛍

ホタルといえば、ゲンジボタル。

そして、その腹部の発光だ!


ゲンジホタルは卵→幼虫→蛹→成虫と
一生を通じて光り続ける昆虫だ!


卵、幼虫、蛹が光るのは
外敵に対する警告、脅しであるといわれているが、

ゲンジホタルの成虫の発光は
コミュニケーションツールである。
いわば、光という信号によって会話をする昆虫なのだ。


オスが群れで飛びながら発光するとき
光の点滅の周期をそろえて一斉に光り、
草に止まっているメスがオスとは異なる発光パターン
を出してそれに応えるという。

これで配偶の効率を高めているというわけだ。


配偶効率を高めるには実に会話がものをいい、

人間もホタルも他の動物にもいえることだ。


このホタルの光の会話。
地域によって発光パターンが違うといった
「光の方言」もあるのだという。


東日本のホタルは4秒に1回の発光
西日本のホタルは2秒に1回の発光


東日本のゲンジボタル 東日本   西日本のゲンジボタル 西日本

このように光の方言ができたのは
2600万年前、
東日本と西日本の境である断層「糸魚川~静岡構造線」に
活発な断層運動が繰り返され、大陥没がおき、
一時、海に隔てられた時期があったという。
この地理的隔離によって、光の方言が生れたというわけだ。


ホタルの光の会話は配偶行動に関わるので
両者のこの発光パターンの違いにより、
光の会話が成立せず、生殖的隔離につながる。
つまり東日本のホタルと西日本のホタル
の間で繁殖できないということになる。

このような理由で種の分化が起こりうるわけだ。


しかしながら、中部地方では
3秒間隔で光を放つ
東日本と西日本のゲンジボタルの
ハーフなるものが現れているのだとか・・・。


**************************************************************


ホタルの中でも
この光の会話を騙しのテクニックに
使うものがいるという。


フォツルス・ベルシコロル  学名(Photuris versicolor


フォツルス・ベルシコロル

このホタルのメスは自由自在に発光パターンを変えることができ

「変化蛍」ともいわれている。


通常は他のホタルと同じくオスの発光に対してメスがそれに答え、

そして交尾するのだが、

別種のホタルのメスの光り方をマネして、

その種のホタルのオスをおびき寄せて、

近づいたところで襲ってたべてしまうのだという。


そして甘い誘いにつられ、食べられたオスは

産卵のための糧になってしまうという。

欲望渦巻くネオンホタル街

人間界でも

エロスで満ち満ちたオスホタルを食い物にする

このホタルのように

突然と恋人のように振る舞い、好意や恋愛感情に

つけこんで物を高額に売りつける「デート商法」や

甘え上手で男くすぐり術に長けたキャッチギャルが

ボッタクリ飲食店に誘い込むなどあるそうだが、

食い物にされぬよう気をつけたい。


ホタル百科/東京ゲンジボタル研究所
¥1,260
Amazon.co.jp