オオスズメバチ 学名(Vespa mandarinia

スズメバチ

西暦1989年。

日本ではスズメバチの毒による死者70名。

毎年少なくとも30名もの人命が、

スズメバチの毒殺によって失われているという・・・。


スズメバチはアジアに生息。

そして黒い動くものに対して、攻撃する習性があるという。

そう・・・。

アジアに住む人々は黒髪に黒い瞳。

まさに攻撃のターゲットは人間にさだめられている!!


宅地の確保やゴルフ場の開発での山間部の開拓が

進む昨今、スズメバチによる被害はこれからも増えると懸念されている。

スズメバチは山間部の森の守り神なのかもしれない。


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スズメバチミツバチ

スズメバチとミツバチ

上がスズメバチで下がミツバチ。

ミツバチの天敵といえば、スズメバチという

のはあまりにも有名だ。

スズメバチの襲撃に

悩まされ続けたのはミツバチの中でも

スズメバチと同じアジアに生息する

「トウヨウミツバチ」だ。

東洋蜜蜂と西洋蜜蜂

ミツバチといえば、たいていはセイヨウミツバチ

指すのだが、ニホンミツバチを含むトウヨウミツバチは

セイヨウミツバチに比べて、見た目は全体的に黒っぽい。



スズメバチの襲撃

太古からトウヨウミツバチの巣は

スズメバチの襲撃にさらされ続けていた・・・。

スズメバチの存在という暗黒の時代


スズメバチの殺戮劇

スズメバチに非力なトウヨウミツバチ。

そして繰り返されるスズメバチの殺戮劇!

巣に1000匹もいるミツバチが全滅させられ、

巣にある、今まで集めた蜜、そして子供たち

培ってきたすべてを奪われてしまった!!


たった数匹のスズメバチによって・・・。



「勝利をするには、敵を知れ!」

いつからか、トウヨウミツバチは

スズメバチの弱点を知った・・・。

彼らはミツバチに比べ、熱に弱いのだ!!


そして

種の存続のため

スズメバチに対抗すべく編み出した

究極奥義・・・。


「蜂塊」!!


究極奥義「蜂塊」

大勢のトウヨウミツバチたちが、1匹のスズメバチを

取り囲み塊となる。そしてトウヨウミツバチは

体温を45度まで上げ、熱に弱いスズメバチを

蒸し殺すという。


今までスズメバチになされるまま巣を

荒らされ続けたトウヨウミツバチだが、

この「蜂塊」によって

今後、スズメバチの襲撃から巣を守ることが

できるようになった。これは大きな進歩である。


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現在、日本では

ミツバチの養蜂は1877年にヨーロッパから移入された

セイヨウミツバチ」が使われている。

古くから養蜂として使われた「ニホンミツバチ(トウヨウミツバチ)」より、

蜜が多く採集ができるためである。

セイヨウミツバチはトウヨウミツバチより繁殖力が強く、

セイヨウミツバチの野生化によってニホンミツバチが駆逐されるの

ではないかと懸念されたが、

セイヨウミツバチはスズメバチのいない

ヨーロッパで進化してきたため

アジア生息のスズメバチに対抗する

究極奥義「蜂塊」を獲得していない。

つまり、スズメバチの存在するアジアでは

セイヨウミツバチは野生化できないのである。


トウヨウミツバチは

スズメバチの存在のおかげで、セイヨウミツバチに

生息地を脅かされることはない。

まさに「蜂塊」という究極奥義は種の存続に大きな意味を

もっている。


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